日本株続伸、格上げ受けた銀行買い、資源堅調-売買代金1兆円割れ

東京株式相場は続伸した。JPモル ガン証券の業界判断引き上げを受けた銀行株が上昇。米国の実質国内 総生産(GDP)改定値が予想を上回ったことや、チリでの地震発生 による銅需給ひっ迫の可能性を材料視し、非鉄金属や商社など資源関 連株も堅調だった。

みずほ投信投資顧問の荒野浩理事は、「業績改善の裏付けがあるの で、円高局面になっても日経平均株価は1万円を割らなくなってきた」 と指摘。中でも銀行株については、「米金融規制や自己資本規制などの 悪い材料を既に織り込んだ」と見ていた。

日経平均株価の終値は前週末比46円3銭(0.5%)高の1万172 円 6銭、TOPIXは4.83ポイント(0.5%)高の898.93。

為替市場で極端な円高が進まなかったことや中国株高が追い風と なり、朝方は小安い場面もあった3月月初の日本株相場も午前の中ご ろ以降は堅調な値動きが続いた。ただ、米景気やギリシャ問題につい て先行き不透明な部分も残り、東証1部の売買代金は概算で9829億円 と9営業日ぶり1兆円割れるなど低調、売買高は14億8182万株と前 週末から6%ほど減った。

こうした中で、TOPIXの上昇寄与度首位は銀行株。JPモル ガン証券では、クレジットコストが目先低下して市場心理が好転する 可能性があるほか、増資などイベント・リスクも小康状態が続くと指 摘、銀行セクターの投資判断を「やや弱気」から「やや強気」へ上げ た。先週末の米国株市場では、英バークレイズによる買い推奨が好感 されて銀行株が上昇、日米で銀行株に対する見直しの動きが広がった。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長によれば、「銀行株 は市場全体に比べて出遅れ感がある。需給面でも、3月決算期末接近 に伴う事業会社の決算対策売りが薄れてきている」という。昨年11 月 27日安値から先週末までの東証33業種の騰落率では、銀行は28 位と 出遅れが目立っていた。

チリ地震で銅需給ひっ迫も、中国PMI

住友金属鉱山や三井物産など資源関連株も堅調。2009年10-12 月期の米国の実質GDP改定値は前期比年率5.9%増加と、速報値 (5.7%増)から上方修正された。在庫のGDP寄与度や、設備投資の 上方修正が要因。また、世界最大の銅生産国チリで発生したマグニチ ュード8.8 の強い地震の影響で銅山の操業が停止され、銅供給が減少 したことも材料視された。

また、中国の2月の製造業購買担当者指数(PMI)は事前予想 を下回ったものの、「PMIを見る限り、金融引き締めによる実体経済 のスローダウンは懸念されたほど大きくない」と、カブドットコム証 券の河合達憲マーケットストラテジストは指摘。日本株の下値を支え る一因になったとしている。

一方、欧州連合(EU)当局者らは、必要が生じればギリシャに 約250億ユーロ(約3兆300億円)を支援する計画を策定しているほ か、ギリシャ政府は3年間の財政赤字削減計画の実施に引き続き注力、 審査を受け必要と考えれば、追加策を検討する方針を政府報道官が明 らかにした。ただ、きょうの相場を大きく押し上げるほどの役割は果 たせず、みずほ投信の荒野氏も「方向性は決まっていても、簡単に解 決する問題ではない」と話していた。

三城HDが3連騰、内田洋行は急落

個別では、販売方法の改革や赤字店舗の閉店の進ちょくなどで 2011年3月期の黒字化が見えてきたと指摘し、投資判断を新規に「買 い」とした三城ホールディングスが3連騰。20万株(発行済株式数の

1.1%)を上限とする自社株買いを実施するJBCCホールディングス は、株主還元姿勢への評価や需給好転を見込む買いから3日ぶり急反 発した。不動テトラやライト工業など、チリの災害復興関連として連 想買いが入った低位建設株の一角も高い。

半面、10年7月期通期の連結最終損益が24億円の赤字に落ち込 む見通しの内田洋行が急落。10年2月期の単独純利益が従来予想を下 回ったもようのイオンファンタジーは小反落。リコール(無料の回収・ 修理)問題による影響が鎮静化しないトヨタ自動車も反落した。東証 1部の値下がり率上位は東光、日本電波工業、レオパレス21など。

新興市場はそろって上昇

国内新興3市場はそろって上昇した。ジャスダック指数の終値は 前週末比1.2%高の51.06、東証マザーズ指数は1.7%高の415.97と それぞれと6連騰。大証ヘラクレス指数は1.3%高の577.48と3営業 日ぶりに反発した。

11年8月期以降は広告費用が一巡し、出店の拡大などによる利益 成長が見込まれると野村証券が投資判断を新規に「1(買い)」とした ジェイアイエヌが急伸。2200株(発行済株式数の1.5%)を上限とす る自社株買いを実施するJストリームは値幅制限いっぱいのストップ 高。売買代金上位では、第一精工、ミクシィ、ダヴィンチ・ホールデ ィングスが上げた。

半面、10年2月末に債務超過を回避するめどが立たず、ジャスダ ック証券取引所の上場廃止基準に抵触する見込みと1日に発表した総 和地所がストップ安。保有不動産からの賃料と銀行口座を東京都が差 し押さえたプロパストは5日続落。売買代金上位でインデックス・ホ ールディングス、ブイ・テクノロジー、ブロードバンドタワーが安い。

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