債券は小幅安、株高で先物売り優勢-あすの10年債入札に向けた売りも

(第10段落以降に10年債入札に関する内容などを追加します)

【記者:赤間信行】

3月1日(ブルームバーグ):債券相場は小幅安(利回りは上昇)。 株式相場が堅調に推移したことを受けて債券先物市場では売りが優勢 の展開となった。あす2日実施の10年利付国債(3月債)の入札に向 けた売りも相場を押し下げた。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、あすの入札に備えた売りが債券相場を下押ししたと指摘。ただ、 「3月の償還資金の手当てがつくまで需給環境は良好とみられており、 入札自体も無難ないしは好調との見方が大勢だ」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月3月物は前週末比2銭安い139円85銭で 始まり、開始後こそ1銭高の139円88銭をつけたが、その後は139 円70銭台でのもみ合いとなった。午後には一時、139円72銭まで下 落しており、結局は10銭安の139円77銭でこの日の取引を終えた。

10年債入札を控えて売り優勢の展開となった。大和住銀投信投資 顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、10年債入札の 前日にあたってさすがに投資家は長期ゾーンで様子見姿勢を強めてい たとした上で、「株価が高かったこともあって割高感のある債券先物に はヘッジ目的の売りが膨らんだ」との見方を示した。

ギリシャの財政問題に関する懸念がやや緩和したため、リスク許 容度の改善を見込んで株価は小高く推移しており、このことも債券先 物売りを促した。日経平均株価は小幅プラス圏での取引に終始した。

欧州連合(EU)加盟各国は、ギリシャに対してEU最大の財政 赤字削減に向け一段の努力を求める一方で、同国救済策の策定作業を 進めている。ドイツの議員らが明らかにしたところによれば、EU当 局者は、必要が生じればギリシャに約250億ユーロ(約3兆300億円) を支援する計画を策定しており、具体的にはドイツ復興金融公庫(K fW)など国有金融機関を通じてギリシャ国債を購入する可能性があ る。

10年債利回りは1.31%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは、前週末比0.5ベーシ スポイント(bp)高い1.305%で始まり、その後は同1bp高の1.31% での取引が続いた。

305回債利回りは2月25日の夕方遅くに1.295%をつけ、ほぼ2 カ月ぶりに1.3%台を下回った。前週は金利低下のピッチが速かった こともあって1.2%台でいったんは戻り売りも出たが、みずほ証券の 野地慎シニアマーケットアナリストは、国債大量償還を迎える3月は 投資家の潜在的な買い需要が非常に強いとみており、債券需給にひっ 迫感がある中で金利は上がりにくいと話した。

また、米国で消費者信頼感指数や新築住宅販売件数が予想を下回 るなど、市場では景気に対する楽観見通しが後退し始めている。トヨ タアセットの深代氏は、4月以降に金利が上昇するリスクを考えると 無理はできないとしながらも、米国景気に対する不透明感が出てくる 中では償還資金を債券に振り向けざるをえないともいい、「長期金利は 月央にかけてじり安に推移する可能性が高い」と予想していた。

一方、亀井静香金融・郵政担当相がこの日の衆院財務金融委員会 で、日銀は「直接国債を引き受けて財源を作るということをやったら 良い」と主張したことについて債券市場の反応は限定的だった。みず ほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミストは、 以前であれば債券市場にとってプラス要因だったが、現在は国が財政 ファイナンスに加担することを求めているとみられて、ギリシャの財 政問題もあって悪材料ととらえられやすいと指摘した。

10年債入札、クーポン引き上げも

財務省は2日に10年国債の価格競争入札を実施する。新発10年 債の表面利率(クーポン)について、市場では前回債と同じ1.3%か、

0.1ポイント引き上げの1.4%が見込まれているが、投資家の潜在需要 がおう盛であるため入札は無難に通過するとの見方が多い。発行額は 前回債と同じ2兆2000億円程度。

10年物の305回債利回りは前週後半にかけて一時1.3%割れを記 録したが、償還期日が3カ月延びる新発10年債の実勢水準は1.3%台 半ばとなっている。みずほ証の野地氏は、3月の大量償還を迎えるた め投資家は一段と資金余剰になるとしたうえで、「5年ゾーンでは

0.5%程度の利回りしか確保できない中で、10年債が1.3%台半ばであ れば相応に魅力的だ」とみている。

大和住銀投信の伊藤氏は、前月末に投資家から長期化入れ替えの 買いが入ったため、足元では証券会社の在庫が圧縮された状況だとし て、「新たな在庫確保のニーズが強い」ともいう。

--取材協力 池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka, Saburo Funabiki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

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