JFE・HD債:発行額100億円増し、業績や希少性を投資家が評価

JFEホールディングス(HD)が 2月26日に募集を行った国内普通社債(SB)の発行額は400億円と 同社の業績や希少性などが投資家から評価されて最終的に100億円の 増額となった。

事務主幹事証券の日興コーディアル証券デット・シンジケート部 の高松文雄部長は、今回のJFEの起債について「希少性や堅調な業績 が評価された上、金利低下の警戒感もある中、少しでも利回りのあるJ FE債の需要は多かった」と言い、生命保険、損害保険、投資信託・投資 顧問などの機関投資家から地方銀行など地方の投資家に至るまでほぼ 全業態の投資家に販売できたと語った。

事務主幹事証券が明らかにしたところによると、JFEが販売し た社債は、年限5年の第14回債。表面利率は0.708%、発行価格は100 円で決まった。

共同主幹事は当初、同社債の対国債比スプレッド(金利上乗せ幅) を15bp(1bp=0.01%)から19bpの水準で需要調査を開始し、その 後は16bpから19bp、17bpから19bpと徐々に絞り込み、最終的に18bp と当初水準の上限近くで決まった。

主幹事は、事務幹事の日興コーディアル証のほか、三菱UFJ証 券が共同で務めた。格付けは格付投資情報センター(R&I)のAA -、日本格付研究所(JCR)のAA、ムーディーズのA2を取得し た。

7カ月ぶりの起債

JFEが国内SBを発行するのは、国内社債市場が金融危機の影 響から回復しつつあった2009年7月の起債(400億円)以来、約7カ 月ぶり。当時のスプレッドは対国債比25bpで、今回は7bp縮小した ことになる。

  鉄鋼会社の社債発行は、08年9月のリーマンショック以降、半年 ほど途絶えていた。09年4月の住友金属工業債(250億円)や神戸製 鋼所債(230億円)で起債が再開したものの、今回のJFE債は同年 7月募集のJFE債(400億円)、住金債(100億円)以来となる。

世界的な経済危機で自動車などの顧客企業からの需要が落ち込ん で鉄鋼各社の業績も09年前半には悪化したが、中国などのアジアの新 興国を中心に需要に伴い業績も回復、09年10-12月期の純利益は前 年同期比で67%増加の273億円となった。

異業種ながら直近起債のKDDI(A+:R&I)5年債のスプ レッド(対国債比)20bp、大和ハウス工業(AA-:R&I)5年債 の同23bpと比較すると、「JFE債のタイト感は否めない」と安田投信 投資顧問の朝順浩ポートフォリオマネージャーら投資家からの指摘は 多い。

しかし、新規発行の社債が少なく、購入する品不足に悩む投資家 にとってJFE債は信用力の観点からも評価されて、スプレッド10bp 台後半という金利水準となった。市場関係者によると、国債市場の利回 りが低下する中で、投資家は社債の表面利率にもこだわったようだ。

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