IMFには巧みなリスク察知と早期の流動性供給が必要-専務理事

国際通貨基金(IMF)のストロ スカーン専務理事は、IMFは各国経済が他諸国にもたらすリスクを より巧みに察知し、各国中央銀行の役割を引き継いで、金融危機の初 期段階に流動性を供給する必要があるとの考えを示した。

ストロスカーン専務理事はワシントンで開かれたブレトンウッズ 委員会の年次会合で講演し「われわれは、世界的な安定に影響を及ぼ すマクロ経済と金融セクターの政策をすべて担う必要がある」と指摘。 「重要なのは、システミックな安定を守るIMFの役割を強化するこ とだ」と述べた。

IMFは、世界的な金融危機の前に資金が減少。加盟国はその妥 当性に疑問を投げ掛けていた。危機発生後はパキスタンやハンガリー などさまざまな国の経済を救済し、加盟国も拠出を拡大。ストロスカ ーン専務理事は景気回復が進む中、IMFの役割の再定義に取り組ん でいる。

2007年に就任した同専務理事は、IMFスタッフは個々の国の監 視に力を入れ過ぎたと指摘。「その結果の一つとして、各国経済のつな がりや波及に十分な注意を払わなかったという状況を招いた」と述べ た。

また、持続可能な景気回復を目指す20カ国・地域(G20)首脳会 合(金融サミット)の合意に沿った「多国間の監視」を提案した。

専務理事は、世界的な流動性の要請に第一に対応するのは米連邦 準備制度理事会(FRB)などの主要中央銀行だと指摘。「しかし、将 来にそうした要請に中央銀行が前向きに対応できるようにするために どんな保証があるだろうか」と述べ、「国際機関がこうした要請に応え られるよう準備するのは極めて重要だ」と語った。

同専務理事は、国際金融システムを安定させるIMFの役割を見 直していると表明。さらに、ドルは「安全資産としての役割を果たし てきた」とした上で、予備的な準備資産への高い需要と準備資産の供 給が限られていることから生じる緊張を限定的にするための方法を見 いだすことが課題だと語った。

専務理事は、長期的に世界的な準備資産がドルに取って代わる必 要があるのかという疑問を提起。「準備資産に複数の供給源があれば、 優位性を持つとはいえ単一の国の政策や状況に国際金融システム全体 が左右される度合いは低下するだろうとの見解を示した。さらに、「I MFが世界的な準備資産を供給するよう求められる日が来るかもしれ ない」と話した。しかし、今はまだIMFが準備資産を発行する時期 ではないが、こうしたアイデアを「現時点で探求するのは健全なこと だ」と付け加えた。

-- Editors: Brendan Murray, Paul Badertscher

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田 広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta 記事に関する記者への問い合わせ先: Sandrine Rastello in Washington at +1-202-654-4318 or srastello@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Christopher Wellisz at +1-202-624-1862 or cwellisz@bloomberg.net.

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