長期金利は4、5月に需給悪化懸念で上昇後、6月に低下-UBS証

UBS証券の道家映二チーフスト ラテジストは25日、ブルームバーグとのインタビューで、今年4-6 月期の長期金利の推移について、4月から5月にかけて需給悪化懸念 の強まりで上昇するが、6月には国債大量償還を迎えることから需給 が改善して低下に転じるとの見方を示した。

道家氏は、長期金利が上昇する理由として、利付国債のネット供 給額(発行額から償還額を引く)が膨らむことや縁故地方債の集中発 行で需給バランスが悪化することに加えて、追加経済対策の策定、円 安・ドル高の進行などを挙げた。

UBS証では、月間のネット供給額は4月が8兆円、5月は7.6 兆円となるが、6月は利付国債償還の影響が大きく、0.1兆円の減少 に転じると試算。6月の国債償還額は10兆円弱になるとみている。

4-6月期には鳩山由紀夫政権が参院選挙対策で追加経済対策を 策定すると予想している。道家氏は「衆院解散がなければ次の国政選 挙は3年後になる。鳩山政権は一定の財政規律を守ろうとするだろう が、中期的な財政政権への取り組みは2011年度以降のテーマと考え、 参院選前は勝つためには何でもありになりかねない」とみるためだ。

政府・与党の10年度予算案には、使い道を決めない歳出項目とし て約2兆円の別枠がある。景気が落ち込む場合の予備的費用だが、道 家氏は「参院選前に追加対策が策定された場合の財源になる」と説明。 その上で、「4兆円から5兆円の財政支出(真水)を想定しており、そ の場合は2兆-3兆円の国債増発が必要になる」という。

日銀は新型オペ拡充も

また、日本銀行の政策に関しては、景気の底割れ回避や年度末越 えの資金供給で万全を期すために3月の金融政策決定会合では昨年 12月に導入した新型オペの拡充を決めると予想している。新型オペは 政策金利0.1%で期間3カ月の資金を10兆円供給するもの。国債買い 入れの増額については、4-6月期以降になるとみている。

一方、米国債市場では、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長が24日の議会証言で示唆した住宅ローン担保証券(MBS) 買い入れの3月中止を前提に、4-6月期にかけて米金利は上昇基調 になると見込んでいる。

5月に金利ピークとの見方

道家氏は、長期金利は5月に4-6月期のピーク(上限)となる

1.5-1.6%程度まで上昇した後、6月に入ると国債大量償還などで低 下に転じると見込んでいる。1.6%に達すれば2008年10月以来の高水 準となる。

長期金利は昨年6月11日に09年度の最高水準である1.56%を付 けたが、その後は投資家の買いが膨らんで1カ月後には1.3%割れま で下げた。こうした経緯を踏まえ、「今年は5月に前倒しで織り込んで 4-6月期の金利のピークをつける」と述べた。

一方、道家氏は、日米欧の経済に慎重な見方も維持しており、銀 行の余剰資金積み上がりなどから、「予想ほど金利が上昇しない可能性 も意識している」と話した。

26日朝方の現物市場では、長期金利の指標とされる新発10年物 の305回債利回りは1.29%で取引されている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE