日本株小反発、生産回復好感し自動車関連買い-海外不透明で薄商い

日本株相場は、小幅ながら4日ぶ りに反発。1月の鉱工業生産で輸送機械の回復を確認し、トヨタ自動 車やブリヂストンなど自動車関連株が買い戻された。ただ、世界の金 融政策の動向、南欧諸国の財政問題など海外情勢の不透明感は依然残 っており、売買は盛り上がらなかった。

日経平均株価の終値は前日比24円7銭(0.2%)高の1万126円 3銭。TOPIXは同2.69ポイント(0.3%)高の894.10。東証1部 の値上がり銘柄数は880、値下がりは624。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、 「世界的に金融引き締めの動きが出ており、金利動向に敏感になって いる。過去の利上げ局面と違い、超金融緩和の後であるため、マーケ ットがどう反応するのか、想像がつかない」と指摘。投資家らは、リ スク回避の動きを強めているとの認識を示した。

取引開始前に経済産業省から発表された1月の鉱工業生産指数は、 前月比で11カ月連続の上昇、指数の上昇率は2.5%とブルームバーグ 調査の予想中央値(同1%上昇)を上回った。アジア向けを中心とし た輸出拡大や経済政策の効果などで、企業の生産活動は持ち直しが続 いている。生産で上昇した業種は16業種中、13業種。普通乗用車や 自動車部品生産の国内外向けの増加が上昇に寄与した。

MU投資顧問の森川央シニアストラテジストによれば、これまで は電子デバイス中心の回復だったが、「輸送機械の生産が伸びているこ とが示されたのは朗報だ。すそ野の広い輸送機械の増産基調がはっき りしたのは心強い」という。

東証1部33業種の上昇率上位にはゴム製品、輸送用機器が並び、 自動車関連の上げが目立った。大規模リコール(無料の回収・修理) 問題の米下院での公聴会を通過したトヨタは、東証1部の売買代金1 位。シティグループ証券が投資判断を「買い」に引き上げたいすゞ自 動車は続伸。天然ゴムなど原材料価格の高騰を理由に、欧州地域で4 月1日からすべてのタイヤを値上げするブリヂストも反発した。

個別では、日産自動車から電気自動車とハイブリッド車の基幹部 品であるモーターコアを受注した、と26日付の日本経済新聞朝刊が報 じた三井ハイテックが急騰。ゴールドマン・サックスが投資判断を「買 い」へ引き上げたイオンも上げ、みずほ証券が投資判断を「アウトパ フォーム」に引き上げたダイセル化学工業が4日ぶり反発。

ユーロ不透明感、週末要因

もっとも、東証1部の売買代金は1兆1529億円と、前日までの過 去1年間の平均(1兆4296億円)と比べ19%減少。相場全体が盛り 上がりに欠ける中で先物主導の色彩が強く、日経平均株価、TOPI Xとも午前は前日終値を挟んでもみ合う時間帯が多かった。欧州の財 政問題、米景気の回復鈍化懸念など海外環境に不透明要因が多く、積 極的に持ち高を傾けにくい事情もある。

一方、午後の取引ではプラス圏で堅調に推移したが、上値を切り 上げる迫力もなく、終了にかけて再度伸び悩んだ。大和証券キャピタ ル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長は、「週末 を控え売り込んだ向きの買い戻しが入ったが、底入れから切り返して いる動きではない」と指摘。欧米の不安材料から、「海外投資家は中長 期的な買いを入れづらい」と話していた。

ここにきて、投資家心理に影を落としているのが、為替市場のユ ーロの動向だ。ニューヨーク時間25日の為替市場では、ユーロ・円相 場が一時1ユーロ=119円66銭と2009年2月24日以来、約1年ぶり に120 円を割り込んだ。東京時間26日は同121円台まで回復したが、 ギリシャなど南欧諸国に対するぬぐえぬ警戒感が底流にあるだけに、 足元の投資家心理は冷やされたままだ。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「再 びユーロが120円を割ってくると、日経平均1万円割れもある」と警 戒感を崩していない。この日はHOYAやニプロなど、精密機器を中 心とした欧州比率の高い銘柄は終始軟調だった。

東証1部の売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グル ープ、日産自動車、キヤノン、パナソニック、NTTドコモが下落。 個別の材料銘柄では、ゴールドマン・サックス証券が判断を「売り」 に引き下げた良品計画、会員獲得費用がかさみ、10年3月期の連結営 業利益予想を減額修正したソネットエンタテインメントも安い。

新興3市場はまちまち

国内新興3市場は、高安まちまち。東証マザーズ指数は前日比

1.5%高の409.19、ジャスダック指数は同0.2%高の50.47と上昇。一 方、大証ヘラクレス指数は同0.1%安の570.19と小幅続落した。

個別では、アニメ「ワンピース」「プリキュア」シリーズの映画や キャラクター商品のヒットで、10年3月期の業績予想を上方修正した 東映アニメーションが反発。みずほ証券が目標株価を上げた第一精工 が続伸。ドイツ証券が目標株価を引き上げたミクシィが急騰した。半 面、楽天やダヴィンチ・ホールディングス、日本マクドナルドホール ディングスは軟調だった。

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