債券先物反落、2カ月ぶり140円台で高値警戒-年限長期化買い下支え

債券先物相場が反落(利回りは上 昇)。前日の米国債相場の上昇を受けて買いが先行したものの、先物3 月物の一時140円台回復で高値警戒感が強まり、売りが優勢となった。 半面、きょうは月末で投資家が保有債券の年限を長期化させるための 買いが超長期債を中心に支えた。

損保ジャパン・グローバル運用部の砺波政明債券運用第1グルー プリーダーは、債券相場が朝高後に上値が重くなったことについて、 「鉱工業生産指数は良い数字だったし、先物3月物の140円台、新発 10年債利回りの1.3%割れで達成感も出ていたようだ」と述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は4営業日ぶりに反落。前日比11 銭高の140円4銭で取引を開始し、直後に140円5銭まで上昇して、 昨年12月22日以来の高値をつけた。しかし、その後は買いが続かず、 株式相場が堅調推移になったこともあり、売りが増えると一時は15 銭安まで下げた。結局は6銭安の139円87銭で引けた。

先物相場の伸び悩みについて、三井住友銀行の宇野大介チーフス トラテジストは、「朝方は高く始まったものの、為替市場での円高が一 服し、株式相場も大きな動きがなく、追加の支援材料がない中で、週 末の持ち高調整の売りが出た」と説明した。

鉱工業生産は予想上回る

また、月次ベースの経済指標が強めだったことも相場の圧迫要因。 日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「きの う長期金利は1.3%割れとなったが、保有債券の年限長期化の買いな ど一時的な需給要因によるもので材料がついてきていない。朝方発表 された鉱工業生産は良い数字で景気の二番底は見込めず、上値追いに はならなかった」と説明した。

1月の鉱工業生産指数は前月比2.5%上昇し、11カ月連続でプラ スとなった。ブルームバーグ調査では前月比1%上昇が予想されてい た。

一方、1月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI) は前年同月比1.3%低下と11カ月連続のマイナス。2月の東京都区部 コアCPIは同1.8%低下だった。ブルームバーグ調査では、全国が

1.3%低下、東京は2.0%低下が見込まれていた。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、「景気が持ち直しを続 ける中でさえ、需要の弱さから来る物価下落圧力が高い状況が続いて いる」と指摘した。

政府からは日本銀行に対し、デフレ脱却に向けた積極的な対応を 求める発言が出ていた。菅直人副総理兼財務相は26日、閣議後会見で、 「物価の下落は続いている。デフレ脱却に向けて一層の努力が必要」 とした上で、「日銀も方向性は政府と共通している。いろいろな形で努 力をいただくことを期待している」と述べた。

新発10年債利回り1.30%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.29%と、昨年12月30 日以来の低水準で取引を開始した。その後は、徐々に水準を切り上げ、 一時は1.5bp高い1.31%まで上昇した。午後3時過ぎには1.295%と 再び1.3%割れとなったが、午後4時現在では1.30%で推移している。

三井住友銀の宇野氏は、長期金利の推移について、「来週3日に 10年債の入札を控えており、それに備えた動き」と述べた。

一方、保有債券の年限を長期化させる買いで超長期債は堅調。J Pモルガン証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、2月の最終 週で保有債券の年限長期化の買いも入っていたと言う。新発20年債利 回りは0.5bp低い2.125%、新発30年債利回りは1.5bp低い2.30%ま で低下した。

25日の米国債相場は上昇した。ギリシャが格下げされるとの懸念 から、7年債入札では投資家の旺盛な需要が見られた。新規失業保険 申請件数が市場予想を上回って増加したほか、1月の米製造業耐久財 受注では、変動の大きい輸送用機器を除く受注が減少した。

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