2月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円がユーロに対して1年ぶり高値に 上昇。ギリシャの格下げ懸念から、リスクの高い資産のポジション(持 ち高)を解消する動きが活発になった。

円は主要16通貨すべてに対して値上がりした。米格付け会社の スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・イン ベスターズ・サービスが、早ければ来月にもギリシャを格下げする 可能性があると指摘したことから、円キャリー取引(円を借り入れ 高利回り資産に投資する取引)手じまいの観測が強まった。ドルは 円に対して下落。先週の米新規失業保険申請件数が予想に反して増 加したことが背景。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメントのシニア 為替アナリスト、オマー・エシナー氏は、「経済の不確実性が高ま る際は、投資家は円ショートの買い戻しに走る」と指摘。「ソブリ ン格付けに対する懸念から高利回り通貨の上昇が抑制されており、 著しい安値で取引されている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、円はユーロに対して前日 比1.1%高の1ユーロ=120円74銭(前日は同122円3銭)。ユ ーロは一時同119円66銭と、2009年2月24日以来初めて120円 を割り込んだ。ドルは円に対して1.2%安の1ドル=89円5銭。一時 は5日以来初めて89円を割り込んだ。ユーロは対ドルで1ユーロ=

1.3559ドル(前日は同1.3538ドル)に上昇。一時は同1.3451 ドルまで下落する場面もあった。

ユーロはドルに対して月初来2.2%下落。このままいけば、月間 ベースで08年11月以来最長の3カ月連続の下落となる。

「一部に疑問の声」

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は、「ユー ロのセンチメントが朝方には同通貨への重しになっていたが、米国 で期待はずれの経済統計が示されると一部に疑問の声が広がり、対 ドルではわずかに値を戻した」と指摘。「ドルはこれまでユーロに 対して大幅に上昇してきたため、対ユーロでのドルの下げを反転さ せるには強い経済指標が必要になるだろう」と述べた。

米労働省が発表した20日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は49万6000件と、前週の47万4000件 (速報値47万3000件)から2万2000件増加した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は46万件への減少 だった。

ドイツ連邦政府の資金調達や資金管理を担当する、政府の 100%出資法人を率いるカール・ハインツ・ダウベ氏は、ユーロ圏加 盟国の破たん、もしくはこうした国のユーロ圏脱退は欧州通貨同盟 (EMU=ユーロ圏)の終わりを意味するとの認識を示した。

ダウベ氏はロンドンでの会議で講演し、「ユーロ圏各国の1カ 国でも破たんすれば、これは通貨導入から10年を経て、ユーロの実 験が終了することを意味するだろう」と指摘。「システム全体の崩 壊」につながるだろうと続けた。

驚天動地

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャー ド・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)はダウベ氏の発言につ いて、「衝撃的な内容だ」と述べた。その上で、欧州連合(EU) の首脳は「加盟国がデフォルト(債務不履行)の窮地に陥ることを 放置すれば、驚天動地の事態になると理解しているため、最終的に は何らかの解決策を講じるだろう。状況が改善する前には一段の悪 化を余儀なくされるのは明らかだ」と語った。

フラヌロビッチ氏は、ユーロが向こう9カ月間に1ユーロ=

1.10ドルまで値下がりする可能性があるとの見方を示した。ユーロ がこの水準を付ければ03年以来で初めてとなる。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。取引終盤にS&P500種株価指数は下げ幅を 縮小したものの、上昇には転じなかった。米格付け会社のムーディ ーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ格下げの可能性を示し たほか、失業保険申請件数や製造業耐久財受注(輸送機器を除く) が予想よりも悪い結果だったのが嫌気された。

アップルは下げて始まったが、株式分割の観測を材料に買いが 進み、取引終盤に上昇した。ダウ工業株30種平均は下落。化学大 手デュポン、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメ ックス)、航空機ボーイングが特に下げた。清涼飲料メーカー大手 コカ・コーラは下落。同社はコカ・コーラ・エンタープライゼズの 北米ボトリング事業の買収で合意した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1102.94。一時は

1.7%安まで売り込まれる場面もあった。ダウ工業株30種平均は

53.13ドル(0.5%)下げて10321.03ドル。

フィデュシャリー・トラストのマイケル・マレーニー氏は「景 気はやや不規則な展開を見せる局面にある」と述べ、「雇用の創出 は近い将来にはないだろうとみている。それが最大の懸念だ」と続 けた。

アップルめぐる憶測

アップルは一時1.9%下落する場面もあった。ミラー・タバク の株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏によると、同社が 4対1の株式分割を実施するとの憶測が流れた。アップル広報のス ティーブ・ダウリング氏にコメントを求めたが、返答は得られてい ない。

労働省が発表した20日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数 (季節調整済み)は49万6000件と、前週から2万2000件 増加。3カ月ぶりの高水準を記録した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は46万件への減少だった。

米商務省が発表した1月の米製造業耐久財受注額では、輸送用 機器を除く受注が前月比0.6%減となった。市場予想は1%増加だ った。

ギリシャ国債

25日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、 ギリシャ国債の保証コストが4日連続で上昇。同国の信用格付けが 引き下げられた場合、欧州中央銀行(ECB)が担保規則を変更し た時に中銀融資が受けられなくなるとの懸念を背景にリスク意識 が高まった。ギリシャをめぐる不安が株式相場を圧迫した。

デュポンは1.7%安。アメックスとボーイングはいずれも1% 下落した。

コカ・コーラは3.7%安。ダウ平均銘柄の中で値下がり率最大 だった。コカ・コーラ・エンタープライゼズの株主は1株当たり 10ドルと、新ボトラー会社の株式1株を得る。コカ・コーラはエ ンタープライゼズの債務88億8000万ドルも継承する。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。ギリシャが格下げされるとの懸念から、7年債 入札では投資家の旺盛な需要が見られた。

米財務省が25日実施した7年債入札(発行額320億ドル)の 結果によると、最高落札利回りは3.078%と、入札直前の市場予想 の3.103%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は

2.98倍と、1年前に7年債入札を再開して以降で最も高い倍率と なった。この日発表された経済指標によれば、新規失業保険申請件 数が先週増加したほか、1月の米製造業耐久財受注では、変動の大 きい輸送用機器を除く受注が減少した。どちらも市場の予想外だっ た。

キャボット・マネー・マネジメントの債券ポートフォリオマネ ジャー、ウィリアム・ラーキン氏は「タイミングは最高だった」と 指摘。「世界の市場で政治的混乱が見られる。欧州では景気が二番 底に陥る可能性がありそうだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時28分現在、既発7年債利回りは7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.06%。10年債利回り は6bp下げて3.64%。同年債(表面利率3.125%、2017年1 月償還)価格は13/32上げて100 13/32。10年債利回りは5b p低下し3.64%。

ギリシャの格付け

格付け会社ムーディーズのソブリンリスク担当マネジャー、ピ エール・カイユトー氏は東京でのインタビューで、ギリシャが財政 赤字削減案を実施できなかった場合、数カ月以内に格付けを引き下 げる可能性があると述べた。スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)も24日、ギリシャ格下げの可能性を示した。ギリシャ10 年債の利回りは14bp上昇し、6.65%。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「米 国債は今朝の経済指標での弱い数字やギリシャをめぐる根強い懸 念が支援材料になっている」とした上で、「全般的に今週市場は供 給分をうまく吸収した」と述べた。

前回1月28日の7年債入札では、最高落札利回りは3.127%。 応札倍率は2.85倍だった。過去10回の入札での応札倍率の平均 は2.65倍。

海外投資家

この日の7年債入札での間接入札者の落札比率は40.3%。過 去10回の入札の平均は53.6%。1月の入札では33%だった。直 接入札者の落札比率は17.2%。前回は11.8%で、過去10回の平 均は5.1%。

ブルームバーグ・ニュースの調査によれば、財務省は今年、2 兆4000億ドル規模の国債を発行するとみられる。昨年の発行額は 2兆1100億ドルだった。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジ スト、アレックス・リー氏「重要なのは、供給量よりも経済動向だ」 と語った。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は今週初めて上昇した。欧州の財政赤字を 背景に、ユーロに代わる投資先としてのとしての金の魅力が強まるとの 観測が背景。

ギリシャの債務格付けが引き下げられるとの懸念を背景に、ユ ーロの対ドル相場は一時0.6%下落。通常、ドルが上昇すると金は下 げる傾向がある。2009年には、金は24%上昇した一方、ドルはユー ロに対して2.5%下げた。19日には、安全投資の需要からユーロ建 て金相場は過去最高に達した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏は、「金はドルの上昇と、欧州からの需要の高まりの板挟 みになっている」と指摘。「欧州のソブリン債の問題はまだ始まっ たばかりだ。ユーロが下げれば欧州勢は金に目を向けるだろう」と 語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場4月限は前日比11.30ドル(1%)高の1オンス=1108.50 ドルで取引を終了。一時は1088.50ドルと、中心限月としては12 日以来の安値まで売られた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は大幅反落。下げ幅は過去3週間で最大とな った。米新規失業保険申請と米製造業耐久財受注の発表を受けて、世界 の経済回復が腰折れし、エネルギー需要が伸び悩むの懸念が強まった。

原油は一時3.7%下げ、1週間ぶり安値を付けた。20日終了週 の米新規失業保険申請が前週から増加したほか、1月の米製造業耐 久財受注で輸送機器を除く受注が市場予想に反して減少したことで、 原油の売りが優勢となった。

ドイツ銀行のエネルギー担当主任エコノミスト、アダム・シミ ンスキー氏(ワシントン在勤)は、「原油をバレル当たり75ドルか ら80ドルの水準で下支えするには、雇用を始め消費者信頼感、企業 景況感など、すべてが良い方向に向かう必要がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比1.83ドル(2.29%)高の1バレル=78.17ドルで終了。下げ 幅は5日以来で最大となった。一時は80.32ドルまで上げる場面もあ った。年初からの下落率は1.6%。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は過去3週間近くで最大の下げ。米格付け会社ムーデ ィーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ格下げの可能性を示した ほか、米週間失業保険申請件数と製造業耐久財受注額(輸送機器除く) が予想よりも悪い結果だったのが嫌気された。

世界最大の鉱山会社、英・豪系BHPビリトンを中心に鉱山株が 下落。金属相場の下落が影響した。英最大の人材派遣会社ヘイズも 大幅安。同社の利益がアナリスト予想に及ばなかったのが売り材料 だった。

ギリシャのピレウス銀行を中心にギリシャ銀の株価は下落。ピレ ウス銀の通期利益は過去5年で最低水準だった。

ダウ欧州600指数は前日比1.6%安の243.29で終了。2月5 日以降で最大の下げだった。

フォルティス・プライベート・バンキングの株式ストラテジスト、 ギローム・デュシェスネ氏(ジュネーブ在勤)は「ギリシャに関連 する新しい材料は市場のセンチメントや成長見通しに影響を与える」 と述べ、「これが問題だ。特に強弱が混在した経済統計が発表され ている状況を考えるとなおさらだ」と続けた。

ヘイズは8%安。2008年12月以来の大幅安だった。同社上半 期(7-12月)の一時項目を除く税引き前利益は、前年同期比で 70%減の3040万ポンド。ブルームバーグがまとめたアナリストの予 想平均では3620万ポンドだった。

ピレウス銀は3.3%下落。同銀の昨年の年間純利益は2億200 万ユーロに減少した。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債が下落。ドイツ10年債に対するギリ シャ10年債のプレミアム(上乗せ利回り)は2週間余りで最大となっ た。ギリシャの信用格付けが引き下げられる可能性があるとの懸念が強 まった。

ギリシャ2年債利回りは1月20日以降で最大の上昇となった。 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムー ディーズ・インベスターズ・サービスは、ギリシャが財政赤字削減 案を実施できなかった場合、同国を格下げする可能性があると示唆。 ムーディーズのソブリンリスク担当マネジング・ディレクター、ピ エール・カイユトー氏は、3カ月末までに引き下げる可能性がある と述べた。

一方、ドイツ2年債利回りは過去最低を記録。投資家がより安 全な資産を選好する動きが強まったほか、この日発表された2月の ユーロ圏景況感指数が予想に反して悪化したことがきっかけとなっ た。

F&Cインベストメンツのユーロ債担当責任者、ミヒール・デ ブルーイン氏(アムステルダム在勤)は「ギリシャは連日のように 材料になっている。ボラティリティーは当面なくならない」と述べ た。さらに「市場は景気の2番底の可能性も考慮に入れており、こ れがリスク回避の動きを促進している」と付け加えた。

ロンドン時間午後5時40分現在、ギリシャ10年債利回りは前 日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し6.64%。 同国債(表面利率6%、2019年7月償還)価格は0.90ポイント下 げ95.48。同2年債利回りは6.44%と、前日から74bpの大幅上 昇となった。

ドイツ10年債利回りは3bp低下の3.1%。ギリシャ10年債 とのスプレッド(利回り格差)は16bp拡大し356bpと、8日以降 の最大となった。先月28日時点では396bp。過去10年は平均58 bpだった。

◎英国債市場

英国債相場は4日続伸。この日発表された2009年10-12月 (第4四半期)の設備投資額が前期比5.8%減少したことなどが背景。 アナリスト予想は0.1%の増加だった。

10年債利回りは前日比4ベーシスポイト(bp、1bp=

0.01%)低下し4.03%。この日の金利先物12月限の利回りは4b p低下し1.12%となった。英国の政策金利が長期にわたって低い水 準にとどまるとの見方が強まったことが示された。

ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の金利ストラテジスト、ジェイソン・シンプソン氏は、英国債相場 の上昇について、「ギリシャ問題によるものだ。これがリスク回避 の動きを促した」と述べ、「今週の入札をこなし、英国債は好調を 取り戻した」と付け加えた。英国政府は今週、75億ポンド相当の国 債を入札した。

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、欧州連合(EU)最 大の財政赤字を抱えるギリシャの格付けが早ければ3月にも引き下 げられる可能性があることを明らかにした。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE