今日の国内市況:株3日続落、債券続伸-ユーロは対円で1年ぶり安値

日本株相場は3日続落。ギリシャ など欧州の財政問題、米国の低金利の長期化観測を受けて為替市場で は対ユーロ、ドルで円高が進み、企業業績への悪影響が警戒された。 電機や自動車、機械など輸出関連株中心に売られ、欧州の売上高比率 の高い旭硝子、日本板硝子などガラス・土石製品は東証1部33業種 の下落率1位。

日経平均株価の終値は前日比96円87銭(1%)安の1万101 円96銭。TOPIXは同4.28ポイント(0.5%)安の891.41。

この日は、為替市場でユーロ、ドル売りが進んだ。朝方は1ユー ロ=122円台前半で推移していたが、午前10時ごろからユーロ安が 急速に進行。午後に入ってから、2月5日に付けた直近安値(同120 円71銭)を下回った。一時同120円24銭と2009年2月以来、約1 年ぶりの安値を記録。またドル安も進み、朝方は1ドル=90円台前半 で推移していたが、午後に入り一時同89円33銭と、2週間ぶりのド ル安水準まで下落した。

ギリシャの財政問題がくすぶる上、米連邦準備制度理事会(FR B)のバーナンキ議長が24日の議会証言で、「米経済は低金利を維持 することが必要」と発言、米国の早期利上げ観測が後退したことが背 景だ。東京株式相場は、朝方こそ小幅に上昇して始まったものの、為 替相場の円高進行に伴い徐々に売りが優勢となった。大規模リコール 問題の米公聴会を終え、悪材料の一巡感から取引開始時は高かったト ヨタ自動車も結局小幅安で終了。

TOPIXの下落寄与度1、2位は、為替の影響を受けやすい電 気機器、輸送用機器。東証1部33業種の値下がり率上位にはガラス・ 土石製品、鉱業、海運、機械、非鉄金属などが入った。半面、倉庫・ 運輸関連、電気・ガス、小売、陸運などが高い。

東証33業種の騰落状況は、10業種が上昇、下落23。東証1部 の騰落銘柄数は値上がり816、値下がり729。東証1部の売買代金は 1兆2704億円と、過去半年の1日当たり平均1兆3679億円を7% ほど下回った。

債券先物が2カ月ぶり高値圏

債券市場では先物相場が2カ月ぶり高値圏に上昇した。米国で景 気の楽観見通しが後退して低金利長期化の見通しが広がる中、国内株 安もあって債券先物買いが活発化した。現物市場では長期金利が

1.30%と今年の最低水準に並んでいる。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比3銭高い139円66銭で 始まり、開始後には16日につけた年初来高値139円76銭を上回っ た。その後も株安などを手掛かりにさらに買われ、一時は昨年12月 24日以来の高値圏となる139円96銭まで上昇。終値は30銭高の139 円93銭だった。

前日の米株相場が上昇に転じたことから、国内市場でも朝方こそ 株高を通じた債券売りを予想する見方があった。しかし、日経平均株 価が小高く始まった後に下げに転じると、3月物には2週間後の最終 売買日を見据えた売り方の買い戻しが膨らんだ。

米国で景気の楽観見通しが後退したことが、国内市場における債 券高、株安、ドル安・円高につながったもよう。米国では消費者物価 指数が食品、エネルギーを除くコア指数で約27年ぶりに低下したほ か、その後も消費者信頼感指数や新築住宅販売件数などが軒並み予想 を下回ったことが、市場参加者の景気認識を一気に悪化させた。

こうした中、バーナンキFRB議長は24日の議会証言で、米景 気回復が「初期の」段階にあることから、政府の景気対策終了後に消 費者や企業の需要を喚起するため低金利を維持する必要があるとの見 解を述べている。

現物市場で新発10年物の305回債利回りは、前日終値と同じ

1.315%で始まり、その後は先物相場の上昇にけん引される格好で買 いが優勢となった。午後には1.5ベーシスポイント(bp)低下の

1.30%をつけ、1月4日以来の低水準をつけた。

2年利付国債の入札は好調な結果となった。日銀の金融緩和が今 後も維持されるとの見方が有力なことから、余裕資金を潤沢に抱える 投資家の需要の強さが示された。

財務省が発表した2年物の290回債(3月債)の入札結果による と、最低落札価格が100円8銭、平均落札価格は100円8銭5厘と なった。最低価格は市場の事前予想と同水準で決まっており、最低と 平均価格の差であるテールは前回債の7厘から5厘に縮小。応札倍率 は2年半ぶりの4倍超えとなる4.33倍に上昇した。

ユーロが対円で1年ぶり安値

東京外国為替市場では、ユーロが大幅下落し、対円で1年ぶりの 安値をつけた。ギリシャの信用格付けが引き下げられる可能性がある との懸念を背景に、ユーロ売り優勢の展開となった。

ユーロ・円相場は午後の取引で一時1ユーロ=120円24銭と、 昨年2月24日以来のユーロ安値を更新。ユーロ・ドル相場も一時1 ユーロ=1.3451ドルと、4営業日ぶりの水準までユーロが下値を切 り下げた。

一方、ドル・円相場は対ユーロでの円買いが波及する格好となり、 一時1ドル=89円33銭と、10日以来、約2週間ぶりの円高値を付 けた。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの 日、ギリシャのソブリン格付けについて、同国が財政赤字削減に向け て掲げた目標の進ちょく状況次第では、数カ月以内に引き下げる可能 性があることを明らかにした。

また、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P) は24日の発表文で、「ギリシャの格付けは1カ月以内に、さらに1- 2段階引き下げられる可能性があると考える」と指摘している。

さらに、24日にはギリシャの首都アテネ中心部で、労働組合がパ パンドレウ首相の緊縮財政に抗議してデモ行進を決行。警察当局とデ モ隊が衝突するなどの混乱が生じており、財政再建の足かせになる可 能性が警戒されている。

一方、前日には、バーナンキFRB議長が下院金融委員会で行っ た半期金融政策報告の際、労働市場のたるみや低インフレを背景に連 邦公開市場委員会(FOMC)がフェデラルファンド(FF)金利誘 導目標を「長期にわたり」低水準を維持するだろうとの見通しをあら ためて示した。

この日は21日までの1週間の新規失業保険申請件数が発表され る。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では46万件と、 前週の47万3000件から減少が見込まれている。

また、この日はバーナンキ議長が引き続き上院銀行委員会の公聴 会で、半期金融政策報告について証言する予定で、金融政策の見通し を受けた市場の反応が注視されるとみられる。

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