債券先物が2カ月ぶり高値圏、米景気不安や株安-長期金利は今年最低

債券市場では先物相場が2カ月ぶ り高値圏に上昇した。米国で景気の楽観見通しが後退して低金利長期 化の見通しが広がる中、国内株安もあって債券先物買いが活発化した。 現物市場では長期金利が今年の最低水準に並ぶ1.30%をつけた。

みずほ投信投資顧問の中村博債券運用部長は、月末の年限長期化 の需要が高まるタイミングに加えて、米国で低金利維持の可能性が高 まったことで買い安心感が広がったと指摘。「10年債も来週の入札で 新しい銘柄になるためじわじわと需要が出てくる」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比3銭高い139円66銭で始 まり、開始後には16日につけた年初来高値139円76銭を上回った。 その後も株安などを手掛かりにさらに買われ、一時は昨年12月24日 以来の高値圏となる139円96銭まで上昇。終値は30銭高の139円93 銭だった。

前日の米株相場が上昇に転じたことから、国内市場でも朝方こそ 株高を通じた債券売りを予想する見方があった。しかし、日経平均株 価が小高く始まった後に下げに転じると、3月物には2週間後の最終 売買日を見据えた売り方の買い戻しが膨らんだ。

米景気の楽観見通しが後退

米国で景気の楽観見通しが後退したことが、国内市場における債 券高、株安、ドル安・円高につながったもよう。米国では消費者物価 指数が食品、エネルギーを除くコア指数で約27年ぶりに低下したほか、 その後も消費者信頼感指数や新築住宅販売件数などが軒並み予想を下 回ったことが、市場参加者の景気認識を一気に悪化させた。

こうした中、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長 は24日の議会証言で、米景気回復が「初期の」段階にあることから、 政府の景気対策終了後に消費者や企業の需要を喚起するため低金利を 維持する必要があるとの見解を述べている。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国では18 日の公定歩合引き上げ時に景気回復期待が強まったものの、その後に 発表された指標からはむしろ踊り場入りが意識され始めたといい、「円 債市場は限月交代が近づく先物中心に買いで反応した」と話した。

10年債利回りは1.30%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは、前日終値と同じ

1.315%で始まり、その後は先物相場の上昇にけん引される格好で買い が優勢となった。午後には1.5ベーシスポイント(bp)低下の1.30% をつけ、1月4日以来の低水準をつけた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、期末が近づくタイミングで積極的な買いは見られないとしな がらも、3月には国債大量償還を控えているだけに、今後は長期ゾー ンでも「買わないリスク」が意識される可能性があるという。

もっとも、3月2日に次回の10年国債入札を控えており、投資家 は長期債の新規購入に慎重な姿勢を崩していない。岡三アセットの山 田氏は、米国景気の不透明感が広がっていることは金利の押し下げ要 因だが、10年債利回りでみて1.3%は節目として意識されているため、 投資家は積極的に現物買いに動きづらいともいい、「足元では先物買い 戻しが主導する展開だ」と話した。

一方、2年利付国債の入札は好調な結果となった。日銀の金融緩 和が今後も維持されるとの見方が有力なことから、余裕資金を潤沢に 抱える投資家の需要の強さが示された。

財務省が発表した2年物の290回債(3月債)の入札結果による と、最低落札価格が100円8銭、平均落札価格は100円8銭5厘とな った。最低価格は市場の事前予想と同水準で決まっており、最低と平 均価格の差であるテールは前回債の7厘から5厘に縮小。応札倍率は 2年半ぶりの4倍超えとなる4.33倍に上昇した。

あすの鉱工業生産に注目

あすは月末にあたって1月の経済指標の発表が予定されており、 債券市場では鉱工業生産指数に注目が集まっている。

鉱工業生産は昨年12月まで10カ月連続で上昇しており、市場で は1月分についても小幅プラスを予想する見方が多い。しかし、米景 気の回復期待が後退しつつある中で、債券市場は弱めの指標に反応し やすい地合いにあるとみられており、岡三アセットの山田氏は、「2、 3月の予測指数も含めて事前予想より悪い数字が出てくれば買い材料 になりやすい」とみる。

ブルームバーグ・ニュースの調査では、1月の鉱工業生産の予想 中央値は前月比1.0%上昇。また、全国消費者物価指数(除く生鮮食 品、コアCPI)は前年同月比1.3%低下と、昨年12月と同水準にな ると予想されている。

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