ゴールドマンも投資家も不満-米SECが空売り一部規制

米証券取引委員会(SEC)は、 株の空売りの一部規制を承認した。これで個人投資家とウォール街が 1年にわたって繰り広げてきた論争に終止符が打たれるものの、導入 される規則は誰も満足しない内容となった。

SEC委員5人は24日の投票で、前営業日比10%下げた銘柄の 空売りを制限する規則の導入を賛成3、反対2で承認した。10%安と なった銘柄はその段階で、市場の買い呼び値で最も高い水準を上回る 価格でしか空売りを執行できなくなる。この制限措置は取引同日と翌 営業日まで適用される。

シャピロSEC委員長はこの日のワシントンでの会合で「空売り は市場に流動性や値決めの効率性を提供するなど、重要で建設的な役 割を担うことができる。しかし、制限なき空売りの恐怖が伴う個別銘 柄に対する過度な下押し圧力は、市場を不安定にさせ、投資家の信頼 感を損なう恐れがあると懸念する」と述べた。

空売り規制をめぐっては、米ゼネラル・エレクトリック(GE) や チャールズ・シュワブに加え5600人余りがSECあての嘆願書に署名 し、SECが2007年に廃止したアップティック・ルール同様の規則が 常に適用されることを求めていた。このルールは直近の株価よりも低 い価格での空売りを禁じたもの。一方、ゴールドマン・ サックス・グル ープやヘッジファンドのシタデル・インベストメント・グループ、D Eショーは規制反対を訴えた。

ジョージタウン大学のジェームズ・エンジェル教授(金融)は「誰 も満足しないだろう」と述べ、「新しい規則が恩恵を与えるのはSEC だ。何らかの対策を講じたとする政治的な隠れみのになる」と述べた。

米S&P500種株価指数は昨年1-2月に19%下落。この株安や フランク米下院金融委員長を含む議員27人からの要請を受け、SEC は空売り規制を検討する方針を昨年3月に示していた。議員らが求め ていたのはアップティック・ルール復活。07年6月の同ルール廃止か ら4カ月後、S&P500種指数は1年5カ月続いた弱気相場入りした。

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