しまじろうチベットへ、幼児向け教育中国10倍狙うベネッセ

ベネッセホールディングスは、中 国市場で幼児向け通信教育「こどもちゃれんじ」の会員数を2018年度 までに最大200万人と、現在の10倍以上に拡大させる意向だ。少子化 の影響で国内市場が低迷する中、持続的成長を求めアジア市場の開拓 に注力する。同社を代表する人気キャラクターのしまじろうは、今や 遠くチベットの子どもたちにも知られている。

ベネッセHの福島保社長はこのほど、ブルームバーグとのインタ ビューに応じ、「過去20年間、少子化との戦いだった。今後は日本で 培った商品を中国などの海外で現地化していかなくてはいけない。中 国は非常に期待できる市場だ」と述べた。

教育事業を中心に展開する同社の「こどもちゃれんじ」は、ゼロ 歳から6歳児向けの通信教育。毎月家庭に送付される絵本やDVDな どを使用し、歯ブラシやトイレの使い方、ひらがな、数字などを学ぶ。 教材に登場するしまじろうは、テレビアニメ化されるほどの人気ぶり。 08年に創刊20周年を迎え、国内会員数は122万人(09年4月時点) と、未就学児(生後半年から小学校入学前)の5人に1人が受講して いる計算だ。

もっとも、少子化により国内市場は頭打ちで、厚生労働省の推計 では09年の国内の出生数は106万9000人。05年に戦後初めて110万 人を下回って以降、同水準を回復できていない。一方、中国は一人っ 子政策の影響があっても、国家統計局のまとめでは08年に1608万人 と日本の約15倍に及ぶ。福島社長は、「子どもの発達段階の生活習慣 教育など、母親の子育てでの困り事は世界共通。中国は日本と文化が 似ており、当社が培ったコンテンツを普及させやすい」と強調、中国 事業強化に意欲を見せる。

拠点強化、内陸へ進む年男「チャオフー」

ベネッセHが中国市場に参入したのは06年6月。「こどもちゃれ んじ」の中国版「楽智小天地」の会員数は、参入3年で18万6000人 (09年9月末現在)に伸びた。沿岸部の会員数が約7割を占めるが、 チベットから内モンゴルまで会員は全土に広がる。15年度には中国の 会員数が日本国内を上回る見通しで、18年度に売上高は最低でも250 億円を目指す。足元の中国の売上高予想は公表していないが、10年度 は海外(中国、韓国、台湾)で75億円を計画している。

会員獲得手段については、日本ではダイレクトメールや既存会員 からの紹介が大半。一方、知名度に欠ける中国ではデパートなどでイ ベントを開催して見込み客を獲得、見本誌などを送付している。現在 の営業拠点は上海のみだが、今年中に北京に新設、今後は広州、東北、 華南、四川にも新しく拠点を開設する計画だ。

「営業拠点をしっかり作り、営業活動、商品の展示活動をきちん と行うことが出来れば、中国でのビジネスのスピードを上げることが 可能になる」と、福島社長。しまじろうの中国名は、いたずらっ子な トラを表す「チャオフー(巧虎)」。同社では、しまじろうと同じ寅(と ら)年の2010年を、飛躍の年に位置付けている。

英会話響き足元業績は苦戦、中国は中長期で期待

同社の足元の業績はさえない。今期(10年3月期)の連結売上高 は前期比1%減の4084億、営業利益は同4.2%減の375億円の見通し で、減収減益は7期ぶりだ。景気悪化による英会話事業の不振などが 響く。

独立系調査会社ティー・アイ・ダヴリュの西村尚純シニアアナリ ストは、業績見通しについて「英会話事業は景気悪化で法人顧客が離 れて不振となった。しかし、レッスンの減少に下げ止まりが見られる 上、リストラに本腰を入れる予定で最悪期は脱した」と指摘。中国の 教育事業については、「来期に黒字転換する見込みで、中長期的に非常 に期待できる。同社は顧客のニーズをつかむのが非常にうまい。投資 対象として強気で見ている」という。

ブルームバーグ・データによると、担当アナリスト13人の投資判 断状況は、10人が買いを推奨、3人が中立としている。

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