NY外為:円上昇、対ユーロ一時119円台-安全への逃避で

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ニューヨーク外国為替市場では 円がユーロに対して1年ぶり高値に上昇。ギリシャの格下げ懸念か ら、リスクの高い資産のポジション(持ち高)を解消する動きが活 発になった。

円は主要16通貨すべてに対して値上がりした。米格付け会社の スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・イン ベスターズ・サービスが、早ければ来月にもギリシャを格下げする 可能性があると指摘したことから、円キャリー取引(円を借り入れ 高利回り資産に投資する取引)手じまいの観測が強まった。ドルは 円に対して下落。先週の米新規失業保険申請件数が予想に反して増 加したことが背景。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメントのシニア 為替アナリスト、オマー・エシナー氏は、「経済の不確実性が高ま る際は、投資家は円ショートの買い戻しに走る」と指摘。「ソブリ ン格付けに対する懸念から高利回り通貨の上昇が抑制されており、 著しい安値で取引されている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、円はユーロに対して前日 比1.1%高の1ユーロ=120円74銭(前日は同122円3銭)。ユー ロは一時同119円66銭と、2009年2月24日以来初めて120円を割 り込んだ。ドルは円に対して1.2%安の1ドル=89円5銭。一時は 5日以来初めて89円を割り込んだ。ユーロは対ドルで1ユーロ=

1.3559ドル(前日は同1.3538ドル)に上昇。一時は同1.3451ドルま で下落する場面もあった。

ユーロはドルに対して月初来2.2%下落。このままいけば、月間 ベースで08年11月以来最長の3カ月連続の下落となる。

「一部に疑問の声」

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は、「ユー ロのセンチメントが朝方には同通貨への重しになっていたが、米国 で期待はずれの経済統計が示されると一部に疑問の声が広がり、対 ドルではわずかに値を戻した」と指摘。「ドルはこれまでユーロに 対して大幅に上昇してきたため、対ユーロでのドルの下げを反転さ せるには強い経済指標が必要になるだろう」と述べた。

米労働省が発表した20日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は49万6000件と、前週の47万4000件(速 報値47万3000件)から2万2000件増加した。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は46万件への減少だっ た。

ドイツ連邦政府の資金調達や資金管理を担当する、政府の 100%出資法人を率いるカール・ハインツ・ダウベ氏は、ユーロ圏加 盟国の破たん、もしくはこうした国のユーロ圏脱退は欧州通貨同盟 (EMU=ユーロ圏)の終わりを意味するとの認識を示した。

ダウベ氏はロンドンでの会議で講演し、「ユーロ圏各国の1カ 国でも破たんすれば、これは通貨導入から10年を経て、ユーロの実 験が終了することを意味するだろう」と指摘。「システム全体の崩 壊」につながるだろうと続けた。

驚天動地

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャー ド・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)はダウベ氏の発言につ いて、「衝撃的な内容だ」と述べた。その上で、欧州連合(EU) の首脳は「加盟国がデフォルト(債務不履行)の窮地に陥ることを 放置すれば、驚天動地の事態になると理解しているため、最終的に は何らかの解決策を講じるだろう。状況が改善する前には一段の悪 化を余儀なくされるのは明らかだ」と語った。

フラヌロビッチ氏は、ユーロが向こう9カ月間に1ユーロ=

1.10ドルまで値下がりする可能性があるとの見方を示した。ユーロ がこの水準を付ければ03年以来で初めてとなる。

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