2月24日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して3日ぶりに 下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米景気回復 は「初期的な」段階であり、低金利を維持する必要があると発言した ことがドル売りを誘った。

ドルは主要16通貨のうち13通貨に対して下落した。1月の米 新築住宅販売件数が予想外に減少し、過去最低を記録したことが背景。 バーナンキ議長の発言で高金利通貨の需要が高まり、南アフリカ・ラ ンドやスウェーデン・クローナがドルと円に対して上昇した。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナリ スト、アンドルー・ウィルキンソン氏は「ドルは安全への逃避と米利 上げ観測で上昇してきたが、その勢いを失っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時12分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.2%安の1ユーロ=1.3529ドル(前日は1.3507ドル)。対円 では1ドル=90円16銭(同90円22銭)。一時は89円77銭と 16日以来の円高・ドル安水準を付ける場面もあった。円はユーロに 対し1ユーロ=121円97銭(同121円86銭)。

新築一戸建て住宅販売は前月比11.2%減の30万9000戸。ブ ルームバーグがまとめたエコノミスト調査での最も低い予想も下回っ た。前月は34万8000戸。新築住宅価格の中央値は前年同月から

2.4%下落し、住宅在庫は増加した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「新築住宅販売は昨年10 月には40万戸近くに増えていたが、現在は30万戸近辺だ。これは 憂慮されることだ。従来の数字が押し上げられていたと懸念する要素 がある」と述べた。

ドルは対スウェーデン・クローナで0.5%安と、終値ベースで は16日以来で最大の下げ。対南アフリカ・ランドでは0.4%下げ た。

FRB議長証言

バーナンキ議長は下院金融委員会での半期金融政策報告で、 「持続的回復は、民間部門における財とサービスの最終需要の継続的 な伸びに依存する」と述べ、「民間部門の最終需要は緩やかなペース で拡大しているようだ」と続けた。

主要10カ国(G10)の通貨バスケットに対するドルの価値を 示すブルームバーグ相関加重通貨指数は16日以来で最大の下げとな った。

ユーロ安定の兆し

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏(トロント在勤)は「ユーロは安定に向けた初期段階にある。 最近は終値ベースで1.35ドルを下回っていない。それは悪材料の 多くが織り込まれ、ユーロ売り持ちに消極的なトレーダーが増えてい る表れだ」と述べた。

ユーロは19日に1.3444ドルと5月18日以来の安値を付け たものの、取引終了にかけて強含み、1.3613ドルで終えた。ユー ロは昨年11月25日に付けた高値1.5144ドルから約10%下げて いる。ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国の財政状況に関する懸念 が背景にある。

インタラクティブのウィルキンソン氏は「ユーロに垂れ込めてい る暗雲はまだ背景には存在するが、トレーダーの心理からは離れ始め ている」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は約1週間ぶり大幅高 だった。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米経済は低 金利を維持することが必要だと述べたことが好感された。

米銀JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BO A)が銀行株の上げを主導した。バーナンキ議長は議会証言で、 米景気回復は「初期的な」段階であり、「フェデラルファンド (FF)金利誘導目標の異例な低水準を正当化する可能性が高い と引き続き想定している」と述べた。

エンジニアリング設計ソフトウエア最大手のオートデスクは 急伸。同社の利益と売上高はアナリスト予想を上回った。

イースタン・インベストメント・アドバイザーズ(ボストン) の最高投資責任者(CIO)、ジョン・カッター氏は、「市場参 加者はバーナンキ議長がタカ派的な発言をしなかったことに安堵 (あんど)している」と述べ、「FRBは厳しい政治的圧力を受 け止めつつ、信頼性を維持するという非常に微妙な立場にある」 と続けた。

S&P500種株価指数は前日比10.64ポイント(1%)高の

1105.24。ダウ工業株30種平均は91.75ドル(0.9%)上げて

10374.16ドル。

バーナンキ議長証言

金利先物市場動向によると、現在の事実上のゼロ金利を9月まで 継続するとの見方が強まっている。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのポートフォ リオマネジャー、ロン・エリクソン氏は、「バーナンキ議長の発 言は予想通りであり、低金利維持を示唆する発言が出たことで市場は さらに安心した」と述べた。

バーナンキ議長は下院金融委での半期金融政策報告で、「ある 時点では」金融引き締め策を開始する必要があると述べた。さら に「FOMCは引き続き経済の見通しや金融市場の状況に応じて 証券の購入を検討する」と語った。

金融株

JPモルガンは2.4%高。ダウ平均銘柄の中で2番目の値上がり 率だった。BOAは2.5%上昇。S&P500種金融株価指数は

1.7%高。産業別10指数の中で最大の上昇率だった。

オートデスクは8.7%急伸。同社の2009年11月-10年1月 期利益は一部項目を除き1株当たり30セント、売上高は4億5600 万ドルだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では利益が1 株

当たり23セント、売上高が4億3200万ドルだった。

米税務サービス最大手のH&Rブロックは12%の大幅安。同社 は既存店での確定申告手続き数が前年同期を下回ったため、2010 年度は利益見通しを達成できないと発表した。

◎米国債市場

米国債市場では、2年債と10 年債の利回り格差が2日連続で 縮小。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が低金利維持 の必要性を示したほか、5年債入札での最高落札利回りが予想を上回 ったことに反応した。

米財務省が24日実施した5年債入札(発行額420億ドル)の 結果によると、最高落札利回りは2.395%で、入札前取引での利回 りを0.004ポイント上回った。入札直前の市場予想は2.389%だ った。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「最高落札利回りが入札前取引の利回り を上回ると、すべての年限が圧迫される」と指摘。「誰もが非常に好 調な入札になると考えていた」と続けた。

2年債と10年債の利回り格差は2.83ポイントに縮小。18日 には一時、過去最大の2.94ポイントとなった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時25分現在、既発5年債利回りは前日比1ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し2.35%。10年債利回 りはほぼ変わらずの3.69%。

「足踏み」

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「5年債入札がやや低調だったことを受けて 市場は足踏みをし、7年債入札に備え始めている」と述べた。

米財務省は25日に7年債(発行額320億ドル)の入札を実施 する。

この日の5年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は

2.75倍となった。前回1月27日の入札では2.80倍、過去10回 の入札での平均は2.48倍だった。

間接入札者の落札比率は40.3%。1月の入札では53%だった。 直接入札者の落札比率は12.8%、1月は7.4%だった。

バーナンキ議長の証言

バーナンキFRB議長は下院金融委員会での半期金融政策報告で、 「連邦公開市場委員会(FOMC)は低レベルでの資源活用やインフ レ抑制トレンド、安定したインフレ期待を含む経済状況が長期にわた って、フェデラルファンド(FF)金利の異例な低水準を正当化する 可能性が高いと引き続き想定している」と述べた。

さらに、労働市場のたるみや低インフレを背景にFOMCがFF 金利誘導目標を「長期にわたり」低水準を維持するだろうとの見通し を示した上で、「ある時点では」金融引き締め策を開始する必要があ ると語った。

バンガード・グループ(ペンシルベニア州バレーフォージ)で 650億ドルの米国債運用を手掛けるデービッド・グロック氏は、 「FRBは2011年まで利上げしないだろう」とした上で、「これ は経済情勢の変化にもよる。バーナンキ議長の発言は、金融当局が政 策の現状維持を続けるほか、経済情勢は脆弱(ぜいじゃく)だという ことをあらためて示した」と指摘した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。景気回復の足踏みでインフレヘ ッジとしての金の魅力が弱まるとの観測が背景。

米商務省が発表した1月の米新築一戸建て住宅販売は市場の予想 外に減少し、過去最低となった。また、23日に発表された2月の米 消費者信頼感指数は10カ月ぶり低水準だった。商品19銘柄で構成 するロイター・ジェフリーズCRB指数は年初から3.9%下落。 2009年には23%上昇していた。

ソシエテ・ジェネラルの商品ストラテジスト、ジェスパー・デー ンズボー氏(ロンドン在勤)は「金相場を動かす最大の要素はインフ レのヘッジだ」と指摘。「経済成長が懸念されれば、インフレに関す る懸念は弱まる」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場4月限は前日比6ドル(0.5%)安の1オンス=1097.20ドル で取引を終了。一時は1090.20ドルと、中心限月としては12日以 来の安値まで売られた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反発。上げ幅は1ドルを超えた。バーナ ンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が買いを誘った。同 議長は米景気回復が「初期的な」段階にあり、消費者や企業の需要を 喚起するためには、低金利を維持する必要があるとの見解を示した。

原油は一時1.6%上昇。バーナンキ議長は下院金融委員会での 半期金融政策報告で、「持続的回復は、民間部門における財とサービ スの最終需要の継続的な伸びに依存する」と述べた。米エネルギー省 エネルギー情報局(EIA)が発表した2月19日終了週の原油在庫 は3億3750万バレルと、前週から303万バレル増加。昨年11月 以来の高水準となった。

エネルギー・コンサルタント会社、プレステージ・エコノミク ス(テキサス州)のジェイソン・シェンカー社長は「週間在庫統計の 数字は経済成長が焦点だと強調しているにもかかわらず、原油は上昇 し続けている」と指摘。「米国および世界の現在の経済成長と中期的 な成長見通しが最も重要だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比1.14ドル(1.45%)高の1バレル=80.00ドルで終了。一 時は80.13ドルまで上げた。年初からの上昇率は0.8%。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。フランスの特殊化学品メーカー、ローディ アやドイツのフレセニウス・メディカル・ケアの決算がアナリスト予 想を上回ったほか、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長 が米政策金利は低水準を維持すると述べたことが手掛かりだった。

ローディアは2010年の収益性が「著しく」改善するだろうと 述べたのが好感された。一方、ドイツの建設大手ビルフィンガー・ベ ルガーは下落した。

ダウ欧州600指数は前日比0.2%高の247.22で終了した。

ショレデュポン・ジェスティオン(パリ)のファンドマネジャー、 キリアン・ドカルタンギイ氏は、「企業利益が市場に安どをもたらし ている」と述べ、「市場参加者は企業の決算に安定性を求めている。 相場の材料がこれまでの経済統計から企業決算に移り、それが市場の 方向性を決めている」と述べた。

バーナンキ議長は24日、下院金融委員会での半期金融政策報告 で、米景気回復は「初期的な」段階であり、金融当局による緊急支援 措置の終了後に消費者や企業の需要を喚起するためには、低金利を維 持する必要があるとの見解を述べた。

ローディアは4.6%上昇。同社の第4四半期決算は2800万ユ ーロの黒字。前年同期は2800万ユーロの赤字だった。ブルームバ ーグがまとめたアナリスト予想は2680万ユーロの黒字だった。

自動車のダイムラーは1%安。同社のディーター・ツェッチェ最 高経営責任者(CEO)は欧州の自動車業界は今年が「転換期」にな るが、需要の「早急な回復は期待できない」と述べた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債が下落。ドイツ10年債に対するギ リシャ10年債のプレミアム(上乗せ利回り)は2週間余りで最大と なった。ギリシャの労働組合が賃金引き下げに抗議してストライキを 決行したことが背景にある。

ギリシャ2年債利回りは一時、10日以来の高水準を付けた。欧 州連合(EU)が要求する歳出カットをギリシャが実施できないとの 懸念が広がったことがきっかけ。米格付け会社、スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)はこの日、「1カ月以内に」ギリシャの信用 格付けを1-2段階引き下げる可能性があると示唆した。一方、米国 にはなお低金利が必要とのバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長の発言で米国債が上昇し、ドイツ債はこれにつれ高となった。

ダンスケ・バンクのシニア債券ストラテジスト、ジェスパー・フ ィッシャーニールセン氏(コペンハーゲン在勤)は、「ギリシャはま だ水面下に沈んでいる。市場を揺さぶる可能性がある」と語った。

ロンドン時間午後3時42分現在、ギリシャ2年債利回りは前日 比22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.71%。 一時は5.83%まで上昇した。同国債(表面利率4.3%、2012年 3月償還)価格は0.39ポイント下げ97.33。

ギリシャ10年債利回りは1bp上昇し6.49%。ドイツ10年 債とのスプレッド(利回り格差)は337bpと、前日の332bpか ら拡大し、8日以降の最大となった。この日のドイツ10年債利回り は3.14%と、前日から3bp低下した。

◎英国債市場

英国債相場は3日続伸。イングランド銀行(英中央銀行)が政策 金利を過去最低水準に据え置くとの見方が広がる中、投資家らは今週 75億ポンド相当の国債を購入した。

2年債利回りは3カ月ぶり低水準を付けた。キング総裁は23日 に英国の景気回復を維持するため、当局者は「あらゆる適切な措置」 を講じる用意があると表明した。政策金利が長期的に低水準にとどま るとの見方が強まったことを背景に、この日の金利先物相場は下落し た。一方、10年債利回りは4カ月余りで最大の下げとなった。22 日には2008年11月以来の高水準まで上昇していた。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジス ト、カーステン・リノウスキー氏は「数週間前に比べて一段魅力的な 水準にあるという事実が需要を呼び込んでいる。政府債は安全とみな されている」と語った。

ロンドン時間午後5時10分現在、10年債利回りは前日比9ベ ーシスポイト(bp、1bp=0.01%)低下の4.08%。一時は 11 bp下げる場面もあった。同国債(表面利率3.75%、2019年 9月償還)価格は0.73ポイント上げ97.46。2年債利回りは

1.01%と、前日から5bp低下した。この日の金利先物12月限の 利回りは4bp低下し1.15%となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka、Akiko Nishimae +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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