債券は上昇、米景気の楽観見通しが後退-株安、円高で先物中心に買い

(第12段落以降にあすの2年債入札に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

2月24日(ブルームバーグ):債券相場は上昇(利回りは低下)。 米国では消費者信頼感指数が予想を大きく下回り、景気の楽観見通し が後退した。これを受けた内外株安や外国為替市場でのドル安・円高 を背景に、円債市場は先物中心に買い優勢の展開となった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、米国の長期金利やドル・円相場が米公定歩合引き上げ前の水 準に戻り、円債市場も相応に買い安心感が広がる中、「債券先物は株価 先物との裁定取引の買いも入って強含みの推移が続いた」という。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比18銭高い139円59銭で 始まった。午前9時40分過ぎには139円54銭まで伸び悩んだが、そ の後は株安や円高もあって4営業日ぶり高値圏となる139円60銭台で の推移が続き、結局は22銭高の139円63銭で終了した。

米国景気の先行き不透明感が強まったことを受けて、為替相場は 1ドル=90円台前半までドル安・円高となったほか、日経平均株価は 午前には一時200円超も続落した。23日の米債市場では10年債利回 りが公定歩合引き上げ前の水準となる3.7%割れまで低下するなど、 外部環境面で買い材料がそろったことが債券相場を押し上げた。

米早期利上げ観測が後退

米連邦準備制度理事会(FRB)は18日に公定歩合を引き上げた ものの、1月の消費者物価指数では食品とエネルギーを除くコア指数 が約27年ぶりに低下したほか、2月の消費者信頼感指数は10カ月ぶ りの低い水準となり、市場の早期利上げ観測は後退している。

みずほ証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、米国景気の 先行き不安から利上げ観測がしぼむ中、為替は公定歩合引き上げ前の 水準までドル安・円高が進んだほか、米株下落を受けて国内株価も大 きく続落するなど債券買いの入りやすい環境だったという。

3月には国債大量償還を控えて需給懸念が高まりにくいだけに、 債券先物相場は今後の為替や株価動向次第では一段高が見込まれる。 岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、来月にかけて現物市場の 需給懸念がにわかに高まる可能性は低いといい、「2週間後に迫った先 物の取引最終日を前に買い戻しが膨らめば、3月物がこれまでの上値 だった139円70銭台から一時的に上振れする場面もある」とみていた。

10年債利回り1.32%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは前日比1ベーシスポイ ント(bp)低い1.32%で始まり、その後は1.315-1.325%での推移に 終始している。

債券市場の外部環境が好転しているほか、月末にかけて保有債券 の年限を長期化させる買い需要が見込まれており、この日は中期から 長期ゾーンにかけて総じて買い優勢の展開が続いた。

しかし、株安や円高といった材料に先物が買いで反応した割に、 現物市場での取引は盛り上がりを欠いている。みずほ証の野地氏は、 投資家が年度内の債券取引をほぼ終えているほか、「週明け3月2日実 施の10年債入札でクーポン(表面利率)が1.4%に引き上げられる可 能性があるため、あえてこのタイミングで買い急ぐ必要はない」こと が、現物市場の金利低下を鈍らせていたとの見方を示した。

また、24、25日のバーナンキ米FRB議長の金融政策に関する議 会証言を見極めたいとの声もあった。

あす2年債入札、クーポンは0.2%か

財務省は25日に2年利付国債(3月債)の価格競争入札を実施す る。新発2年債の表面利率(クーポン)は3カ月連続で0.2%に決ま る可能性が高く、発行額は2兆6000億円程度に据え置かれる。

投資家が余裕資金を抱えていることから、市場では2年債入札に 関して無難な結果を予想する見方が多い。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストは、金融緩和が長 期化するというのが市場の一般的な見方だとした上で、「金融緩和の影 響で潤沢な資金を抱えている預金取扱機関などにとって、キャリー(金 利収入)を確保しながら資金消化ができるメリットは大きい」といい、 利率据え置きでも消化不安は乏しいという。

新発2年債利回りは昨年12月以降に0.2%を下回る展開。12月 30日の大納会で0.14%まで低下して、2005年9月以来の低い水準を つけており、2月に入ってからは0.15-0.16%でこう着している。

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