山口日銀副総裁:必要と判断すれば適宜適切な対策講じる

日本銀行の山口広秀副総裁は24日、 鹿児島市内で講演し、デフレを克服し、物価安定の下での持続的成長 経路に復帰するように粘り強い貢献を続けていくとした上で、「経済・ 物価動向や金融情勢の変化などによって、必要があると判断する場合 には、適時適切な対応を講じていく覚悟も常に持っている」と述べた。

デフレ問題については、物価を「経済の体温」に例えた上で、「デ フレ、つまり経済の体温が下がった状態にあるのは、日本経済の基礎 体力が低下していることの表れと言える」と語った。さらに、「デフレ については、こうした結果という面だけでなく、これが起点となって 景気の悪化をもたらし得る点にも注意が必要だ」と語った。

また、「デフレを克服するためには、需要不足という根本的な原因 に対する治療を粘り強く続ける必要がある」と指摘。併せて「デフレ が起点となって経済を悪化させる状況、つまり、デフレがデフレを呼 ぶ状況を生まないためにも、企業マインドが萎縮しないように働き掛 けていくことが大切だ」と述べた。

景気については「持ち直しの動きを続けている」としながらも、 「この先は一時的にせよ、景気が持ち直す勢いが弱まってくると思わ れる。その際、公共事業への依存度の高い地域などでは、景気の足取 りの重さがより強く意識されるのではないか」と述べた。ただし「景 気の勢いが弱まってくるのは夏くらいまでがヤマ場であり、そのヤマ を越えると再び勢いを取り戻せるのではないか」と語った。

低金利が新陳代謝を阻害

山口副総裁はまた、日本経済の中長期的な課題に言及し、「1990年 代以降、日本経済は低い成長率やインフレ率を続けてきた。長期にわ たる低金利と大規模な公共投資が継続的に実施される中で、経済の新 陳代謝が進みにくく、生産性の低い一部の企業や企業部門が残った」 と指摘。「その結果、企業の収益期待を全体として低めてしまい、思い 切った技術革新を妨げてきた面もあると思う」と述べた。

その上で「今後、どういった要因に働き掛ければ企業の技術革新 に向けた取り組みをより促すことができるのか、という点をあらため て考えていく必要もある」と述べた。

日銀は18日開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.1%前後に 据え置くことを決定した。景気についても「国内民間需要の自律的回 復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直 している」として前月の情勢判断を据え置いた。

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