米政府のトヨタ調査の裏に政治的動機-一部に行き過ぎ懸念

「政府の連中がトヨタを標的にして いる」。米紙ワシントン・エグザミナーは論説でこんな見出しを掲げ た。

ラフード米運輸長官はまるで、米自動車メーカーのゼネラル・モ ーターズ(GM)とクライスラーの「ブランドマネジャーの1人」の ように行動し、「トヨタをズタズタにしようと奔走している」。ラジ オ司会者のラッシュ・リンボー氏は自らの番組でこう表現した。

トヨタが工場を進出している米4州の知事らは下院に対し、連邦 政府による「不穏な声明や性急な行動」に不満の意を伝える書簡を送 った。

一部の批評家は不具合をめぐるトヨタの対応に対する米国の調査 について、安全性への懸念を超えた動機があると語り、政府によるG Mとクライスラーへの出資がトヨタたたきの一因である可能性がある と指摘している。米政府は499億ドルの支援を実施したGMの株式 61%を保有。クライスラーには143億ドルを支援し、10%出資してい る。

下院への抗議文に署名した知事の1人、インディアナ州のダニエ ルズ知事(共和党)はインタビューで、GMやクライスラーの「直接 の競合企業を政府は差別しているような印象を与えていることは間違 いない」と語った。

運輸省傘下の道路交通安全局(NHTSA)はトヨタの車の意図 しない加速やブレーキの不具合に関する報告を調査している。これを 受けて5大陸で800万台余りがリコール(無料の回収・修理)の対象 となった。

ワシントンでは23日、下院エネルギー・商業委員会でトヨタの調 査に関する公聴会が開催され、ラフード長官と米国トヨタ自動車販売 のジム・レンツ社長が証言する。トヨタの豊田章男社長は24日の下院 監視・政府改革委員会の公聴会で証言する。上院も3月2日に公聴会 を予定している。

米政府当局者はGMとクライスラーへの政府の出資がトヨタ調査 に影響しているとの見方を否定。ラフード長官の報道官のオリビア・ アレア氏は電子メールで、「われわれは安全性を非常に真剣に考えて おり、調査の是非はすべて、車両をどの企業が生産したかにかかわら ず、データの実体を基に判断している」と説明した。

ホワイトハウスのバートン副報道官と財務省のライリー報道官は、 政府によるGMとクライスラーへの出資は今回の調査に全く影響を及 ぼしていないとの見解を示した。

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