フィリピン:アジア最大サムライ債、JBIC保証と高金利に需要

フィリピン政府がアジアの発行体と して最大となる円建て外債(サムライ債)の発行条件を決定した。日本 政策金融公庫の国際業務部門である国際協力銀行(JBIC)から部分 保証を受けている割には、発行利回りの高いことが投資家の需要を集め た背景とみられている。

発表資料によると、発行額は1000億円、年限は10年、発行価格は 100円。表面利率は2.32%で円スワップレートに対するスプレッド(金 利上乗せ幅)は85bp(1bp=0.01%)だった。私募債形式で販売を行い 発行日は3月2日を予定している。共同主幹事は大和証券キャピタル・ マーケッツ、三菱UFJ証券、野村証券が務める。

JBICが部分保証を行うサムライ債の発行では、昨年7月起債の インドネシア共和国債の350億円を皮切りに、コロンビア共和国債の450 億円、メキシコ合衆国債の1500億円と相次ぎ、今回が4回目となる。

複数の市場関係者によると、今回のフィリンピン債の募集では、対 円スワップレート+80bpから+110bpで投資家への需要調査が開始され 最終的には+85bpで決まった。

フィリピン政府が発表した資料によると、2月初旬にフィリピン財 務省のロベルト・タン財務局長らが来日し個別に投資家訪問を行うなど 同国の信用力について説明したという。

最終的に超過需要-スプレッドの厚み好感

発表資料によると、銀行、保険、法人のほか、その他の金融機関に 販売され、最終的に1000億円を超える需要が集まったという。

みずほ証券の香月康伸チーフクレジットアナリストは、「部分保証、 格付未取得、私募債という条件にもかかわらず需要を集める背景は、厚み のあるスプレッドだろう」と指摘、完全保証ならば、投資家はこれほどの スプレッドは望めないだろうという。

今回のサムライ債は、「サムライ債発行支援ファシリティ(MAS F)」に基づくもの。これまで国際金融市場で国債を発行したものの、 世界的な金融危機による市場の混乱で、一時的に調達が困難となってい るアジア諸国に対して、自助努力による回復を支援するもので、与謝野 馨元財務大臣が2009年5月3日にインドネシアで開催されたASEAN +3財務相会合で表明した。

MASFに基づく金融支援

JBICは、09年6月にフィリピン政府との間で覚書に調印、MA SFに基づく金融支援についての協議を重ね、今年2月16日に、最大1000 億円の保証枠設定に関して契約を締結した。

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