2月22日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円がドルとユーロに対して上昇。 ギリシャの財政不安や米連邦準備制度理事会(FRB)による緩和解 除ペースに対する懸念が強まったことから、安全逃避先としての円の 買いが膨らんだ。

ドルはユーロに対して上昇。欧州連合(EU)がギリシャを救済 する計画はないと表明したことがきっかけ。円はドルに対して値上が り。米サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が、米景気が勢いを付け るには低金利が引き続き必要だとの認識を示したことが背景。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「ギリシャ情勢がかなり明 瞭になるまで、ユーロの買い手は出てこない」と指摘。また「FRB の政策について一段と明確なシグナルが打ち出されるまで、円を売っ てドルの上値を追う動きは限定されるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、円は対ドルで前週末比

0.4%高の1ドル=91円13銭(前週末は同91円52銭)。円は 対ユーロで0.5%高の1ユーロ=124円93銭(前週末は同124円 58銭)。ドルは対ユーロで1ユーロ=1.3599ドル(前日は同

1.3613ドル)。

EUの行政執行機関、欧州委員会のアマデュ・アルタファイ報道 官はブリュッセルで記者団に対し、ギリシャを救済する計画はないと 表明。救済パッケージは「現時点においては憶測的シナリオだ」と述 べた。

「後ろ盾の欠如」

独誌シュピーゲルは、ギリシャが赤字削減の措置を講じることを 条件に、ドイツ政府がギリシャ支援の融資と債務保証、最大250億 ユーロをユーロ圏諸国に要請する方向で検討していると報じた。ドイ ツ財務省は20日、この報道を否定した。

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「ギリシ ャには後ろ盾となる計画がなく、ドイツやフランスからも詳細が聞こ えてこない」と指摘。「ソブリンリスクへの懸念が今週の為替相場を 動かす材料となる」と述べた。

潜在力を下回る

ドルは円に対して下落した。サンフランシスコ連銀のイエレン総 裁が、今年と来年の米経済は潜在成長力を下回って推移するとの見通 しを示したことが背景。

同総裁はサンディエゴで講演。講演原稿によると、「利上げを開 始する際には、その手段は整っている」と言及した一方で、「当面の 間、経済はなお異例な低金利による支援を必要としている」と述べた。

バーナンキFRB議長は24日の議会証言で、先週の公定歩合引 き上げが借り入れコストの上昇を意図したものではないと表明する可 能性がある。

FOMC議事録(1月26―27日開催)によると、米金融当局 は今年の米経済成長率が2.8-3.5%になると予想した。当局者は 回復が持続可能であるとのさらなる証拠を求めている。

◎米国株式市場

米株式相場は小幅ながら5営業日ぶりに反落。天然ガスと金属相 場の下落で商品関連株が下げた。一方、金融株は米連邦公開市場委員 会(FOMC)が超低金利を維持するとの見方から上昇した。

天然ガスと銅価格の下落を背景に、エクソンモービルやニューモ ント・マイニングが安い。税務サービス大手のH&Rブロックもアナ リストの投資判断引き下げを嫌気して下落した。

一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン・チェ ースなど金融株は高い。スミス・インターナショナルとミリポアも買 収観測を背景に上昇した。

S&P500種株価指数は前営業日比0.1%安の1108.01。ダ ウ工業株30種平均は18.97ドル(0.2%)下げて10383.38ド ル。

ロバート・W・ベアード(テネシー州ナッシュビル)のチーフ投 資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は「株式相場は先週の上昇 を経て、やや買われ過ぎの可能性がある。今週、値固め局面になった としても意外ではなく、そうすれば来週にも上昇基調が続くだろう」 と述べた。

FRB議長証言

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの北米経済担当 責任者、イーサン・ハリス氏は、バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が今週の議会証言で利上げは差し迫っていないことを 示唆するとの見通しを示した。弱い雇用市場が理由。FRBは先週、 公定歩合を0.5%から0.75%へ引き上げた。

バーナンキ議長は経済と金融政策について、24日に下院の委員 会、25日には上院委員会でそれぞれ証言する。米サンフランシスコ 連銀のイエレン総裁は22日、サンディエゴで講演し、今年と来年の 米経済が潜在成長力を下回って推移すると予想。景気が勢いを付ける には低金利が引き続き必要だとの認識を示した。

S&P500種の金融株指数は1.1%高と、全10セクターで上 昇率トップとなった。JPモルガンとBOAはともに2.1%上げた。

ウィルバンクス・スミス・アンド・トマスのウェイン・ウィルバ ンクス最高投資責任者(CIO)は「銀行セクターは静かに回復して おり、以前考えられていたよりも速い可能性さえある。金融株の強さ は相場にとって良いことだ。FOMCが低金利を維持するなら、金融 株の地合いは一段と良くなるだろう」と語った。

ファーバー氏の予想

著名投資家のマーク・ファーバー氏は22日、ブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで、今年の米国株は前年から下落し、下げ が20%を超えると米政府とFRBが景気支援に動くとの見通しを示 した。同氏はS&P500種が1996年以来の安値水準にあった 2009年3月9日に米国株の買いを勧めた。同指数はそれ以来、最大 で70%上昇した。

ファーバー氏はさらに「今年の米国株は年初よりもやや下げて終 えるだろう。同時に下振れリスクは大きくないと思う。ダウ平均やS &P500種が15-20%下落、すなわちS&P500種が900に近づ くようなことになれば、追加の景気刺激策や量的緩和が講じられるだ ろう」と述べた。

米国株オプションの代表的な指標であるボラティリティ指数(V IX)は0.4%低下の19.94。9営業日連続で低下し、過去4カ月 で最長の低下局面となった。

エクソンは0.7%安、シェブロンは1.5%下落。S&P500種 のエネルギー株指数は1.3%安と、下落率首位となった。1.7%安 となったニューモントなどを含む素材株指数は0.5%下落した。

◎米国債市場

米国債市場では、2年債相場が続伸。サンフランシスコ連銀のイ エレン総裁が、今年と来年の米経済が潜在成長力を下回って推移する との見通しを示したことが材料視された。

長期債の利回りはほぼ変わらず。米財務省は22日、約8年ぶり となる30年物インフレ連動債(TIPS)の入札(発行額80億ド ル)を実施した。今週は過去最大となる合計1260億ドル規模の国 債入札が行われる。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクターで 米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は、「イエ レン総裁のコメントは非常にハト派的だ。すぐにフェデラルファンド (FF)金利を引き上げる可能性はないと述べている」と指摘。「投 資家はこれを、米連邦準備制度理事会(FRB)は公定歩合を引き上 げたものの、引き締めからは依然非常に遠い状況にあることの示唆だ と受け止めた」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時17分現在、2年債利回りは3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下の0.88%。同年債(表面利率

0.875%、2012年1月償還)価格は2/32上げて99 31/32。

30年債利回りは3bp上昇の4.73%。10年債利回りは2b p上げて3.79%。19日には一時3.82%と、1月11日以来の高 水準を付けた。2年債と10年債の利回り格差は2.92ポイント。 18日には2.94ポイントと過去最大に拡大した。

今は「時機ではない」

イエレン総裁はサンディエゴでの講演で、今は「金融引き締めの 時機ではない」と言明。「利上げを開始する際には、その手段は整っ ている」と言及した一方で、「当面の間、経済はなお異例な低金利に よる支援を必要としている」と述べた。

FRBは18日、約3年ぶりに公定歩合を引き上げ、0.75%に 設定。政策当局は、公定歩合の引き上げは今後の金融政策変更の前兆 ではないと説明したものの、米国債は同日下落し、週間でも値下がり となった。

TIPS入札

この日実施された30年物TIPS入札での最高落札利回りは

2.229%、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.45倍となった。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハウ ス氏は顧客向けリポートで、「利回りに注目する必要がある。好調な 入札に大きく反応していない」と指摘。「ここ数日間、数週間で市場 からはインフレ懸念が明らかに取り除かれた。それがきょうの入札に 影響したのは間違いない」と述べた。

30年物インフレ連動債のブレークイーブンレートは前日比で1 bp縮小して2.45ポイント。ブレークイーブンレートは、インフ レ連動債の利回りと同年限の国債利回りとの差で、トレーダーのイン フレ期待を示す。

◎金先物市場

2月22日(ブルームバーグ):ニューヨーク金先物相場は下落 し、2週間ぶりの大幅安。ドルの対ユーロでの値上がりを背景に金へ の投資需要が細るとの観測が高まった。

ドルはユーロに対して上昇。ドルは対ユーロで週間ベースでは先 週まで6週連続で値上がりしている。金連動型ETF(上場投資信託) としては最大の「SPDRゴールド・トラスト」の金保有量は年初か ら2.3%減少し1107.6トン。2009年は45%増えていた。金先 物は昨年12月に過去最高値を記録。昨年はドルがユーロに対して

2.5%値下がりしたことを背景に、金価格は年間で24%上昇してい た。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) は「金に対する消極的な見方は、投資資金流入の低迷とファンダメン タルズに一致している」と指摘。「ETFで示される金への投資家需 要は乏しく、新たな高値を付けるとの見方に合致しない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場4月限は前週末比9ドル(0.8%)安の1オンス=1113.10ド ルで取引を終了。中心限月としては5日以来の大幅下落となった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は1バレル=80ドル付近でほぼ横ばい。 フランスの石油大手トタルの国内製油所・貯蔵施設でのストライキで ガソリンなどの石油製品の価格が下支えされた一方、ドルが対ユーロ で上昇し、市場には強弱材料が混在した。

トタルの労働組合が従業員に対しストライキの延長を呼び掛けた ことを受け、ガソリン先物相場は一時2%高まで上昇。これに反応し、 原油は5週間ぶり高値を付けた。ドルが上昇すると、原油などの商品 の代替投資先としての魅力は低下する。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)のマネジングディレクタ ー、カイル・クーパー氏は「80ドルに到達すると、その水準を維持 するのが難しくなる」と指摘。先進国の需要では「この水準を支えら れない。何か決定的なことが起こらない限り、70-80ドルの広い範 囲から抜け出せない状況が続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前週 末比35セント(0.44%)高の1バレル=80.16で終了。一時

80.51 ドルと、1月13日以来の高値を付ける場面もあった。同限 月はこの日が最終取引日となった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。小売株やヘルスケア関連株が売られた。ダ ウ欧州600指数は先週、週間ベースでは7カ月で最大の上げとなっ ていた。

衣料品小売り最大手、スペインのインディテックスとフランスの カルフールが安い。エクサンBNPパリバによる投資判断引き下げが 嫌気された。英グラクソ・スミスクラインなど医薬品株も値下がり。 糖尿病治療薬「アバンディア」をめぐる一部のリポートを受け、訴訟 が増加するとの懸念が高まった。

ダウ欧州600指数は前週末比0.3%安の249.67で終了。6 営業日ぶりの下落となった。

スイスカント・アセット・マネジメント(チューリヒ)で約 500億ドル相当の資産運用に携わるピーター・ブランデル氏は「こ こ数週間見られた力強い上昇の後に調整が入るのは健全な動きだ」と 指摘。その上で、「ギリシャの債務問題や中国の動向をめぐる懸念は まだ去っていない」と述べた。

22日の西欧市場では、18カ国のうち11カ国で主要株価指数 が下落。ダウ・ユーロ50種指数は前週末比0.5%安、ダウ・欧州 50 種指数も0.5%下げた。

インディテックスは2.5%安の42.58ユーロ、カルフールは

2.4%下落の34.09ユーロ。

グラクソは2.6%下げて1203.5ペンスと、下落率はここ1カ 月で最大となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ2年債が続伸。ギリシャ政府が早ければ 今週にも発行するとみられる国債に需要が集まるとの観測が背景。

ギリシャ2年債利回りは前週末から13ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し、11日以降で最大の下げとなった。投資 家らはギリシャが差し迫った資金ニーズをどのように満たすのか、詳 細に注目している。ギリシャ公債管理当局の前責任者であるスピロ ス・パパニコロウ氏は先月26日、銀行団を通じて10年債を売却す ることになるだろうと述べていた。

ギリシャ中央銀行のプロボポラス総裁は先週、同国の債務危機に 対する市場の反応は行き過ぎだと指摘、ギリシャ政府による赤字削減 目標の達成を確信していると述べた。

独コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デービッド・シュノーツ 氏は22日付のリポートで、「ギリシャはまだ資本市場で資金を調達 できることが証明されよう」と記述し、「短期債でギリシャなど周辺 諸国の国債のパフォーマンスがドイツ国債を上回るとのわれわれの推 奨戦略に変わりはない」とした。

ロンドン時間午後5時7分現在、ギリシャ2年債利回りは

5.41%。同国債(表面利率4.3%、2012年3月償還)価格は

0.25ポイント上げ97.88。ギリシャ10年債利回りは4bp低下 の6.41%。

一方、ドイツ10年債の利回りは先月15日以来の高水準となる

3.30%まで上昇した後、3.27%となった。欧州の各国政府が国債 発行を準備していることが材料視された。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。先週上昇していた株式相場が反落したことを 背景に、安全資産としての国債需要が高まった。

10年債利回りは2008年11月以来の高水準から下げに転じた。 この日の米S&P500種株価指数は5営業日ぶりに下落。総選挙を 年内に控え、英国政府が赤字削減に取り組めないとの懸念から、国債 相場はこの日の取引で一時下落する場面もあった。同国政府は今週、 償還2019年と60年の国債入札を予定している。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、リチャー ド・マクガイアー氏(ロンドン在勤)は「株式相場が下落したことか ら、国債市場のセンチメントが若干好転した」と述べ、「議会の審議 こう着への懸念で週が明けたことを考慮すると、国債はまずまずの値 動きだ」と語った。

10年債利回りはロンドン時間午後4時現在、前週末比4ベー シスポイト(bp、1bp=0.01%)低下の4.24%。一時は

4.30%と、08年11月7日以来の高水準となった。同国債(表面 利率3.75%、2019年9月償還)価格は0.27ポイント上げ

96.21。2年債利回りは1.10%と、前週末を3bp下回った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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