円下落、中国除くアジア株上昇で売り先行-商品高で資源国通貨買い

東京外国為替市場では円が主要通 貨に対して下落した。日本株やアジア株の上昇を背景にリスク回避姿 勢の後退から高金利通貨を買う動きが先行。商品相場が堅調なことも 資源国通貨買いにつながり、低金利で調達通貨とされる円には売り圧 力がかかった。

円は対オーストラリア・ドルで一時、1豪ドル=82円82銭と1 カ月ぶり安値まで下落。対ユーロでは一時、1ユーロ=125円24銭 と今月4日以来の安値水準を付けた。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、朝方は 株価の上昇を受けてクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が大きく 上昇したと説明。また、「商品相場が強含んでいるので、豪ドルなどは それを見て買われている」と指摘していた。

一方、旧正月(春節)明けの中国株は上値の重い展開となり、高 金利通貨買い・円売りも徐々に鈍化。酒井氏は、「中国株がやや上値を 重くしており、クロス円は上攻めし切れなかった」と解説した上で、 「個人的には今週は中国の動向に注目している。中国が資産バブルに 対して本腰を入れて対処し始めているとの報道もあり、市場にはネガ ティブに働く」との見方を示した。

円は対ドルで一時、1ドル=91円91銭まで下落。ただ、92円 には届かず、午後にかけては91円台後半でもみ合う展開となった。

株高で調達通貨に売り圧力

22日の東京株式相場は大幅反発。前週末に発表された米国の1月 の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備制度理 事会(FRB)による早期の金融引き締め懸念が後退したことが買い 安心感につながった。

前週末に大幅安となっていたアジア株式相場も上昇。ただ、1週 間ぶりに取引が再開された中国株は、中国人民銀行(中央銀行)によ る預金準備率引き上げを背景に不動産株が売られるなど上値の重い展 開となった。

株高は投資家のリスク許容度改善につながり、外国為替市場では 高金利通貨選好の動きが出やすくなる。このため、低金利の調達通貨 には売り圧力がかかり、円と同様、ドルもオーストラリア・ドルなど 相対的に金利の高い通貨に対して売りが先行する場面が見られた。

ドルが9カ月ぶり高値から下落

ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3654ドルまで下落。前週 末にはFRBによる公定歩合引き上げを受け、9カ月ぶり高値となる

1.3444ドルまで上昇したが、米地区連銀総裁らから早期の金融引き 締めを否定する発言が相次ぐとドルは急速に伸び悩んだ。

今週は24、25日にバーナンキFRB議長が議会に半期金融政策 報告を行うほか、米地区連銀総裁の講演が多数予定されている。今後 の金融政策についての発言が注目されるが、雇用情勢など景気の先行 きに不透明感が残る中、低金利政策の継続姿勢を改めて強調する可能 性が高いとみられている。

酒井氏は、FRB幹部の発言に加えて、CPIが予想を下回った こともあり、公定歩合引き上げについては「市場は完全に消化した」 と分析している。また、今後については、「もちろん米国の材料にも注 意する必要があるが、為替を動かす変数が増えてきたという印象で、 中国の動きやギリシャ問題、米国の中東・イランに対する動きなどに も目配りしなければならない」と指摘している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE