ユーロの最悪期はこれから-ECBの低金利維持見込む

欧州連合(EU)首脳らがギリ シャ救済で具体策を講じたとしても、9カ月ぶり安値に下落したユ ーロの低迷は続くと、デリバティブ(金融派生商品)トレーダーが 示唆している。

先物市場でユーロ建て短期借入金利は、ドル建てに対する上乗 せ金利幅(スプレッド)が今月に入って50%縮小。昨年9月以来 最小となっている。これは、ユーロ圏で多額の債務を抱える国が財 政赤字削減によって成長を阻害されないように欧州中央銀行(EC B)が政策金利を過去最低水準に維持し、ユーロの強さを犠牲する との投資家の見方を反映している。

バークレイズの外国為替戦略グローバル責任者、デービッド・ ウー氏(ロンドン在勤)は「投資家はすでに現在の危機で見込まれ る次の段階について考え始めており、ユーロを売る新たな材料を見 つけつつあるようだ」とし、「ギリシャやスペイン、ポルトガルは 積極的な財政引き締めによって景気の2番底に陥る可能性が高い。 他の条件が同じだとすると、より緩和的な金融政策が必要になる」 と指摘した。

こうしたシフトは、ユーロとドルの逆転を浮き彫りにするもの だ。2009年末までの3四半期の間、ブルームバーグが調査する主 要15通貨に対するユーロのパフォーマンスはドルを上回っていた。 ドイツ銀行の指数によるとユーロは1%上昇、インターコンチネン タル取引所(ICE)のドル指数は9%下落だった。しかし昨年 11月25日以降、ドルは8.5%上昇し、主要3通貨を除いて最もパ フォーマンスが良かった。一方、ユーロは6.1%下落。ユーロの先 週遅くは1ユーロ=1.3613ドルで、年初来で4.9%下落している。

ギリシャが「象徴的存在」

先物トレーダーらはユーロについてこれまでで最も弱気になっ ており、ストラテジストらは08年12月以来の速いペースで予想を 引き下げていることが、ブルームバーグのデータで示されている。

ウー氏は12日、向こう1年間のユーロ予想を従来の1ユーロ =1.45ドルから1.40ドルに引き下げた。UBSのストラテジスト、 ジェフリー・ユー氏は、ユーロは1ユーロ=1.30ドルを試す公算 があると指摘した。米経済調査会社A・ゲーリー・シリングのゲー リー・シリング氏は、ユーロは1ユーロ=1ドルとパリティー(平 価)水準まで下落する可能性を示した。ユーロは02年以降、同水 準を下回っていない。

シリング氏は18日のブルームバーグテレビジョンとのインタ ビューで、「現在の金融政策は、個々の国の異なる財政状況向けの 万能サイズだ」とした上で、ギリシャは「確かに『象徴的存在』と なっているが、同国以外のPIIGS諸国のアイルランド、ポルト ガル、イタリア、スペインがすぐ後に控えている」と語った。

先物市場では、3カ月物ユーロ建てロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)の1年後の見通しは1.45%と、ドル建てLIBO Rを約17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回ってい る。今月初め時点では同上乗せ幅は41bpだった。

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