【今週の債券】長期金利は上昇か、米国の出口戦略警戒-1.3%後半も

今週の債券市場で、長期金利は1.3% 台半ばから後半に上昇しそう。米国は公定歩合を引き上げ、金融政策 を平時に戻す「出口戦略」を探る状況となり、円債市場でも金利上昇 圧力がかかりやすい。入札に向けた売りが相場の重しとなりそうだ。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、米国の出口戦略に対する警戒感から世界的に長期ゾ ーンの債券は買いづらいと指摘。米金利上昇が懸念される中で、日米 の国債市場で入札が実施されることから、「週前半は売りが出そうだ」 という。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが19日までに市場参加者5人から聞いた今週の予想レ ンジは全体で1.30%から1.38%となった。

前週の長期金利は1.3%台前半で推移した。米連邦準備制度理事 会(FRB)が18日に公定歩合を0.25ポイント引き上げたことを受 けて、米金利が上昇したため、前週末には一時3日ぶり高水準の

1.335%まで上昇したが、国内株安もあって1.33%で終えた。

バーナンキFRB議長は24、25日に半期ごとの金融政策報告につ いて米議会で証言を行う。フェデラルファンド(FF)金利の引き上 げの時期を探る上で注目される。みずほ証券の三浦哲也チーフマーケ ットアナリストは、「FF金利引き上げまでには距離があるものの、米 市場心理に悪影響となったことは否定できない」として、今週は「相 場の下値耐久力の強さを確認する展開」とみている。

20年債が焦点、利率引き上げか

23日の20年国債入札が焦点だ。入札前取引では2.16%程度で推 移しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高い2.2% か、横ばいの2.1%が予想される。発行額は1兆1000億円程度。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、20 年債入札について、「クーポンが2.2%になれば、投資家の需要は強い。

2.1%で決まった場合は、当初は苦戦しそうだ」と予想する。もっとも、 月末に向けて年限長期化の買いなどで超長期債の需給が改善すること が見込まれており、結局はどちらに転んでも入札が最終的に悪影響を 相場全体に及ぼすことにはならないと、佐野氏はみている。

25日の2年国債入札では、クーポンは前回債と同じ0.2%が予想 されている。発行額は2兆6000億円程度。DIAMアセットの山崎氏 は「現行水準の0.15%程度であれば売られても上昇余地は小さいので 大丈夫」という。2年物の289回債利回りは0.15%で引けた。

また、26日発表の鉱工業生産や消費者物価指数(CPI)も注目 だ。1月の鉱工業生産は前月比1.0%増加、1月の全国コアCPIは 前年比1.3%低下の見通し。JPモルガン証券の徳勝礼子シニア債券 ストラテジストは、「月末の指標は意外感がないとみるが、生産で実体 経済の改善が示されれば圧迫要因になる」という。

予想レンジとコメント

19日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月3月物、新発10年国債利回りは305回債。

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物139円10銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.30%-1.36%

「10年債利回りは1.3%台のレンジが続こう。米国の金融政策正 常化の動きを背景に債券買いに動きづらいのは確かだが、月末週にあ たって保有債券の年限長期化の需要や、来月の国債償還の資金が支え になる。20年債の入札については事前に警戒感が高まったほか、クー ポンが2.2%に引き上げられる可能性もあって波乱はないとみる」

◎みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリスト

先物3月物138円95銭-139円70銭

新発10年債利回り=1.31%-1.365%

「債券相場は下値耐久力の強さを確認する。米国で異例な金融政 策からの出口戦略が始まっており、市場ではやや調整局面入りのムー ドが強まる。もっとも、米公定歩合の上げは株式や商品市場に悪影響 を及ぼしかねない。3月には国債の大量償還を控えており、米金利上 昇に連られても円債市場は金利高を食い止める力があるだろう」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャー 先物3月物138円90銭-139円60銭

新発10年債利回り=1.31%-1.38%

「米公定歩合上げを受け、バーナンキ議長証言では利上げではな いと説明するだろうが、出口戦略を進める姿勢を示すと思う。米国が 利上げに踏み切るかを見極める観点から指標に反応しやすくなる。米 金利上昇懸念がある中、日米で入札が実施される。20年入札を控えて 週前半は売りが出そうだが、月末には年限長期化の買いが見込まれる」

◎JPモルガン証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジスト

先物3月物139円00銭-139円50銭

新発10年債利回り=1.31%-1.37%

「最近2週間程度の上昇相場の反動が出そう。20年債入札は金利 が上昇したので買いが入るのではないか。月末に向けて年金基金など が保有債券の年限を長期化させる買いも期待される。半面、2年債入 札については、金利低下余地が見込めず、妙味はないとみている、鉱 工業生産で実体経済の改善が示されれば圧迫要因となる」

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物3月物139円20銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.30%-1.35%

「狭いレンジ相場。米国の公定歩合引き上げの影響は引き続き限 定的。FRB議長証言は、出口戦略を考えつつ、利上げは先であるこ とを強調するだろう。失業率がもっと下がらないと利上げはできない。 月末で保有債券を長期化する需要が相場を支えるが、買い上がるほど でもない。先物のオプション清算に絡む動きにはやや注意が必要」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Hideki Asai

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