2月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

ニューヨークの為替・株 式・債券・商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが週間ベースで2000年以来 最長となる6週連続高。米連邦準備制度理事会(FRB)の公定歩 合引き上げを受けて、市場参加者の間では金融政策正常化への期待 が高まった。

円はブルームバーグが調査する主要16通貨のうち9通貨に対 して下落。投資家による株など高リスク資産への選好が影響した。 ドルは対ユーロで下落。ユーロに対して9カ月ぶり高値まで上げた ドルの騰勢は続かないとの見方が背景。

シティグループの為替ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニ ューヨーク在勤)は「この先数日間、もしくは数週間のドル見通し はなお上昇だ」と語り、「この見方はドル相場を支えるだろう。こ の日のようにドルが下げているときは、ドルにロングポジションを 立てるだろう」と語った。

ニューヨーク時間午後2時57分現在、ドルは対円で1ドル= 91円75銭(前日は91円81銭)。一時は1月12日以来高値の92 円15銭まで上昇する場面もあった。ユーロは対円で0.4%値上が りして1ユーロ=124円67銭(同124円19銭)。ドルは対ユーロ で0.5%下落して1ユーロ=1.3588ドル。前日は1.3527ドルだ った。

ドルは一時ユーロに対して9カ月ぶり高値をつけた。FRBは 前日、公定歩合を0.25ポイント引き上げて0.75%にすることを 決めた。

FRBの公定歩合引き上げ声明

FRBは、公定歩合引き上げ声明の中で窓口貸し出しの通常の 最長期間を3月18日付で翌日に短縮すると発表した。声明では、 「これらの変更はFRBの融資制度の一段の正常化を意図したも のだ。今回の修正は家計と企業にとって金融状況の引き締めにつな がらない見込みで、経済と金融政策の見通し変更を示唆するもので はない。金融政策の見通しは、1月の連邦公開市場委員会(FOM C)から変わっていない」と強調した。

米セントルイス連銀のブラード総裁は、「われわれが年後半に 利上げする公算が大きいとの市場の見方は行き過ぎだ」と発言する と、ドルの上値は抑えられた。

またアトランタ連銀のロックハート総裁は、投資家は公定歩合 引き上げを、早期引き締めを意味するものと受け止めるべきではな いと指摘した。

ユーロの下落

金利先物市場動向によると、米政策金利が11月までに少なく とも0.5%に設定されている確率は71%、1週間前の65%から上 昇した。

ユーロは下落。欧州のいつくつかの国で財政状況が今後さらに 悪化し、ユーロ建て資産の魅力が後退すると懸念が根強い。

クラインオート・ベンソンの最高投資責任者(CIO)のジェ レミー・ベックウィズ氏は、欧州連合(EU)が域内最悪の財政赤 字を抱えるギリシャの支援をめぐり、1990年代の日本の失敗を繰 り返すリスクがあると指摘する。

ベックウィズ氏はエディンバラのオフィスで、インタビューに 答え、「ギリシャとEUは1962年のキューバ危機以来、世界で最 大のチキンゲーム(度胸試し)を展開している」と述べ、「事実上 の引き締め策は数週間前まで予想されていなかったものであり、か なり心配だ」と語った。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が市 場予想を下回ったことで、インフレ抑制のため米金融当局は利上げ に動く必要があるとの懸念が後退した。S&P500種株価指数は、 週間では昨年11月以降で最大の上 げとなった。

ダウ工業株30種平均では、ボーイングやキャタピラー、シェブ ロンが上げを主導。S&P500種株価指数では構成する10業種中7 業種が上昇した。金融株が最も上昇に寄与した。シュルンベルジェ は、スミス・インターナショナルを買収する可能性があると報じら れたことが嫌気され、下落した。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハ ウス氏は、「FRBが闘う相手、インフレの姿は見えない」と指摘。 「金融緩和と財政投入による景気刺激がこれまでの株価上昇に寄与 しているのであれば、きょうのCPI統計で見られたような数字は 政策支援の継続を主張しているのも同然だ」

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.2%高の1109.17。ダウ工業株30種平均は9.45ド ル上げて10402.35ドル。ナスダック総合指数は0.1%上昇し2243.87。

株価指数先物は、通常取引前の時間外取引で下落していた。18 日の通常取引終了後に米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合 を引き上げたことに反応した。その後CPI統計で上昇率が市場予 想を下回ったことから下げ幅を縮小。1月のCPIは食品とエネル ギーを除いたコア指数が前月比0.1%低下と、1982年以来初めて低 下した。

ウッズ会見

ニューヨーク時間午前11時に男子プロゴルフのタイガー・ウッ ズ選手の不倫騒動を受けた謝罪会見が始まると、全米すべての取引 所で取引のペースが鈍化。ブルームバーグのデータによれば、会見 開始前の75分を15分ごとに分けた5回の平均の取引高は5億7680 万株だったが、会見中は4億5600万株に減少した。

S&P500種指数は週間では約3%高と、上昇率は昨年11月初 め以来で最大だった。

FRBは公定歩合を0.25ポイント引き上げ0.75%とした。

「様子見」

LPLファイナンシャルの最高投資責任者(CIO)、バー ト・ホワイト氏は「引き締めサイクルはその経過に伴い、成長を抑 制する」と指摘。「これは今後の利益や利幅に影響する。今投資家 が判断しようとしているのは、引き締めのペースと強さだ」と述べ た。CPI上昇率については「FRBがしばらく様子見姿勢を取る ことを市場に認識させた」と語った。

ロッチデール・セキュリティーズの銀行アナリスト、リチャー ド・ボーブ氏は、顧客向けリポートで、今回のFRBの措置が銀行 株にはプラスになるとし、「押し目買い」を勧めた。同氏はUSバ ンコープの投資判断を「買い」と、従来の「ニュートラル(中立)」 から引き上げた。

ボーブ氏は「これまでの歴史を見ると、金利が上がると銀行の 利益も増え、逆に金利が下がれば銀行の利益は減っている」と語っ た。

金融株

S&P500種指数では金融株指数が0.6%となった。資産家ウォ ーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサ ウェイのクラスB株は2.7%上げて78.74ドルと、15カ月ぶり高値。

ボーイングは1.1%高の63.59ドル。キャタピラーは0.8%上昇 の58.25ドル。シェブロンは0.6%値上がりし74.05ドル。

シュルンベルジェは2.9%安の63.90ドルで引けた。

◎米国債市場

米国債市場ではインフレ連動債(TIPS)と通常国債の利回り 差が縮小し、インフレ期待が過去2週間で最も大幅に低下したこと を示唆した。この日発表された1月の消費者物価指数は、上昇率が 市場予想を下回った。

期間の短い通常国債の利回りは前日比ほぼ変わらず。米労働省 が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前 月比0.2%上昇した。CPI発表に先立ち、国債価格は下落していた。 連邦準備制度理事会(FRB)が前日に公定歩合を引き上げたこと から、政策当局による利上げ実施が近づいているとの懸念が強まっ たことが理由。一方、セントルイス連銀のブラード総裁は、利上げ が2011年以降になる可能性が高いとの認識を示した。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレ クター、ジェーソン・ローガン氏は「インフレの数値がこうした状 況であれば、インフレ懸念はまだ台頭していない。インフレを理由 とした利上げの必要はない」と述べた。

インフレ期待を示すブレークイーブンレートと呼ばれる、10年 物国債利回りから同年限のインフレ連動債利回りを差し引いた幅は 前日比で一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し て2.26%。日中の下げとしては5日以来の最大となった。同レート は1月11日には今年最高の2.49%となっていた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時40分現在、2年債利回りは前日比2bp未満低下の

0.92%。同年債(表面利率0.875%、2012年1月償還)価格は1/32 上げて99 29/32。週間ベースでは利回りは9bp上昇。

10年債利回りは前日比3bp低下の3.77%。週間では8bp上 昇した。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は2.86ポイント。前日は2.94ポ イントと過去最大に拡大した。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター で米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は「国 債市場は様子見ムードで安心できる水準に達した」と述べた。

公定歩合引き上げは約3年ぶりとなった。セントルイス連銀の ブラード総裁は18日、テネシー州メンフィスでの講演後の質疑応答 で、今年後半に当局が利上げを開始するとの市場の予測は行き過ぎ だと言及。来年にずれ込む公算の方がより大きいとの認識を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 では、1月の米CPI上昇率は0.3%となっていた。統計ではまた、 1月の食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%低下と、予 想外のマイナスとなった。コア指数の低下は82年12月以来で初め て。

インフレに最も敏感に反応する米30年債利回りは3bp低下の

4.71%だった。

入札

米財務省は来週22日から連日で総額1260億ドル規模の中長期 債入札を実施する。発行額は30年物インフレ連動債が80億ドル、 2年債440億ドル、5年債420億ドル、7年債320億ドルとなって いる。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によれば、米 連邦公開市場委員会(FOMC)が9月の会合までに少なくとも

0.25ポイントの利上げを実施する確率は52%。前日の同確率は47% だった。政策金利は08年12月以降0-0.25%に設定されている。

FRBは前日公表した声明で、金融政策の見通しは「1月のF OMCから変わっていない」とし、経済情勢はFF金利を「長期に わたり異例の低水準に維持することを」正当化する公算が大きいと する前回のFOMC声明の内容をあらためて表記した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。週間ベースでも先週に続く 上昇だった。ドルは騰勢を失うとの観測から代替投資としての金 の魅力が高まった。

ドルは一時、対ユーロで9カ月ぶりの高値を記録したが、その 後上げを消した。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、約3 年ぶりに公定歩合の引き上げを決定したことから、市場参加者は 米経済がリセッション(景気後退)から回復しつつある兆候だと 受け止めた。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のトレーダー、 マット・ジーマン氏は、「金の見通しは良好だ」と語り、「市場 参加者はこれが金融引き締めではないと気付いている。公定歩合 の引き上げは米国民の家計には影響を及ぼさないだろう。すべて は法定不換紙幣であるドルの信頼性にかかっている。投資家は今 後も金の押し目買いを続けるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物4月限は前日比3.40ドル(0.3%)高の1オンス=1122.10ド ルで取引を終了した。週間ベースでは2.9%値上がりした。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は5週間ぶり高値に上昇。米連邦準備制 度理事会(FRB)による公定歩合引き上げで広範にわたる景気 回復が示唆されたことを好感。欧州石油会社トタルのフランスの 製油所でのストライキで減産につながったことも買い材料になっ た。

原油相場は一時1.1%高。ストライキに踏み切ったトタルの労 働者はこの日製油所の稼動を停止し、ストライキが数日間続く可 能性があると警告した。

エネルギー・コンサルタント会社、プレステージ・エコノミ クス(テキサス州)のジェイソン・シェンカー社長は「FRBに よる公定歩合引き上げは、当局が一段の米景気改善を期待してい ることを示している」と指摘。「これは一段の成長が見込まれ、 ファンダメンタルズが改善するとの兆候だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月 限は前日比75セント(0.95%)高の1バレル=79.81ドルで終了 した。一時は79.95ドルと、1月14日以来の高値を付ける場面も あった。週間ベースでは7.6%上昇。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は5日続伸。週間ベースでは昨年7月以来の大幅高 となった。世界最大の食品メーカー、スイスのネスレが販売成長は 加速するとの見通しを示したことを好感した。米連邦準備制度理事 会(FRB)による公定歩合引き上げの影響は限定的だった。

ネスレは2年ぶりの高値に上昇した。英製薬会社シャイアーも 値上がりし、少なくとも9年ぶりの高値を付けた。同社決算が市場 予想を上回ったことが好感された。

ダウ欧州600指数は前日比0.5%高の250.30で引けた。同 指数は週間では3.9%高。FRBは前日の通常取引終了後、公定歩 合を0.75%に引き上げた。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフグローバル株式スト ラテジスト、スティーブン・ポープ氏(ロンドン在勤)は、「市場 はFRBの公定歩合引き上げが緩和政策の終了ではないことに早急 に気づくべきだった」と指摘。「この引き上げは自信を示唆してい る。企業や株式市場全般にとって、非常に心地よい状況だ」と述べ た。

19日の西欧市場では、18カ国のうち16カ国の主要株価指数 が上昇。ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.5%高、ダウ・欧州50 種指数も0.5%値上がり。

ネスレが高い

ネスレは2.4%高の52.70スイス・フランと、07年12月以来の 高値。同社は本業である食品・飲料の今年の売上高について伸びが 加速するとの見通しを示した。

シャイアーは4.6%高の1370ペンスと、2000年11月以来の高 値。同社の09年10-12月(第4四半期)決算では、利益がアナリ スト予想を上回った。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ国債が下落。米連邦準備制度理事会(F RB)による緊急流動性供給措置の停止に向けた動きに、他の国々 や地域の当局者も続くとの懸念が強まったことが背景にある。

独10年債利回りは1カ月ぶり高水準に達した。米連邦公開市 場委員会(FOMC)は18日、公定歩合を0.25ポイント引き上 げて0.75%に設定した。2006年6月以来で初の引き上げ。また、 この日発表されたドイツの生産者物価指数(PPI)は1月に予想 を上回る伸びとなったことを背景に、独2年債は続落した。

ウニクレディトの債券ストラテジスト、ルカ・カツラーニ氏 (ミラノ在勤)は、「米当局の決定は米国債にとどまらず、欧州債 にとっても悪材料だった」と語った。

ロンドン時間午後4時22分現在、ドイツ2年債利回りは前日 比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.09%。 週間ベースでは11bp上昇した。2年債(表面利率1%、2012年 3月償還)価格は前日比0.03ポイント下げ99.82。10年債利回 りは3bp上昇し3.28%となった。ギリシャ2年債は週間ベース で下落。過去6週間で5週目の下げとなった。

◎英国債市場

英国債相場は下落。10年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の4.17%。

同利回りは一時、4.18%まで上昇。ブルームバーグがまとめた データによると、これは2008年11月以来の高水準となる。週間ベ ースでは13bp上げた。先週は16bpの上昇だった。2年債に対す るプレミアム(上乗せ利回り)は302bpに拡大し、昨年11月11 日以降の最大となった。

英国政府は24日に国債(2019年償還)を30億ポンド入札する。 来週に銀行団を通じて国債(表面利率4%、2060年償還)を売却す る可能性もある。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・ オスワルド氏(ロンドン在勤)は「投資家は来週の長期債入札を念 頭に置いている」と指摘し、価格面で「大きな譲歩がされなければ ならない」と語った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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