米国債(19日):インフレ連動債と通常国債の利回り差が縮小

米国債市場ではインフレ連動債 (TIPS)と通常国債の利回り差が縮小し、インフレ期待が過去 2週間で最も大幅に低下したことを示唆した。この日発表された1 月の消費者物価指数は、上昇率が市場予想を下回った。

期間の短い通常国債の利回りは前日比ほぼ変わらず。米労働省 が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前 月比0.2%上昇した。CPI発表に先立ち、国債価格は下落していた。 連邦準備制度理事会(FRB)が前日に公定歩合を引き上げたこと から、政策当局による利上げ実施が近づいているとの懸念が強まっ たことが理由。一方、セントルイス連銀のブラード総裁は、利上げ が2011年以降になる可能性が高いとの認識を示した。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレ クター、ジェーソン・ローガン氏は「インフレの数値がこうした状 況であれば、インフレ懸念はまだ台頭していない。インフレを理由 とした利上げの必要はない」と述べた。

インフレ期待を示すブレークイーブンレートと呼ばれる、10年 物国債利回りから同年限のインフレ連動債利回りを差し引いた幅は 前日比で一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し て2.26%。日中の下げとしては5日以来の最大となった。同レート は1月11日には今年最高の2.49%となっていた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時40分現在、2年債利回りは前日比2bp未満低下の

0.92%。同年債(表面利率0.875%、2012年1月償還)価格は1/32 上げて99 29/32。週間ベースでは利回りは9bp上昇。

10年債利回りは前日比3bp低下の3.77%。週間では8bp上 昇した。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は2.86ポイント。前日は2.94ポ イントと過去最大に拡大した。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター で米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は「国 債市場は様子見ムードで安心できる水準に達した」と述べた。

公定歩合引き上げは約3年ぶりとなった。セントルイス連銀の ブラード総裁は18日、テネシー州メンフィスでの講演後の質疑応答 で、今年後半に当局が利上げを開始するとの市場の予測は行き過ぎ だと言及。来年にずれ込む公算の方がより大きいとの認識を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 では、1月の米CPI上昇率は0.3%となっていた。統計ではまた、 1月の食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%低下と、予 想外のマイナスとなった。コア指数の低下は82年12月以来で初め て。

インフレに最も敏感に反応する米30年債利回りは3bp低下の

4.71%だった。

入札

米財務省は来週22日から連日で総額1260億ドル規模の中長期 債入札を実施する。発行額は30年物インフレ連動債が80億ドル、 2年債440億ドル、5年債420億ドル、7年債320億ドルとなって いる。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によれば、米 連邦公開市場委員会(FOMC)が9月の会合までに少なくとも

0.25ポイントの利上げを実施する確率は52%。前日の同確率は47% だった。政策金利は08年12月以降0-0.25%に設定されている。

FRBは前日公表した声明で、金融政策の見通しは「1月のF OMCから変わっていない」とし、経済情勢はFF金利を「長期に わたり異例の低水準に維持することを」正当化する公算が大きいと する前回のFOMC声明の内容をあらためて表記した。

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