米公定歩合引き上げ:世界経済の順調回復を示唆-エコノミストら

米連邦準備制度理事会(FRB) による公定歩合の引き上げについて、元金融政策当局者やエコノミ ストらは、世界的な景気回復が軌道に乗りつつあることが示唆され たとみており、他の中銀も緊急支援措置の解除に踏み切る状況が整 ったと指摘する。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の元 委員、チャールズ・グッドハート氏はブルームバーグの電話インタ ビューで、「正常化への長い道のりにおいて、少し前に踏み出した」 と指摘。「FRBはすでに信用緩和の縮小にある程度動いており、 欧州中央銀行(ECB)や英中銀も同じだ」と述べた。

FRBは公定歩合を0.25ポイント引き上げて0.75%にすることを 決めた。公定歩合の引き上げは2006年6月以来。FRBは声明で、 今回の決定を融資手段の「正常化」を意図したものと表現し、金融 政策には何の影響もないと説明。フェデラルファンド(FF)金利 は「長期間にわたり」低水準に維持されようとの連邦公開市場委員 会(FOMC)の見解を重ねて表明した。

各国の議論

各国の政策当局者は、世界的なリセッションからの脱却を図るた め緊急支援措置を講じてきたが、今はその巻き戻しについて議論を 進めている。ECBは実際に一部の緊急流動性供給を終了したもの の、ユーロ圏の昨年第4四半期の経済成長は伸び悩み、今ではギリ シャの財政危機という重荷が加わっている。

イングランド銀はリセッションに逆戻りする可能性や、今後2年 にわたってインフレが目標を下回る見通しといった懸念を表明して いる。日銀は依然としてデフレ対策という「喫緊の課題」を抱えて いる状況だ。米国とユーロ圏では失業率が10%に近い。

こうした状況にもかかわらず、米公定歩合引き上げを受けて市場 参加者の間では、米国は第4四半期に引き締めに踏み切れるほど強 い景気回復を果たすとの観測が強まっている。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のメグナ ド・デサイ教授は、ブルームバーグとのインタビューで、「公定歩 合引き上げを心強く思うのは、FRBが初期的な回復の兆候を認識 した可能性があるからだ」と述べ、「欧州の経済統計は若干、誤解 を招く恐れがある。欧州経済は発表されている経済統計以上に回復 していると考える」と続けた。

ECBの金融引き締め

ECBはすでに1年物資金供給の終了を発表しているが、3月4 日に開かれる次回会合ではさらなる緊急支援策の終了決定も予想さ れている。ECBのトリシェ総裁は、政策金利は今のところ「適正」 水準と述べているが、ボン大学のユルゲン・フォンハーゲン教授は 世界的な景気回復のペースが加速した場合、予想よりも早い時期に 金融引き締めを決定する可能性があると指摘する。

フォンハーゲン教授は「FRB以上にECBには今夏の金融引き 締めを検討する理由がある」と述べ、「ユーロ圏の流動性は潤沢で あり、ECBはインフレリスクを避けるためにこの状況を注視する 必要があるのを十分に認識している。しかし、注視する期間が長過 ぎれば、経済成長を損ねるようなやり方で金利を引き上げざるを得 なくなるだろう」と説明した。

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