菅財務相:デフレ脱却へ日銀の努力にあらためて期待表明

菅直人副総理兼財務相は19日午 前の閣議後会見で、日銀はデフレ脱却に向けて金融政策の立場から努 力をしてほしいと、あらためて金融面からの対応を求めた。デフレ対 策をめぐっては、日本銀行の白川方明総裁が前日の会見で、政府に財 政再建の道筋を示すよう、異例の注文をつけたばかり。

菅財務相は会見終了間際に、「もう1つだけ」と自ら切り出した。 その上で「デフレ状況からの脱却という共通の目標に向かって、特に 政府は財政や税制とかの問題だが、日銀は金融政策という立場で共通 の認識で進めていくことができると思うし、期待もしている」と述べ、 政府・日銀一体となった対応の必要性を指摘した。

菅財務相はこの日午前の衆院財務金融委員会で、自民党の山本有 二氏の質問に答える中で、「昨日の総裁コメントも読んだ」とわざわざ 言及。その上で、「デフレが続いている」として、「デフレ脱却をしな ければならない」と強調した。

財務相は続けて、デフレ脱却の方策として、6月に策定予定の「 中期財政フレーム」による財政再建計画や2011年度予算編成、新成長 戦略などを「しっかり連動させる形で、財政健全化の道筋を国家戦略 室が中心となってまとめていく」と語った。

S&Pとギリシャ

デフレ脱却の重要性をめぐる議論は、このところ一気に過熱して いる。1月下旬に米格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)が日本国債の長期格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に 引き下げたほか、世界の金融市場ではギリシャなど一部南欧諸国の財 政危機が震源となって不安定な動きが続いていることがある。

日本政府の10年度予算案では、戦後初めて当初ベースで国債収入 が税収を上回る事態に陥っており、国債発行額は過去最大の44.3兆円 に膨れ上がっている。財務省内では景気の動向次第では、予算成立後 の10年度補正予算の編成は不可避との見方も出ている。

一方で、デフレ状況は悪化。昨年10-12月の国内総生産(GDP) デフレーターは前年同期比3.0%低下と過去最大の落ち込みを示した。 こうした状況下で、財政出動の余地が極めて限られている政府は、金 融面からのテコ入れに期待を強めている。

今月16日の衆院予算委員会では、政府は物価上昇率1-3%のイ ンフレ目標を設定すべきだとした自民党の山本幸三氏に対し、菅財務 相は「政府と日銀が共通の目標を持って進めることが望ましい」とし た上で、「私の認識では大体1%からもうちょっとかな、と個人的に思 わないではないが、その辺りで目標としての認識は一致している」と 述べ、物価上昇率をめぐる自らの考え方を鮮明にしている。

--取材協力 日高正裕 Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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