日本株は4日ぶり急反落、米出口戦略警戒し全面安-アジア株安も影響

東京株式相場は4営業日ぶりに大 幅反落。米国の金融政策当局が公定歩合を引き上げたことで、昨年来の 過剰流動性相場が変調をきたすと警戒された。不動産や鉄鋼、商社、海 運、銀行といった国内外景気に敏感な業種を中心に売られ、東証1部の 業種別33指数はすべて下げる全面安。

日経平均株価の終値は前日比212円11銭(2.1%)安の1万123円 58銭、TOPIXは同15.65ポイント(1.7%)安の889.08。米景気指 標の好転、円安・ドル高傾向を支えに、午前にはプラス圏で推移する場 面もあったが、香港をはじめとしたアジア株の下落が市場参加者の警戒 感をあおった午後に急降下し、両指数ともきょうの安値引け。

DIAMアセットマネジメントの岩間恒シニアポートフォリオマネ ジャーは、「米国の出口に向けた動きは従来想定していたより前倒しで 進んでいる印象」と指摘。流動性相場から業績相場への移行期にあり、 「金融引き締め関連のニュースフローが出ると、景気回復の腰折れ懸念 から短期的に株価が調整するのは避けられない」と話していた。

日本時間19日早朝、米連邦準備制度理事会(FRB)は公定歩合 を0.25ポイント引き上げ0.75%に設定する、と発表。FRBは引き上 げについて、金融機関に短期的な流動性をFRBではなく、金融市場に 一段と依存するよう促すものになるとの声明を出した。

FRBの動きを受けた外国為替市場では、ドルが対円で一時1月 14日以来の92円台へと急伸した。米景気回復の持続期待や円安進行を 受け、ホンダなど輸出株の一角が上昇して始まったが、買いは限定的。 シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米株価指数先物が 時間外で下げたことが重しになった。

流動性変調への懸念、チャート達成感

日興コーディアル証券・国際市場分析部の橘田憲和ストラテジスト によると、過剰流動性が昨春以降の世界的な株価反発の主因なだけに、 「米国や中国、インドなどの金融当局が将来の利上げに向けた下準備に 動き始めたことは、海外勢を中心とした投資余力の低下につながる懸念 を強めさせる」という。また、内需の低成長が長引き、日本企業の収益 は海外経済の成長をいかに取り込むかにかかるが、「金融引き締めによ り、肝心要の外需への不安が台頭している」と話した。

午後から相場は下げ幅を拡大。香港ハンセン指数が2%以上下げる などアジア株が軒並み下落したほか、北朝鮮が朝鮮半島西岸沖の韓国と の境界線付近に発射訓練地域を設定した、と韓国のYTNテレビが報じ て、地政学リスクも意識された。

日経平均は前日までの3日続伸で322円(3.2%)上昇。目先の戻 りめどとされた「窓」(2月4日安値と5日高値のすき間、1万166- 1万279円)を、今年最大の上げ幅を記録した17日に埋めただけに、 「チャート的にも達成感が漂い、上げ一服になりやすいタイミング」と 大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の西村由美次長は指摘 する。

不動産下げ目立つ、スミダが上昇率1位

米中の金融引き締め動向への懸念がマイナス材料となり、三井不動 産、三菱地所、住友不動産といった大手不動産株がそろって下落。前期 赤字と債務超過の可能性を前日発表したダヴィンチ・ホールディングス が大証ヘラクレス市場でストップ安(値幅制限いっぱいの下落)となっ たことも、業界の収益環境の厳しさを警戒させた。東証不動産指数は

3.8%安で、業種別33指数の下落率トップ。

このほか、前日買われた鹿島や大林組など大手ゼネコンが売られ、 日本郵船など海運株、JFEホールディングスなど鉄鋼株、三菱商事な ど商社株も安い。個別銘柄では、円高による欧米を中心とした売上高の 減少を費用削減では埋めきれず、09年12月期の連結純利益が前の期比

8.4%減となったトレンドマイクロが急落。

半面、電子部品コイルの受注回復や採算改善で、10年12月期に営 業黒字浮上を見込むスミダコーポレーションが11%高で、東証1部の 上昇率首位。収益性の改善が進み、10年3月期の業績と配当予想を引 き上げたミスミグループ本社も大幅高。セメント各社が国内生産能力を 一斉に削減する一方、アジアなど海外で積極投資を進めると、19日付 の日本経済新聞朝刊が報じ、太平洋セメントも上昇。

東証1部の売買高は概算18億3313万株、売買代金は1兆2781億 円。値下がり銘柄数が1426、値上がりは162。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.5%安の49.98、 東証マザーズ指数は0.6%安の393.23、大証ヘラクレス指数は1.7%安 の556.35とそろって下げた。個別では、アセット・マネジャーズ・ホ ールディングス、カービューが急落し、楽天、第一精工、大阪証券取引 所も安い。半面、ACCESS、比較.com、マルマン、フルヤ金属 が上昇。

--- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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