債券は小幅安、米公定歩合上げで先物売り-金利上昇時の需要が下支え

(13段落以降に米FF金利引き上げに関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

2月19日(ブルームバーグ):債券相場は小幅安(利回りは上昇)。 米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を引き上げたことを受け て、先物市場を中心に売り優勢の展開となった。一方、現物債利回り が上昇すれば買いが膨らむとの観測や株価反落が相場を下支えした。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米FRBが 金融政策の出口戦略に踏み込んだことから、取りあえずは売りで反応 したと指摘。ただ、投資家の投資用の待機資金が潤沢で需給不安は乏 しく、円債市場は非常に冷静な対応だったとの認識も示した。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比19銭安い139円41銭で 始まり、直後には1週間ぶり安値圏となる139円37銭まで下げた。そ の後は139円40銭台で下げ渋る展開が続き、午後には一時139円56 銭まで戻す場面もあり、結局は13銭安い139円47銭で終了した。

米FRBが18日に公定歩合を引き上げたことについて、市場では 予想よりやや前倒しのタイミングだったとの指摘が出ていた。DIA Mアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャ ーは、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での公定歩合引き上げ の可能性はあるとみていたが、米FRBとしては出口戦略を急いでい る意図を示したかったのではないかとの見方を示した。

米金利上昇、円安、株安

米公定歩合の引き上げを受けて、18日の米債市場で10年債利回 りは一時、1月12日以来の高い水準となる3.82%まで上昇したほか、 外国為替市場では1ドル=91円台後半までドル高・円安が進んだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、米公定歩合引き上げによって米金利上昇、円安となり、さす がに国内債券も軟調なスタートとなったといい、「投資家の押し目買い がどの水準で入ってくるかを見極める展開」との見方を示した。

もっとも、米金融政策の出口戦略が世界経済の回復期待を弱める との見方も広がり、午後に株価が急落すると債券相場は下げ幅を縮め た。みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、米国の出 口議論を織り込んだ後に景気循環の頭打ちに市場の関心が向かうこと も考えられるとした上で、「朝方に先物売りを仕掛けた向きなどが、株 価の下げをみて買い戻しに動いた可能性がある」とみていた。

日経平均株価は開始後しばらく前日の終値付近でもみあっていた が、午前の取引終盤からはじりじりと水準を下げており、結局は212 円11銭安い1万123円58銭で週末の取引を終えた。

米FRBは18日、公定歩合を0.25ポイント引き上げて0.75%に 設定した。FRBは公定歩合引き上げについて、短期的な流動性の必 要に関してFRBではなく、金融市場への依存を高めることを金融機 関に促すとの声明を発表した。

10年債利回り一時1.335%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは前日比1ベーシスポイ ント(bp)高い1.325%で始まり、しばらくは1.325-1.33%での推移 となった。午後には3日ぶり高水準となる1.335%をつけたが、その 後は再び動意が乏しくなって1.33%で推移している。

米公定歩合上げを受けて先物売りが先行したため、現物市場も長 期ゾーン中心に金利水準がやや切り上がった。損保ジャパン・アセッ トマネジメントの平松伸仁シニアインベストメントマネジャーは、米 公定歩合引き上げが意外に早く実現しただけに、「投資家は10年債の

1.3%台前半では無理に買わなくてよいとの判断だった」と指摘した。

もっとも、3月には国債大量償還を控えるタイミングにあたり、 金利上昇時の投資家の買い余力は強いとの指摘も多かった。大和住銀 投信の伊藤氏は、「銀行勢を中心に買いの目線で考える投資家が多いた め、米国で大きなイベントがあったわりに売り圧力は鈍い」といい、 株価が下げていることも相まって、来週にかけても金利水準が切り上 がる展開は想定しづらいとみていた。

米FF金利上げは時期尚早

米国の公定歩合引き上げを受けてこの日の債券市場は売りで反応 したが、米FRBがフェデラルファンド(FF)金利の引き上げに踏 み切るには相当の時間が必要との指摘もあった。みずほ証の三浦氏は、 米FRBが金利の正常化に踏み出したとはいえ、雇用市場のぜい弱ぶ りなどを勘案すると、年内のFF金利引き上げは困難だといい、「国内 債については押し目買い継続でよいのではないか」と指摘する。

岡三アセットの山田氏も、米国で早期利上げ観測が強まれば米長 期金利が一段と上昇するものの、株安などの動きが出てくるようだと 米10年債利回りの4%超えはないと予想。そのうえで、「国内金利が 米金利上昇に連れ高する場面は買いのチャンスだ」と話した。

セントルイス連銀のブラード総裁は18日、「われわれが年内に利 上げを実施する公算が大きいとの市場の見方は行き過ぎだ」とした上 で、「ある程度の可能性はある。2011年にずれ込む公算がより大きい」 と述べて、米FRBが年末までにFF金利の誘導目標を引き上げる可 能性は高くないとの見解を示した。

--取材協力 池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

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