ドルほぼ全面高、米公定歩合上げで対ユーロ9カ月ぶり1.34ドル台

東京外国為替市場ではドルが主 要通貨に対してほぼ全面高となった。日本時間早朝に米連邦準備制度 理事会(FRB)が公定歩合の引き上げを発表したことを受け、ドル 買いが先行し、対ユーロでは約9カ月ぶりとなる1ユーロ=1.34ド ル台へ上昇した。

ユーロ・ドル相場は一時、1.3444ドルまでドル高が進行。日本 時間午前6時半に公定歩合の引き上げが発表されると、ドルは

1.3500ドルの節目を突破し、昨年5月18日以来の高値まで急伸し た。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、「米地区 連銀総裁が金融引き締めについて火消しをしたため、米金利が急激に 上がるのは難しいかもしれないが、来週には米国債の大規模入札が控 えており、金利が上がりやすい状況になれば、ドル買いになりやすい」 と指摘。週末を前にドルの「マザーマーケット」である米国市場で再 度ドルの上値を試す動きになる可能性もあるとみている。

ブルームバーグ・データによると、日本時間午後4時20分現在、 ドルはブラジル・レアルを除く主要15通貨に対し、前日終値比で上 昇している。もっとも、公定歩合引き上げは政策変更を意味するもの ではないとのFRBの説明が浸透するにつれ、ドル買いは鈍化。午前 9時前にはドルの上昇も一服し、ユーロ・ドルは午後にかけて1.34 ドル台後半でもみ合う展開となった。

FRBが公定歩合引き上げ

FRBは18日、公定歩合を0.25ポイント引き上げて0.75% に設定した。FRBは声明で「これらの変更は、FRBの融資手段の 一段の正常化を意図している」と表明。また、「家計と企業にとって 金融条件の引き締めにつながるとは予想されない。経済と金融政策の 見通し変更を示唆するものではない」と説明した。

公定歩合引き上げを受け、外国為替市場ではドル買いが活発とな り、午前8時ごろには対円で一時、1ドル=92円9銭と1月12日 以来の水準までドル高が進行。ただ、国内輸出企業などのドル売りも 出ていたもようで、92円台の滞空時間は短かった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレ ジデントは、公定歩合引き上げはタイミング的に「かなり唐突」だっ たとした上で、「実体面にどれだけ影響があるかというとそれはない だろうが、方向性としては出口政策に向けての第一歩ととらえられる ので、反応はドル買い、ドル金利は上昇する方向になる」と指摘して いた。

引き締め観測をけん制

アトランタ連銀のロックハート総裁は、18日の公定歩合引き上 げについて「金融政策の引き締めと解釈しない。引き締めが差し迫っ ている兆候とも受け止めていない」と述べ、「この措置はむしろ正常 化へのステップと見るべきだ」と語った。

また、セントルイス連銀のブラード総裁は、FRBが年末までに フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げる可能性は高 くなく、その時期は2011年にずれ込む公算だとの見解を示した。

みずほコーポレート銀の宮地氏は、「FRBは1月のFOMC (米連邦公開市場委員会)から金融政策見通しは変わっていないと説 明しているが、振り返ってみれば2007年8月のパリバ・ショックで FRBが最初にやったことは公定歩合の引き下げだ。その後FFレー トを動かしており、FRBが神経質にならないと金利が上昇してしま うという怖さを感じているゆえの火消しだ」と解説する。

公定歩合引き上げを受け、米10年債利回りは一時、1月12日 以来の水準となる3.82%まで上昇。一方、景気刺激策の解消により 米経済の回復が鈍化するとの懸念から、米株価指数先物は時間外取引 で下落した。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、米国の利上 げそのものは景気動向を見ながらということになるが、今回の公定歩 合引き上げで、まずは第一歩を動き始めたといった感があると指摘。 「足元で米2年債の利回りが上昇しているが、まだまだ上昇余力があ り、米金利の先高観が出てくる」とし、ドルが買われやすい展開を見 込んでいる。

-Editor:Joji Mochida,Hidenori Yamanaka

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