ADBナグ氏:米利上げ、アジア成長阻害せず-債務問題の波及限定的

アジア開発銀行(ADB)の事務 総長を務めるラジャット・ナグ氏は19日、都内でブルームバーグ・ニ ュースのインタビューに応じ、米国の利上げを評価した上で、アジア 新興国の高成長を阻害しないとの認識を示した。また、ギリシャの財 政悪化に伴う公的債務問題が一部のアジア諸国に波及する可能性につ いては限定的との見方を示した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、公定歩合を0.25ポイ ント引き上げて0.75%とした。ナグ氏は、米利上げについて「適切だ 」と評価するとともに、「これは金融緩和の終わりではなく、終わり に向けた始まりだろう」と述べ、直ちに引き締め傾向にかじを切るも のではないとの見方を示した。

一方、中国やインドなどでは「資産バブルのリスクがある」と指 摘。米利上げがアジア経済に与える影響については、「成長を抑圧し ないでインフレ圧力を認識させるため、好影響を及ぼすだろう」と述 べた。その上で、ADBが6.6%と予測しているアジア新興諸国の2010 年の経済成長率見通しについて、「4月に恐らく上方修正されるだろ う」との見通しを示した。

公的債務問題の波及は限定的

ナグ氏はまた、ギリシャなど一部南欧諸国の公的債務問題がベト ナム、マレーシア、インドなど財政赤字が拡大している諸国に波及す る可能性について「注意深く見守る」としながらも、「過剰反応をす べきでない」と指摘した。さらに、アジア諸国の多くはリーマン・ ショック後の財政出動で財政状況が悪化したものの、高成長の持続が 財政健全化につながることを挙げ、「影響は限定的だ」と強調した。

ADBが09年12月に公表した「アジア経済モニター」によると、 09年のアジア諸国の対国内総生産(GDP)比財政赤字は、おおむね 3-4%程度だが、マレーシアとベトナムはそれぞれ7.4%、7.0%と 高い。

世界の金融市場で渦中のギリシャ政府は、GDP比12.7%に達し た財政赤字を今年中に4ポイント引き下げ、さらに12年中に3%以下 に削減する計画を策定している。

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