2月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロと円に対しても み合い。スイス国立銀行(SNB)による為替介入の観測が広が ったほか、米フィラデルフィア地区の製造業活動が拡大した一方 で、米週間失業保険申請件数は増加するなど、経済統計は強弱混 在となり、ドルは荒い値動きとなった。

ユーロは一時、対ドルで上昇。SNBがスイス・フランの上昇 を抑制するために自国通貨売りの介入を実施したとの観測が強ま った。英ポンドは対ドルで約1週間ぶりの安値に下落。1月の英 財政収支が同月としては統計開始(1993年)以来で初の赤字を記 録した。

オンライン為替取引オアンダの通貨アナリスト、ディーン・ポ ップルウェル氏(トロント在勤)は「ボラティリティを高めるよ うな材料がいくつかあった。失業保険統計はドルにやや売り圧力 をかけたが、経済統計の内容は確実に良くなっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルはユーロに対して 1ユーロ=1.3611ドル。前日は1.3607ドルだった。円は対ドルで 1ドル=91円25銭と前日と変わらず。スイス・フランはユーロ に対してほぼ変わらずの1ユーロ=1.4668フラン。一時は0.2%高 の1.4646フランまで買い進まれた。ユーロは対円で1ユーロ= 124円21銭(前日は124円17銭)。

フィラデルフィア連銀指数

フィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区製造業景況指数 は17.6と、前月の15.2から上昇。同指数はゼロが拡大と縮小の境 目を示す。

労働省が発表した13日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は47万3000件と、前週の44万2000件(速 報値44万件)から3万1000件増加した。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査 担当ディレクター、キャシー・リーン氏は、「労働市場の悪化は この先の雇用拡大に赤信号を灯しており、FRBが予想する失業 率の高止まりを裏付けた」と述べた上で、「これがFRBのバラ ンスシート縮小を妨げる要因になってはならない」と続けた。

スイス・フラン

ユーロは一時、スイス・フランに対して上昇し、SNBによる 介入観測が広がった。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は、「SN Bが介入した可能性がある。それでユーロが上昇したと考えられ る」と語る。同氏によると、SNBは今年に入り、フランの下落 を図るため少なくとも3、4度の介入を実施した。

スイス中銀のヒルデブラント総裁は先月22日、為替相場の「過 度の上昇を断じて阻止する」決意を表明した。

SNBのウェルナー・アベッグ報道官にコメントを求めたが、 同氏はコメントを避けた。

◎米国株式市場

米株式相場は3日続伸。3日間の上げとしては昨年11月以来で 最大となった。ウォルマート・ストアーズの既存店売上高が期待 外れだったものの、好調な経済指標を背景に景気回復への信頼感 が強まり、買いが優勢となった。

ニューモント・マイニングとフリーポート・マクモラン・カ ッパー・アンド・ゴールドが高い。S&P500種株価指数の素材株 指数は構成する10業種中で最大の上げとなった。プロクター・ア ンド・ギャンブル(P&G)も上昇。成長軌道に戻ったと発表し たことが好感された。

一方、小売り最大手ウォルマートは下落。同社の2009年11月 -10年1月(第4四半期)の既存店売上高は、会社予想を上回る 落ち込みとなった。

S&P500種株価指数は前日比0.7%高の1106.75。ダウ工業 株30種平均は83.66ドル(0.8%)上昇し10392.90ドル。ともに過 去3日間の上昇率は2.9%で、昨年11月9日以来で最大となった。 ナスダック総合指数は0.7%上げて2241.71。

RBCウェルス・マネジメントのディレクター、フィリッ プ・ダウ氏は「向こう1年は予想を上回る経済指標が見られるだ ろう」とし、「中国やインドといった新興国は、真の持続的な回 復モードにある。米国抜きでの世界の景気回復など想像できない」 と述べた。

通常取引終了後、米株価先物指数は時間外取引で下落。米連 邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を0.25ポイント引き上げ て0.75%に設定したことで、景気刺激策の解消が進み米経済の回 復が鈍化するとの懸念が高まった。米S&P500種指数先物3月限 はニューヨーク時間午後5時9分現在、0.8%安の1096.2。

経済指標

S&P500種指数は、フィラデルフィア地区の製造業景況指数 が市場予想を上回ったことに反応して上昇。フィラデルフィア連 銀が発表した2月の同地区製造業景況指数は17.6と、前月の15.2 から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調 査の予想中央値は17だった。

また米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した1月の 米景気先行指標総合指数(LEI)は10カ月連続で上昇した。

通常取引の開始前、米株先物相場は下落していた。朝方発表 された新規失業保険申請件数が予想外の増加となり、雇用喪失が 景気回復の足かせになるとの懸念が高まったことが背景にある。

ファースト・シティズンズ・バンクシェアーズ(ノースカロ ライナ州ローリー)のエリック・ティール氏は、「投資家やエコ ノミストの頭にある重要な疑問の1つは、今後何年にもわたって 構造的に高水準の失業率が続くのかということだ」とした上で、 「私はそうなるとは考えていない」と述べた。

「売り浴びせは終了」

JPモルガン・チェースの米国株担当チーフストラテジスト、 トーマス・リー氏は、S&P500種が年末までに1300に達すると の予想は慎重過ぎた可能性があるとの認識を示した。同氏は、昨 年S&P500種の動きを最も正確に予想した1人。

リー氏はブルームバーグラジオで、「売り浴びせは終わった」 と発言。「売りで最も打撃を受けた業種を買うとよいだろう。素 材やエネルギー、テクノロジー株だ」と述べた。

売上高で世界2位の産金会社、ニューモント・マイニングは

2.5%高の48.41ドル。上場する産銅会社としては世界最大のフリ ーポート・マクモランは2%上昇し76.60ドル。S&P500種の資 源株指数は1.2%上げた。

消費財最大手のP&Gは0.9%高の63.39ドル。ロバート・マ クドナルド最高経営責任者(CEO)は記者会見で、同社が「成 長軌道に戻った」と述べた。

ウォルマートは1.1%安の53.47ドル。下落率はダウ工業株30 種で最大だった。第4四半期の米既存店売上高は前年同期比で

1.6%減少した。自社見通しでは1%未満の落ち込みだった。

◎米国債市場

米国債相場は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩 合を過去3年余りで初めて引き上げたことがきっかけ。FRBは 公定歩合引き上げについて、短期的な流動性の必要に関してFR Bへの依存度を低下させるよう金融機関に促すことが狙いと説明 した。

2年債と10年債の利回り格差は一時、過去最大に拡大した。 フィラデルフィア連銀製造業景況指数や景気先行指数がいずれも 上昇したことが背景。米財務省は来週実施する中長期債の入札規 模が総額1260億ドルになると発表した。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォ ーキー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏 はFRBの発表について、「すべては余剰準備の吸収開始の仕方 や引き締め政策の実施方法にかかわってくる」と指摘。「これは あからさまにタカ派的ではないが、ハト派的もしくは緩和政策が 恒久的には続かないことを示唆している。これはFRBが残され た一連の行動を実施する上で、不可欠な一歩だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後4時46分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.80%。一時は3.82%と1月 12日以来の高水準となる場面もあった。同年債(表面利率3.625%、 2020年2月償還)価格は18/32下げて98 18/32。2年債利回りは7 bp上昇の0.93%。これは1月28日以来の高水準。

公定歩合

公定歩合は0.75%に引き上げられた。従来は0.50%だった。 19日付で実施される。

公定歩合の引き上げは、FRBが大恐慌以来最悪の金融危機 に歯止めをかけるために講じた前例のない措置の段階的な解除に 向けた一歩となる。

FRB理事会は金融政策の見通しは「1月の米連邦公開市場 委員会(FOMC)時点とほぼ同様に」維持すると述べた。FO MCは1月の会合後の声明で、フェデラルファンド(FF)金利 の「長期にわたる」低水準は正当化されると表明していた。

利回り差

2年債と10年債の利回り格差は一時2.94ポイントに拡大し た。これまでの最大は1月11日に付けた2.90ポイントだった。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレー ディング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「経済環境 を考慮すれば、利回り曲線はスティープ化を維持するだろう」と 指摘。「FOMCの低金利政策により期間の短い国債の利回りは 長く固定されている。期間の長い国債は供給懸念で圧迫されてい るが、スティープ化は広範な景気動向に影響されているようだ」 と述べた。

生産者物価は上昇

米生産者物価は1月に市場予想を上回る伸びを示した。エネ ルギーやライトトラック、処方薬の値上がりが全体の押し上げ要 因になった。米労働省が発表した1月の生産者物価指数(PPI) 全完成品は前月比1.4%上昇。前月の0.4%上昇を上回る伸びだっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値は0.8%上昇だった。

食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.3%上昇。市場 予想は0.1%上昇だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト78人の予想中央値に よると、労働省が19日に発表する1月の米消費者物価指数は前月 比0.3%上昇となる見通し。前月は0.2%上昇だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。 ドルの上昇に伴い代替投資としての金の投資妙味が損なわれた。

ドルは主要6通貨バスケットに対して最大0.4%上昇。ドルと金 は反対の値動きになる傾向が強い。国際通貨基金(IMF)が金売却 を検討していることが明らかになり、金は下げ幅を縮小した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏は「ドルはまだ金相場に非常に強い影響を及ぼしている。今 の段階ではドルはさらに上昇しそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物4月限は前日比1.40ドル(0.1%)安の1オンス=1118.70ド ルで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は4週間ぶりの高値に急伸。米景気先 行指数が1月に上昇し、今年上期を通じての景気拡大が示唆され たことが背景。

原油は一時2.3%値上がりした。米民間調査機関コンファレン ス・ボードが発表した1月の米景気先行指標総合指数は10カ月連 続で上昇した。エネルギー省の統計によると、燃料需要は過去4 週間に増加し、製油所の稼働率上昇につながった。

エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバ ー(コネティカット州)のピーター・ビューテル社長は「ようや く需要回復の兆しが現れてきた。本日の統計はサプライズだ」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は 前日比1.73ドル(2.24%)高の1バレル=79.06ドルで終了した。 一時は79.11ドルと、1月19日以来の高値を付ける場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は4日続伸。米新規失業保険申請件数が予想外 に増加したものの、スイスのABBの決算が市場予想を上回った ほか、スイス再保険が配当を引き上げたことが好感され買いが優 勢となった。

電力網敷設で世界最大手のABBが大幅高。同社の2009年 10-12月(第4四半期)決算は、純利益が前年同期比で2倍余り に増加した。スイス再保険も上昇。一方でドイツのダイムラーは 下落。第4四半期の純損益が赤字となったほか、年間配当を無配 とする方針を示したことが嫌気された。

ダウ欧州600指数は前日比0.6%高の249.14で終了した。

リバプール・ビクトリア・アセット・マネジメントの最高投 資責任者(CIO)、ピアース・ヒリヤー氏はブルームバーグテ レビジョンのインタビューで、「今回の決算シーズンの結果は、 年内の方向性を示すものになるだろう」と指摘。「改善が見られ 始めている」と述べた。

ABBは7.6%高の21.28スイス・フラン。スイス再保険は

2.8%上昇し48.05フランだった。

一方、ダイムラーは4.7%安の31.50ユーロ。下落率は昨年10 月以降で最大となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツやフランスなど各国の相場が総じて 下落した。スペインとフランスが約110億ユーロの国債を入札し たのに加え、英国の予想外の財政赤字、ギリシャ財政問題への根 強い懸念が背景にある。

ギリシャ2年債利回りは2カ月余りで最大の上げとなった。 ギリシャの通関職員が政府の赤字削減策に反対する期限3日のス トを延長したことがきっかけ。英国債も下落した。英政府統計局 (ONS)の18日の発表によると、1月の歳出は歳入を43億ポ ンド上回った。税収の落ち込みが響いた。

ラボバンク・グループのシニアエコノミスト、エルビン・デ グロート氏(ユトレヒト在勤)は「供給はこれまでのところ消化 されているが、具体的な財政赤字対策を政府に求める圧力がある」 と指摘し、「市場はギリシャ政府の決意に依然不安を抱いている」 と付け加えた。

ロンドン時間午後4時9分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.25%。 昨年12月22日以降で最大の上げ幅。一方、フランス10年債利回 りは3.54%に上昇。ギリシャ10年債利回りは一時、19bp上げ

6.57%と、2月9日以降の高利回りとなった。英10年債利回りは 6bp上昇し4.09%。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗 せ利回り)は10bp拡大し328bp。5年前は8bpだった。

◎英国債市場

英国債相場は下落した。1月の英財政収支は同月としては統 計開始の1993年以来で初の赤字となった。

10年債利回りは先月11日以来の高水準まで3.5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)未満となった。前日比では4bp 上昇の4.06%。18日の政府発表によると、1月の歳出は予想に反 して、歳入を43億ポンド上回った。

英公債管理局(DMO)はこの日、2047年償還の指数連動債 を4億ポンド入札した。24日には2019年償還の国債30億ポンド の入札が実施されるほか、来週は銀行団を通じて国債(表面利率 4%、2060年償還)を売却する。

ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の債券ストラテジスト、ジェイソン・シンプソン氏は、「国債の 大量供給」がこの日の英国債への重しとなったと指摘した。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212-617-3007

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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