ドル高が米企業の新たな逆風に-テクストロンなど製造業の収益圧迫も

深刻なリセッション(景気後退) から回復し始めた米企業は、ドル高という新たな逆風に直面してい る。ドル上昇によって、2010年の企業収益予想は押し下げられる恐 れがある。

ドルは昨年12月1日以降、対ユーロで10.8%上昇した。ギリ シャが財政赤字に苦しんでいるほか、米景気の持ち直しが投資を呼 び込んでいることが影響した。バンク・オブ・アメリカ(BOA) やロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、 ジェフリーズ・グループの予想によると、ユーロは年末までに1ユ ーロ=1.30ドルを下回る水準に下落する見通しだ。

FBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ディーン・ドレ イ氏(ニューヨーク在勤)はインタビューで、「こうしたドル高で企 業の業績見通しが若干修正されることは間違いないだろう」とし、 「ドル高はマイナス要因だ」と指摘した。

ドル上昇で米国の輸出品は割高となり、ユーロ建ての海外売上 高はドル換算で目減りする可能性がある。こうした状況は最終的に、 製造業のユナイテッド・テクノロジーズやテクストロンといった米 企業の収益見通しのリスクとなる。両社はともに今年、ユーロが1 ユーロ=1.41ドルか同水準を上回って推移すると想定している。

ユナイテッド・テクノロジーズのグレゴリー・ヘイズ最高財務 責任者(CFO)は11日の会議で、ドルが対ユーロで1セント上昇 すると、通期利益は1株当たり1セント押し下げられると説明して いる。

ノーベル経済学賞受賞者のコロンビア大学のロバート・マンデ ル教授は17日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「ドル高はすでに一部の米企業に打撃を与えており、景気回復を阻 害するだろう」と語った。

ドルは昨年11月25日、1ユーロ=1.51ドルと、2008年8月 以来の安値を付けた。09年の平均は1.39ドル。ユーロは17日、 前日比1.2%安の1ユーロ=1.3607ドル。

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