デフレで日銀は金融緩和継続、10年度の長期金利1.2-1.6%-第一生命

総資産で国内第2位の第一生命保 険の中村雅一債券部長は、日本銀行はデフレ傾向の強まりで年内は金 融緩和政策を継続すると指摘し、2010年度の長期金利は1.2-1.6%を 中心に推移するとの見方を示した。

内閣府が15日発表した昨年10-12月期の実質国内総生産(GD P)の1次速報値は前期比年率4.6%増と市場予想(同3.5%増)を上 回り、3四半期連続でプラス成長となった。一方、GDPデフレータ ーは前年同期比で3.0%低下と過去最大の下落率を記録した。

中村氏は17日のインタビューで、昨年10-12月期の実質GDP が良かったのは政策効果や外需に引っ張られたためで、デフレ基調が 続いていると説明し、「日銀金融緩和の年内解除はなく、主要国の中で も一番遅くなる」と予想している。その上で、「短中期ゾーンの金利が 低い水準に抑えられるとみているため、長期金利もそれほど上昇しな い」と話した。

日銀は1月の金融政策決定会合で、昨年10月にまとめた「経済・ 物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価を行い、消費者物価の見 通しを上方修正したが、11年度まで3年連続の物価下落の予想は変え なかった。白川方明総裁は同会合後の会見で金融政策について「基本 的な考え方は展望リポートを公表した時点から変わったということは 全くない」と述べている。

追加緩和の可能性も

一方、中村氏は、日銀の追加金融緩和について、「3月末の決算時 期にかけて円高、株安の基調が強まれば、企業金融支援特別オペ(モ ンスターオペ)が3月末で切れることもあり、新型オペの期間を3カ 月から6カ月に延長する可能性はある。あるいは長期国債の買い入れ を増額することもあり得る」と語った。日銀は現在、月1.8兆円の長 期国債買い入れを実施している。

新型オペは、日銀が昨年12月に導入を決めたもので、政策金利

0.1%で期間3カ月の資金を10兆円供給して、主にターム(期日)物 金利の低下を促す。

このほか、世界経済のけん引役とみられる中国が金融引き締めで 減速することや、ギリシャなどの財政問題を受けたユーロ・円相場の 下落と輸出企業への打撃などを金利低下要因に挙げた。ユーロ・円相 場は今月5日、南欧の財政懸念が強まったのを受け、1ユーロ=120 円71銭と約1年ぶりの円高値をつけた。

金利上昇リスク

長期金利の上昇要因としては、今年7月に見込まれている参院選 前に10年度補正予算を含む財政拡大で国債が増発される可能性や、米 国の政策金利引き上げ観測を受けたドル高・円安の進行などを挙げた。

中村氏は、「米国で雇用の改善が続き、政策金利が動意づけば、ド ルキャリー取引(低金利のドルで調達した資金を新興国など高金利通 貨へ投資する取引)の巻き戻しや、円キャリー取引が復活し、ドル高・ 円安となる可能性がある」と説明。米金利が上昇し、円安、株高に振 れれば、日本の長期金利はおよそ2年ぶりの高水準となる1.8%程度 まで上昇する可能性もあるとみている。

18日の現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回 債利回りは1.32%で取引を開始した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE