東京外為:ユーロ下落、ギリシャの財政再建に不透明感くすぶる

東京外国為替市場では、ユーロが 下落。ギリシャの財政問題をめぐって、ドイツ国内で金融支援に対す る反対意見が聞かれるなど、先行き不透明感がくすぶっていることか ら、再びユーロへの売り圧力が強まった。

大和総研経済金融調査部の亀岡裕次シニアエコノミストは、ギリ シャが財政立て直しを順調に進めるためには、ユーロ圏全体の経済成 長が見通しを含めて高まっていかないと難しいと指摘。「ギリシャの財 政問題が速いペースで回復することは想定しづらい」として、当分は 急なユーロの戻りは見込みにくいとしている。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3558ドルと、4営業日ぶ りの水準までユーロ売りが進行。ユーロ・円相場も一時1ユーロ=123 円33銭と、2営業日ぶりのユーロ安値を付けている。

一方、ドル・円相場は対ユーロでの円買いが波及する格好となり、 一時は1ドル=90円83銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付 けた91円25銭からドル安・円高方向に振れた。

この日は日本銀行が金融政策決定会合で政策金利を0.1%前後に 据え置くことを全員一致で決定。政策の据え置きは市場で予想されて いたことから、円相場への影響は限定的となった。

ユーロ圏諸国とギリシャの「溝」

ドイツのメルケル政権で連立を構成するキリスト教社会同盟(C SU)のホルスト・ゼーホーファー党首は17日、ドイツは納税者の 血税でギリシャを支援することには抵抗しなければならないとの見解 を示している。

また、米ゴールドマン・サックス・グループがギリシャ政府によ る財政赤字の実態隠しを助ける役割を果たした疑いが取りざたされる 中、メルケル首相は、ギリシャによる債務の実態隠しに銀行が加担し たことが判明すれば、「不祥事」になるとの認識を示した。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松 本圭史氏は、ギリシャは緊縮財政を進めるに当たって、ストライキな どの国内世論を抑えなければならないといった課題を抱えていると指 摘。また、ドイツ国内でもギリシャ救済にネガティブな意見が出るな ど、「ユーロ圏諸国とギリシャの溝が埋められるかどうか」という懸念 もあり、心理的なユーロの圧迫要因になっていると説明している。

米金利上昇がドル下支え

一方、前日に米国で発表された1月の住宅着工件数と鉱工業生産 指数は市場予想の上回る内容となった。

さらに、前日には米連邦準備制度理事会(FRB)が1月26、 27日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を発表。F OMCメンバーは2兆2600億ドルに膨らんだバランスシートをいつ、 どのようにして縮小するかを議論し、一部のメンバーが「近い将来に」 資産を売却し始めるよう主張したことが明らかになった。

FOMC議事録の内容を受けて、前日の米国債相場が下落。10 年債の利回りは一時3.73%に上昇した。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、前回のFOMC では資産売却が議論されたに過ぎないが、「近い将来に」という主張が あったことについては「サプライズだった面がある」と解説。小売売 上高以降の米経済指標の改善傾向もあり、ドルの支援材料になるとみ ている。

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