短期金利が再び0.1%に収れん、日銀は潤沢供給で市場機能と両立困難

短期金融市場では、レポ(現金担 保付債券貸借)や日銀オペの金利が再び下限0.10%付近に収れんして きた。長めのターム物金利を低めに誘導する潤沢な資金供給を実施し ているためで、同時に金融機関同士の市場取引も維持することは難し いとの見方が多い。

18日の東京レポレートは、翌営業日に受け渡しされる翌日物(ト ムネクスト物)が0.104%、2営業日後に受け渡しされる翌日物(ス ポットネクスト物)は0.105%と、いずれも同レート公表を開始した 2007年10月以来の最低水準に並んだ。

一方、4カ月物の全店共通担保オペ1兆円(22日-6月15日) の最低金利は下限0.10%、平均金利は0.102%だった。コマーシャル ペーパー(CP)などを担保に0.1%で無制限に資金を貸し出す企業 金融支援特別オペ(23日-5月12日)の利用額は2683億円にとどま った。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「日銀もここで資金供給を 絞ると批判を浴びてしまう。市場機能がまひするぎりぎりのところま で供給を続けざるを得ない。ターム物金利を押し下げながら市場取引 を維持する金融調節の運営は非常にナローパス(狭い道)だ」という。

当座預金残高は16.3兆円程度と、今週に入って年初以来の高水準 となる16兆円台が続いている。今月2日の共通担保オペの札割れをき っかけに13.3兆円まで残高を縮小した際にはレポが急上昇した経緯 がある。

あす以降の当座預金は15兆円台後半に減少する見通しだが、市場 が目安としていた15兆円台は維持するとの期待がある。国内証券のデ ィーラーは、3月決算期末が意識され始めており、レポ金利の上昇を 放置するわけにもいかなくなると予想する。

政策、市場機能と逆行

日銀はこの日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めた。一 部には0.1%で3カ月物の資金を10兆円供給する新型オペの拡充を予 想する声もあった。金武氏は、「3月の会合では、企業金融支援特別オ ペの終了を新型オペで補っていく方策が中心になる」とみている。

日銀は、円高圧力を和らげる目的でターム物金利を低めに誘導す る新型オペを導入。市場では、政府の追加緩和要請に対し、新型オペ の長期化や増額を予想する声もある。ただ、短期金利への効果は限界 的とみられている上、市場機能を一段と阻害することにもなりかねな い。

国内証券のディーラーは、新型オペ自体が市場機能を低下させる 政策にもかかわらず、レポ取引などを生かすために、一時的に資金供 給を絞って金利を上振れさせる金融調節は理解できないと話す。

昨年12月の追加緩和以降、国庫短期証券(TB)市場では利回り 低下に伴って投資家の買いが減少。証券会社などのディーラーは高水 準の在庫を抱えやすい傾向にあり、レポ金利の変動が与える影響は大 きくなっている。

セントラル短資の金武氏は、「日銀はターム物金利を押し下げるこ とに重点を置いており、市場機能が低下するのはやむを得ないと考え ているのではないか」という。

金融調節の工夫

レポが下限0.10%に張り付くと、銀行が資金を超過準備(利息

0.1%)に放置して取引が縮小し、何かをきっかけに金利が急騰するリ スクも高まる。日銀は翌日物の国債買い現先オペを停止する一方、1 週間物の同オペを毎日8000億円に増額して実施している。

今月2日には、1週間物の本店共通担保オペが札割れになったた め、供給期間をやや長期化。この日の全店共通担保オペ1兆円(19日 -3月9日)は期間が2週間強で、5倍の応札倍率を維持している。

無担保コール翌日物の加重平均金利は誘導目標0.1%を下回るこ とが多くなった。超過準備に利息を払う補完当座預金制度の対象外と なっている投資信託や生損保が0.1%以下でも資金を運用するためで、 こういった業態の余剰資金を吸収するオペの必要性を指摘する声もあ った。

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