債券先物が小幅安、株価続伸で売り優勢-長期金利1.315%に小幅低下

(第12段落以降に超長期債の動向に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

2月18日(ブルームバーグ):債券市場では先物相場が小幅安(利 回りは上昇)。前日の米株式相場の上昇が国内株価を支える展開となっ たことから売りがやや優勢となった。一方、長期金利は小幅に低下し ての推移となった。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、米国は景気回復期待を反映して株高、債券安となっ ており、国内債も売りが出やすい環境ではあると指摘。もっとも、「期 末が近いといった特殊事情からこう着相場が続いている」とも言う。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比1銭安い139円60銭で始 まった。午前に株価が下げに転じた場面では10銭高の139円71銭ま で上昇した。しかし、株価が下げ渋ると午後に入って小幅マイナス圏 での推移となり、結局は取引開始時と同じ139円60銭で終了した。

17日の米国市場が株高、金利上昇となったことが、朝方の円債市 場でも売り材料視された。米国では1月の鉱工業生産指数や住宅着工 件数が市場予想を上回ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)に よる出口戦略が意識され、主要な株価指数が小幅続伸する一方で、米 10年債利回りは7ベーシスポイント(bp)高い3.73%程度となった。

しかし、米株高の割に日経平均株価の上昇が鈍かったことから、 債券先物も15日以降に続く139円60銭を中心としたレンジ取引とな った。日経平均株価は28円86銭高い1万335円69銭で引けた。

米国の金利上昇といった売り材料もあったが、BNPパリバ証券 の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、米国では金融政策の出口戦 略が意識されているが、日本は逆に追加緩和の憶測が根強いといい、 「米国の金利上昇の影響を受けづらい構図だ」との見方を示した。

日銀は金融政策を据え置き

一方、日銀は18日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を現行 の0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定したと発表した。

今回の金融政策据え置きは予想通りだったため、債券相場への影 響は限定的だったが、先物市場では多少の売り材料ともとらえられた。 みずほ証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、債券先物が午前 に反発したのは株価が下げたことのほか、ごく一部に日銀会合でデフ レ懸念が示されるとの憶測も込められた可能性があり、結果的に何も なかったことで午後に売りがやや強まったとの見方を示した。

10年債利回りは1.315%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは前日の終値より0.5bp 低い1.32%で始まり、いったんは3営業日ぶり低水準の1.315%に下 げた。その後は1.315-1.325%での小動きとなっている。

DIAMアセットの山崎氏は、大方の投資家は債券運用で収益が 上がっているほか、株価も堅調であることから利益確定売りの要請も 乏しいとした上で、「3月には国債大量償還を控えていることもあって 足元の需給からは金利が上がりにくい展開が見込まれる」という。

ただ、305回債利回りは年初以降に1.30-1.38%の値幅でもみ合 っており、期末接近で投資家の取引手控えが続く中ではもみ合い相場 が続く可能性が高い。みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマ ーケットエコノミストは、日経平均の上値が意外に重かったことが債 券相場を支えていたとしながらも、「期末が近づいて投資家の動意が乏 しいだけに、10年債中心に現物取引はさっぱりだ」とも述べた。

超長期ゾーンに買い優勢

この日は超長期ゾーンに買いが優勢となって、20年物の114回債 利回りは0.5bp低下の2.16%をつけた。来週には次回の20年債入札 を控えていることもあって、16日には新発20年債としてほぼ3カ月 ぶりの高い水準となる2.17%をつけたが、年金基金などから保有債券 の年限長期化を狙った買いが入ったもようだ。

みずほ証の野地氏は、株高傾向は短期的には債券売りの材料とし ながらも、株価安定が投資家のリスク許容度を高めることを考えると、 20年債など超長期ゾーンにとって悪い話ではないとの見方を示した。

半面、米国で金利水準が切り上がると、日本でも需給不安が強い 超長期ゾーンの金利上昇が意識されるとの指摘があった。DIAMア セットの山崎氏は、米国の景気回復期待が盛り上がって金利が一段と 上昇すれば、国内市場も10年超の長期や超長期ゾーンで売りが膨らん で、利回り曲線はスティープ(傾斜)化しやすくなるとみていた。

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