円高は景気回復に害なし、年2%上昇許容可-クレディ・アグリコル証

クレディ・アグリコル証券の加藤 進チーフエコノミストはブルームバーグ・ニュースのインタビューで、 為替市場のボラティリティ(変動率)が抑えられている限りは、円高 の進行が日本の景気回復を阻害しないとの見方を示した。

ドル・円相場は昨年11月に一時1ドル=84円83銭と、1995年 7月以来の円高値を更新。加藤氏は、固定相場時の360円から大きく 円高が進む過程で、日本経済の活力がそがれた可能性もあるが、「結果 的には日本企業が海外で活動する一つのきっかけにもなった」と指摘。 また、企業は時間をかけながら、常に強い水準の円に対しての調整を 成し遂げてきたと語る。

その上で、加藤氏は、企業財務の観点から、「為替のヘッジができ ないような大きな変動が困る」として、ボラティリティが抑制された ある程度「プレディクタブル(予測可能)」な円高進行が好ましいと説 明。「あくまで変化率で、年間に5%、10%の円高進行は警戒する必 要があるが、日米のインフレ率格差である2%程度の上昇であれば問 題ない」とみている。インタビューは17日に行った。

昨年12月には日本の輸出額がアジアを中心とした世界経済の持 ち直しを受けて、2008年9月以来、1年3カ月ぶりの前年比増とな ったが、加藤氏は円高進行下でも、輸出は順調に伸びているとしたう えで、90円台でもボラティリティがない中では、「日本の景気回復の 障害にはならない」としている。

日本銀行が昨年12月に発表した企業短期経済観測調査(短観) によると、09年度の想定為替レートは通期で92円93銭。上期が94 円90銭、下期が91円16銭となっている。この日のドル・円相場は 91円台前半で推移している。

短期的にはドル高も、金融政策格差が焦点

日銀はこの日、17日から開いている金融政策決定会合の結果を発 表する。ブルームバーグ・ニュースが有力日銀ウオッチャー16人を対 象に行った調査では、大勢が現状維持を予想している。

加藤氏は、日銀が日本の経済成長に対して非常に強気の見方を維 持している点を挙げ、「そういうシナリオの中で今の金利水準をさらに 引き下げるとか、流動性を大幅に拡大しなければいけない理由はない」 と分析。また、「基本的に中央銀行はデフレに備えるということがメニ ューにない」として、金融政策面からデフレを克服するためのオプシ ョンが今のところないと説明している。

その上で、加藤氏は、日本が今年度にデフレを克服する可能性は 見込めず、来年度も可能性が低いという状況の下において、「日本の短 期金利の上昇モメンタムというのは米国に比べてかなり弱い」と指摘。 一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利の正常化に向かうと いうことが予想されれば、ドルが円に対して短期的な要因で強くなる 可能性があるとして、年末に100円までのドル高・円安もあり得ると みている。

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