川崎重:民間機エンジン事業売り上げ1.5倍目指す-15年度(Update1)

(産業用ガスタービンの動向やアナリストコメントなどを追加します)

【記者:松井博司、小野満剛】

2月18日(ブルームバーグ):国内重工業3位の川崎重工業は2015 年度(16年3月期)までに民間航空機エンジン事業の売り上げを1.5 倍に拡大することを目指す。同事業を管轄するガスタービンビジネス センター長の衣斐正宏執行役員が17日、ブルームバーグ・ニュースの インタビューで明らかにした。

世界2位の航空機エンジンメーカー、英ロールス・ロイスは、米 ボーイングのB787と欧州エアバスのA350XWB向けのジェットエ ンジンの製造を予定しており、川崎重はエンジンの心臓部である分担 製造品「中圧圧縮機」を製造することが確定している。衣斐センター 長は、今後、新型航空機の就航が予定通り相次げば、15年度の売り上 げの1.5 倍は「ほぼ堅い数字」だと語った。

同社の第3四半期(10-12月期)業績の発表資料によると、09 年度(10年3月期)のガスタービン・機械セグメントの売り上げ見込 みは2000億円。衣斐氏によると、民間航空機向けエンジン事業はその うち約3割を占めており、ブルームバーグ・ニュースの試算では16 年3月期の同事業の売り上げは現在の約600億円から約900億円に増 えることになる。

新生証券シニアアナリストの松本康宏部長はB787、A350用エン ジンが予定通りのスケジュールで出荷され始めれば「川崎重全体への 利益貢献も大きい」と指摘する。

納期が大幅に遅れていた米ボーイングのB787の初飛行が昨年末 に実現したが、これを受け川崎重はB787向けエンジンの分担製造品 の本格的な量産に入った。ボーイングの生産が軌道に乗るのと並行し て川崎重のエンジンの分担製造品の出荷も増えていく見通しだ。

また、川崎重は、欧州エアバスがボーイングに対抗して開発中の 新型旅客機A350用のエンジン開発にも参加している。A350が予定通 り13年に就航すれば、同機向けエンジンの分担製造品の売り上げも上 積みできる見込みだ。

川崎重がロールス・ロイスのエンジンで製造を分担するのは、B 787とA350向けのジェットエンジンの中圧圧縮機。衣斐センター長に よると、ロールス・ロイスの受注はB787向けのエンジン「TRENT1000」 が約500台、A350向けの「TRENT XWB」が約1000台確定している。 特にA350はロールス・ロイスがエンジンを独占しているため、受注 台数が多く、川崎重にとっては追い風になる。

新生証券の松本部長は、川崎重が巨額な両機のエンジンの研究開 発を終えており、「これからは回収の時期に入る」として、川崎重本体 への利益貢献度が増していくと分析。今後、民間航空機エンジン事業 は「川崎重の業績を安定的に下支えすることになるだろう」とみてい る。

一方、ガスタービン・機械セグメントの売り上げは汎用機と肩を 並べる規模になっており、民間航空機エンジン事業はその中核となっ ている。衣斐氏は、同じセグメントで手掛ける産業用ガスタービンの 売り上げについても、16年3月期までに1.5倍に引き上げる方針で、 同事業部門が今後も川崎重の業績をけん引する公算が大きい。

川崎重の稼ぎ頭はこれまで二輪車を扱う「汎用機事業」だったが、 金融危機以降の世界的な景気後退で同事業は伸び悩んでいる。

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