日銀:政策据え置き-デフレ深化と財政悪化で臨戦態勢続く

(発表内容を追加します)

【記者:日高正裕】

2月18日(ブルームバーグ):日銀は18日、同日開いた金融政策 決定会合で政策金利を0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定 した、と発表した。昨年10-12月の実質国内総生産(GDP)は 3期連続プラスだったが、一方ではデフレの深化も印象付けた。日 本経済は外的なショックに依然もろく、日銀は臨戦態勢が続きそうだ。

10-12月の実質GDPは前期比1.1%増(年率4.6%増)。個人消 費は3期連続で増加し、設備投資も7期ぶりにプラスに転じた。名目 GDPも7期ぶりのプラスとなったが、総合的な物価を示すGDPデ フレーターは前年同期比3.0%低下と過去最大の落ち込みとなった。

日銀は昨年12月18日の決定会合で、中長期的な物価安定の理解 について、消費者物価指数の「前年比2%以下のプラス」で、「委員 の大勢は1%程度を中心と考えている」と表明した。菅直人副総理兼 財務相は16日の衆院予算委員会で、「私の認識では大体1%からもう ちょっとかな、と個人的には思わないではないが、その辺りで目標と しての認識は一致していると考えている」と述べた。

一方、日銀の白川方明総裁は同委員会で、資金供給量が不十分だ という批判に対し、日銀のバランスシートの対名目GDP比率は昨年 12月時点で26%と米国(16%)、欧州(21%)を上回っており、「主 要国で一番大きい」と指摘。さらに、資金供給量の規模だけで経済刺 激効果の大きさを判断する考え方についても「私自身は必ずしも納得 していない」と強い口調で反論した。

無い袖は振れない

菅副総理兼財務相は14日、フジテレビの番組で、消費税見直し議 論を3月から政府税制調査会で開始する考えを示した。7月の参院選 を控え、景気の下支え役として財政支出に頼れない分だけ、金融政策 への圧力が高まる可能性もある。

日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト は「今後も急激な円高進行や金融市場の混乱に対する不安は断ち切れ ず、日銀頼みにならざるを得ないだろう。政府は3月まで来年度予算 の成立に全力投球であり、4月以降もソブリン(財政)リスクを意識 すると、財政の無い袖を簡単に振ることも考えにくい」という。

三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストも「円高、株 安が再燃してデフレスパイラルや景気二番底のリスクが一段と高まっ たり、政府の要請が強まる場面では、日銀は追加緩和に踏み切る」と 予想。タイミングの1候補として「政府が新成長戦略の工程表や財政 運営戦略、中期財政フレームを具体化する6月ごろ」を挙げる。

内科は遠いから外科に行く

日銀は昨年12月1日に臨時会合で、0.1%で期間3カ月の資金を 約10兆円供給する新しい資金供給手段を導入した。政府のデフレ宣言、 ドバイ発の国際的な金融不安の台頭、円相場の高騰と株価下落による マインドの悪化で、景気の下振れリスクが高まったことへの対応だっ た。日銀の次の一手として、この新型オペの拡大や期間延長のほか、 長期国債の買い入れ増額を予想する声も少なくない。

しかし、バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノ ミストは「『財政が苦しいから代わりに日銀に何かさせよう』、ある いは『難航する基地問題で日米協調為替介入(政府の専権事項)とい う選択肢を失ったから、代わりに日銀に何かさせよう』というのが政 府の姿勢だとすれば、『内科は遠いから外科に行こう』というのと同じ ぐらい理解し難い議論だ」と指摘している。

日銀は18日の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ額を月

1.8兆円に据え置いた。議事要旨は3月23日に公表される。白川方明 総裁は午後3時半に記者会見する。

会合開催       総裁会見  金融経済月報  議事要旨
3月16、17日   3月17日     3月18日     4月12日
4月6、7日   4月7日     4月8日     5月10日
4月30日       4月30日        -        5月26日
5月20、21日   5月21日     5月24日     6月18日
6月14、15日   6月15日     6月16日     7月21日
7月14、15日   7月15日     7月16日     8月13日
8月9、10日   8月10日     8月11日     9月10日
9月6、7日   9月7日     9月8日     10月8日
10月4、5日   10月5日     10月6日     11月2日
10月28日       10月28日       -         11月19日
11月15、16日   11月16日     11月17日     12月27日
12月20、21日   12月21日     12月22日       未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、議事要旨は午 前8時50分。経済・物価情勢の展望(展望リポート)は4月30日の 午後3時に公表される。

--取材協力 下土井京子 Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 日高正裕 Masahiro Hidaka +81-3-3279-2894 mhidaka@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Chris Anstey +81-3-3201-7553 canstey@bloomberg.net

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