2月17日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対して2週間ぶりの高 値に上昇した。米住宅着工件数や鉱工業生産指数が予想よりも良好だ ったほか、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で当局者が米連邦 準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小について議論してい たことが明らかになり、ドルへの買いが膨らんだ。

ユーロは対ドルで下落。ドイツ連立与党の1つであるキリスト教 社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首がギリシャ支援に反対した ことが嫌気された。

円はブラジル・レアルや南アフリカ・ランドを含む主要通貨すべ てに対して下落。米景気回復の兆候が高利回り資産の需要を押し上げ た。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は、FOMC議事録は「金利についてタカ派的な見方を示すものと受 け止められ、円売りドル買いが強まった。米国の経済統計は欧州に比 べると明るいサプライズが多い」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、ドルは円に対して1.2% 値上がりして1ドル=91円22銭(前日は90円14銭)。一時は 今月3日以来の高値91円26銭まで買い進まれた。ユーロは対ドル で1.2%値下がりして1ユーロ=1.3610ドル(前日は1.3770ド ル)。この日は1.3788ドルと11日以来の高値をつける場面もあ った。ユーロは対円で1ユーロ=124円17銭(前日は124円12 銭)。

レアルは円に対して1.8%高、ランドは同1.9%上昇した。低 金利通貨で資金を調達して高金利通貨で運用するキャリートレードが 拡大するとの観測が強まった。日本の政策金利は0.1%と低く、円 が資金調達通貨として選好されている。

FOMC議事録

FOMC(1月26―27日開催)の議事録によると、FOMC メンバーは2兆2600億ドルに膨らんだバランスシートをいつ、ど のようにして縮小するかを議論、一部メンバーは「近い将来に」資 産を売却し始めるよう主張した。

FOMC出席者は前月の会合で、FRBの資産と金融機関の超過 準備を「時間をかけて顕著に」圧縮し、FRBの資産を従来のように 米国債に絞ることで合意した。合意は全会一致だった。

また、政策当局者らは会合後に発表したFOMC声明に記述され ている住宅ローン担保証券(MBS)の「購入」という表現を「保有」 へ変えることも検討していたことが議事録で明らかになった。

鉱工業生産、住宅着工件数

FRBが発表した1月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益 事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比0.9% 上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は

0.7%上昇だった。前月は0.7%上昇。

商務省が発表した住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前 月比2.8%増の59万1000戸だった。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミストの予想中央値は58万戸。前月改定値は57 万5000戸と、速報値の55万7000戸から上方修正された。

MFグローバルの為替・債券アナリスト、ジェシカ・ホバーセン 氏(シカゴ在勤)は「米景気の改善でドルのファンダメンタルズが円 に比べて良くなっている。リスク許容が高まっており、円がキャリー 取引の資金調達通貨とみなされている」と述べた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は79.559まで下げた後、80.528まで上昇した。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。企業決算が好調だったほか、鉱工業生産指数 や住宅着工件数が市場予想を上回ったことで、景気回復に対する信頼 感が増した。S&P500種株価指数は前日、昨年11月以降で最大 の上げとなっていた。

世界最大の農業機械メーカー、ディーアが高い。同社の2009 年11月-10年1月(第1四半期)決算は、原材料コストの低下が 寄与し増益となった。自然食品小売りで米最大手のホール・フーズ・ マーケットも上昇。同社は2010年9月期の利益見通しを上方修正 した。

午後には米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会 (FOMC、1月26―27日開催)の議事録を公表。FOMCメン バーが2兆2600億ドルに膨らんだバランスシートをいつ、どのよ うにして縮小するかを議論したことが明らかになったが、株式相場は 上昇を維持した。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1099.51。終値と しては、2日以来の高値となった。ダウ工業株30種平均は40.43 ドル(0.4%)高の10309.24ドルと、約1カ月ぶりの高値。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズで25 億ドル相当の資産運用に携わるジェーソン・クーパー氏は、「これま で企業決算は比較的好調で、きょうのディーアなど力強い数字も一部 で見られる」と指摘。「経済指標は景気の改善を示しており、われわ れは正しい方向に向かっている。ただし、まだ先は長い」と述べた。

住宅着工、鉱工業生産

1月の住宅着工件数は59万1000戸と、ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミストの予想中央値58万戸を上回った。ま た1月の鉱工業生産は前月比0.9%上昇と、こちらも市場予想の平 均値(0.7%上昇)を上回った。

ニュージャージー州最大の住宅建設会社、ホブナニアン・エンタ ープライゼズは5.6%高の4.18ドル。バンク・オブ・アメリカ (BOA)は、ホブナニアンの投資判断を「買い」で始めた。

ヘネシー・アドバイザーズのニール・ヘネシー氏は、「市場の状 態は良好で、景気も回復してきている」と指摘。「企業が経済を主導 している」と語った。

「近い将来」

FOMC議事録によれば、一部のFOMCメンバーは「近い将来」 に資産を売却し始めるよう主張した。FOMC出席者はFRBの資産 と金融機関の超過準備を「時間をかけて顕著に」圧縮し、FRBの資 産を従来のように米国債に絞ることで合意した。合意は全会一致だっ た。

投資調査チャンネル・キャピタル・リサーチ・ドット・コム(ニ ュージャージー州シュルーズベリー)のチーフ投資ストラテジスト、 ダグ・ロバーツ氏は「議事録はインフレが依然としてFRBの主な懸 念材料になっていないことを示している」とした上で、「FRBの最 大の関心事は、現在あらゆる所に供給している流動性の対象を銀行の みにいかに絞り込むかということだ。再び深刻なリセッション(景気 後退)に陥ることなくこれを実行する方策を検討しているはずだ」と 語った。

ディーア、ホール・フーズ

ディーアは5%高の56.48ドル。同社は10年10月通期の純 利益予想を約13億ドルと、従来予想の9億ドルから上方修正した。

ホール・フーズは13%上昇の34.35ドルと、上昇率はS&P 500種の構成銘柄中で最大となった。同社は通期の利益見通しを1 株当たり1.20-1.25ドルと、従来予想の1.05-1.10ドルから 引き上げた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト16人 の予想平均値は1.09ドル。JPモルガン・チェースはホール・フ ーズ株の投資判断を「オーバーウエート」に指定。従来の「ニュート ラル」から引き上げた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債利回りは過去1カ月余りでの最高水 準に上昇した。連邦公開市場委員会(FOMC、1月26―27日開 催)の議事録で、一部メンバーが「近い将来に」資産売却を始めるよ う主張したことが示され、売りにつながった。

年限の長い国債が特に下げた。この日発表の米鉱工業生産指数や 住宅着工件数が予想を上回ったことも弱材料。米財務省は来週入札を 実施する中長期債の発行額を18日に発表する。

ジェフリーズ(ニューヨーク)のチーフ金融エコノミスト、ウォ ード・マッカーシー氏は議事録について、「将来の出口戦略や金融政 策の引き締めが、なお数カ月先ではあるが、ありふれた引き締めには ならないとの警鐘だ」と指摘。「米連邦準備制度理事会(FRB)は 異例の措置を取って緩和策を実施した。それを巻き戻すにも異例の措 置が必要となるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時58分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.74%。(表面利率3.625%、 2020年2月償還)価格は5/8下げて99 2/32。2年債利回りは 5bp上昇の0.85%。

2年債と10年債の利回り格差は2.90ポイントに拡大し、1 月11日につけた過去最大に並んだ。

FOMC議事録によると、出席者は前月の会合で、FRBの資産 と金融機関の超過準備を「時間をかけて顕著に」圧縮し、FRBの 資産を従来のように米国債に絞ることで合意した。合意は全会一致 だった。

「迅速な縮小」

一部の会合メンバーは、FRBのバランスシートを一段と迅速か つ予測可能な方法で縮小できるよう、資産売却を開始すべきだと主張 した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カール・ ランツ氏は、「こうした見解をきっかけに国債は売りを浴びた。特 に期間の長い債券が売られた」と指摘。「こうした混乱は続くだろ う。複数の地区連銀総裁がこれまで、同様の発言をしてきた」と述べ た。

ランツ氏はその上で、10日に議会に提出されたバーナンキFR B議長の証言内容は「これがFOMCの取る道ではないことを明確に 示していた」と述べた。

バーナンキ議長は同証言で、「近い将来」に資産売却は想定して いないと述べ、売却するとしても景気判断を反映させた緩やかなペー スで実施するとしていた。

低金利

バーナンキ議長はまた、この証言で、低金利が「長期にわたり」 正当化されるとのFOMC声明の見解をあらためて表明した。米政策 金利は2008年12月以降、0-0.25%に設定されている。

地銀向け投資顧問会社のザ・ベーカー・グループのアソシエート パートナー、ジェフリー・コーロン氏は、「FRBによる直接的な資 産売却という概念は国債相場を不安にさせる」と指摘。「FRBによ る購入終了という意味での出口戦略だけでなく、市場への供給が増え、 これを吸収しなくてはならないという概念だ。こうした概念は国債価 格を圧迫するだろう」と述べた。

米フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は講演で、米経済成 長が力強さを増すにつれ、FRBは保有する1兆2500億ドル相当 の住宅ローン担保証券(MBS)の一部売却を始めるべきだと語った。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸、一時4週間ぶり高値まで買い進 まれた。ギリシャ財政赤字への懸念が代替投資として金の需要を押し 上げるとの見方が広がった。

ユーロ建て金相場はこの日最高値を記録した。欧州連合(EU) 加盟国の財務相がギリシャの財政赤字縮小支援策について合意しなか ったのが背景。

資産家ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントは、 金連動型ETF(上場投資信託)としては最大の「SPDRゴール ド・トラスト」の持ち高を2009年10-12月(第4四半期)に2 倍以上に増やしたことが、米証券取引委員会(SEC)のデータで明 らかになった。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドディ ーラー、フランク・マギー氏は「金がユーロに対する長期的な懸念か ら恩恵を受けているのは明らかだ。資金がユーロから金へ流れ込んで いる。金とドルのトレンドが同じ方向になる可能性がある」と語った。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は上昇し、2週間ぶりの高値を付けた。 予想を上回る企業決算を好感して株価が上昇したほか、米経済指標が 世界景気の回復加速を示唆したことが背景。

原油は一時1.1%上昇した。1月の米鉱工業生産指数が前月比 で上昇したことが背景。株価も値上がりした。原油相場は前日に4カ 月ぶりの大幅上昇を記録した。ドルの対ユーロでの下落や株高がきっ かけだった。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのエネルギー担当 シニアアナリスト、トム・ベンツ氏は「世界経済は改善しており、需 要が増加するとの見方が広がっている」と指摘。「原油相場を10ド ル動かすのに需要関連のニュースはもはや必要ない。センチメントの 変化だけで十分だ。次の目標は1バレル=80ドルだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比32セント(0.42%)高の1バレル=77.33ドルで終了した。 一時は77.82ドルと、3日以来の高値を付ける場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。約6週間ぶりの大幅高だった。仏銀大手B NPパリバと証券取引所のドイツ取引所の決算がアナリスト予想より も良好だったほか、米国で発表された鉱工業生産指数や住宅着工件数 が予想を上回ったことが好感された。

BNPパリバは4カ月ぶりの大幅上昇。同銀は4四半期連続の黒 字決算だった。ドイツ取引所は赤字を計上したものの、赤字幅はアナ リスト予想ほどには拡大しなかった。

上場しているヘッジファンド会社で最大手の英マン・グループも 高い。投資家の間では同社が買収の標的になる可能性があるとの観測 が広がった。

ダウ欧州600指数は前日比1.4%高の247.69で終了した。 上昇率は1月4日以来で最大。同指数は過去8営業日のうち7日間で 値上がりした。

プルデンシャル・インターナショナル・インベストメンツ・アド バイザーズのチーフ投資ストラテジスト、ジョン・プラビーン氏は、 株式市場は「1月末から2月初めの調整局面から持ち直し、今年上半 期に上昇するだろう。景気の強さを示す経済統計や企業の堅調な決算 が欧州の債務懸念やアジアの金利懸念を打ち消すだろう」と語った。

BNPパリバ4%高。BNPパリバの2009年10-12月(第 4四半期)決算は、4四半期連続で黒字となった。BNPが17日電 子メールで配布した資料によれば、純利益は13億7000万ユーロ (約1700億円)。前年同期は同額の赤字だった。ブルームバーグ がアナリスト15人を対象に実施した調査では、10億6000万ユー ロの利益が見込まれていた。

時価総額で欧州最大の取引所であるドイツ取引所は3.7%上昇。 同社の第4四半期の純損益は3300万ユーロの赤字。前年同期は2 億2240万ユーロの黒字だった。ブルームバーグ・ニュースが7人 のアナリストを対象に行った調査では、6630万ユーロの赤字(予想 中央値)が見込まれていた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ2年債相場が上昇。ギリシャのパパコン スタンティヌ財務相が同国救済は必要ないと発言したほか、欧州(E U)がギリシャの赤字削減への取り組みを前提とした同国支援をあら ためて表明したことが背景にある。

ギリシャ2年債利回りは約1週間で最大の下げとなった。パパコ ンスタンティヌ財務相は16日、ブリュッセルでのEU財務相会合後 に「救済策を受ける必要は実際のところない」と語った。ドイツ国債 は前日からほぼ変わらず。ドイツはこの日、2年債62億ユーロを入 札した。

ノムラ・インターナショナルの金利ストラテジスト、ガイ・マン ディ氏(ロンドン在勤)は、ギリシャについて「市場は全体的にかな り冷静だったようだ。リスクと株式相場に関する限り、より前向きな 日が来るだろう」と語った。

ロンドン時間午後3時55分現在、ギリシャ2年債利回りは前日 比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.32%。 一時は18bp下げ5.30%となった。同国債(表面利率4.3%、 2012年3月償還)価格は0.26ポイント上げ98.04。一方、10 年債利回りは2bp上昇し6.42%。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ 利回り)は2bp拡大し323bp。一時は311bpまで縮小する場 面もあった。

この日の独10年債利回りは前日比1bp低下の3.20%、独2 年債も1bp下げ1.06%。両債のスプレッド(利回り格差)は9日 以来で最少の213bp。

◎英国債市場

英国債市場では10年債利回りは今週の最低まで低下したものの、 下げをほぼ消して終了した。この日公表されたイングランド銀行(英 中央銀行)の金融政策委員会(MPC)の議事録で、緊急的な債券買 い取りプログラムの休止決定が全会一致だったことを示した、

議事録によると、9人から成るMPCは4日、効果を見極めるた め、量的緩和策としての2000億ポンド規模の資産買い取りプログ ラムをいったん終了することを全会一致で決定した。年内の利上げ見 通しが強まったことを背景に、この日の金利先物利回りは上昇した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は、投票結果は「量的緩和がどう見ても終了した ことを示唆している。これは英国債にとってはやや弱材料だった。市 場の焦点は量的緩和拡大への期待から、金融政策引き締め時期へと移 行した」と付け加えた。

10年債利回りは議事録発表前に4%まで低下した。ロンドン時 間午後4時36分現在は前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の4.03%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月 償還)価格は0.07ポイント上げ103.56。2年債利回りは

1.16%と、前日から変わらず。金利先物12月限は1bp上昇の

1.23%となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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