トヨタ社長:米公聴会は現地社長対応-本社でバックアップ

トヨタ自動車の豊田章男社長は17 日、東京本社で会見し、一連のリコール(無料の回収・修理)問題を 受けた米議会の公聴会について、出席要請があれば検討するとの考え を示した。しかし、現段階では公聴会から任命された現地法人の稲葉 良睨社長が適任とした上で、自らは本社で全面的にバックアップする と強調した。

豊田社長は訪米に関し「行かないとは申し上げていない」とし、 時期をみて「必ず行く」と言明した。具体的な時期については現在調 整中と述べるにとどめた。また訪米の意図について「一部報道に誤解 がある」とした上で、自らは「社内変革を優先したい」と語った。

豊田社長の米公聴会への出欠問題をめぐって、ミズノ・クレジッ ト・アドバイザリーの水野辰哉代表は「米側からトップを求める声が 上がっている以上、現地社長が任命されたとは言ってもトップが出な いことはマイナスが大きい」と指摘した。

トヨタの品質問題をめぐっては、米議会が24日から来月初めにか けて3件の公聴会の開催を予定。24日に公聴会を行う下院監督政府改 革委員会のメンバー、ダレル・イサ議員(共和党、カリフォルニア州) は10日、同公聴会に豊田社長の出席を求めたことを電子メールで明ら かにした。

豊田社長は9日の会見で訪米することを明らかにし、販売店や仕 入れ先など関係者に「私自身の言葉で説明したいと考えている」と述 べたほか、訪米の際には米政府当局とも直接、意見交換したいとの意 向も示していた。

新型「プリウス」などの一連のリコール(無料の回収・修理)に 関して、豊田社長は国内の複数の販売店を訪問したとし、改修がスム ーズに行われるとの認識を示した。2月末までには「7-8割程度」 の改修ができるとの見通しを示した。

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治マネージングディレク ターは、プリウスの改修がスムーズに行われることについて「非常に 迅速な対応だ」とし、「プリウスのブランドイメージを下げたくない販 売店が危機感を持って営業担当者を顧客のところに送り込むなどして 対応した結果」とみている。

さらに、豊田社長はプリウスのリコール実施を迅速に決定したと の見解を示した。従来のリコールでは技術や法令面を重視したのに対 し、今回は「お客さまの不安に一歩踏み込んだ」と述べ、顧客対応を 重視した結果と説明した。

一方、豊田社長は「実需以上の売り上げを伸ばしてきたのは事実」 とした上で、「急拡大に対して人材育成に時間を割いてこなかった」と 述べた。また、「トヨタ生産方式の基本に返り、在庫がたまれば生産を 止める」と語った。

トヨタは16日、米国の2工場で今月下旬から生産調整を実施する ことを明らかにした。販売減少に伴う在庫調整、生産機種の移管のた めとしている。

対応の遅れが指摘されていることに対して、豊田社長は「私の登 場が遅かったことは大変申し訳ないと思っている」とし、「逃げようと して会見を遅らせたわけではない」と説明。その上で、「私の登場が遅 かったがゆえに大きな問題になったことは、真摯(しんし)に反省」 すると述べた。

急加速の原因の可能性を一部から指摘されていた電子制御スロッ トルに関して、豊田社長は「万一異常が発生しても加速しない」とし、 外部に実証検査を依頼する考えを示した。

また、米道路交通安全局(NHTSA)がトヨタの「カローラ」 について、ステアリングに関する顧客からの苦情を受け調査を実施し ていることに対し、会見に同席した佐々木真一副社長は「われわれは お客様が違和感を感じたものは不具合と認識し、改善策を検討中」と した上で、「安全にかかわるようであればリコールになるが、そうでな ければ普通のお客様の苦情に対する修理方法のご案内となる」と説明。

トヨタは同日、品質関連の取り組みについて、リコール対応の状 況や品質向上活動の具体的展開などを発表。アクセルとブレーキを同 時に踏んだ際にブレーキを優先するブレーキ・オーバーライド・シス テムを今後、世界で生産する全車種に順次、導入することなどを盛り 込んだ。豊田社長はブレーキ・オーバーライドの既販車対応について 「検討中」とした。

東海東京調査センターの加藤守アナリストはトヨタの品質向上対 応について「コスト面でそれなりの負担が発生する」とした上で、「そ うであっても今は万全の体制をとって具体策を示す必要があった。姿 勢を評価する」と述べた。

--取材協力:萩原ゆき Editor:Hideki Asai、Takeshi Awaji

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