芸術品ファンド創設に挑む、時機到来と100億円調達目標-投資銀行家

投資銀行家のマッシミリアノ・ス ッバ氏は10年間にわたり債券や風力発電事業、サッカークラブの広告 権などさまざまな資産への投資に携わったが、なぜか芸術品を扱うこ とは一度もなかった。

スッバ氏(37)は、電話インタビューで「銀行が芸術品を購入す るのは収集が目的だ」と説明。クレディ・スイス・グループ、バンク・ オブ・アメリカ(BOA)、コメルツ銀行に勤務した10年間、「芸術品 にかかわる投資には一切縁がなかった」と振り返った。

スッバ氏は2007年、芸術品投資に本腰を入れるため、コメルツ銀 を退社し、スイス中部ツークに投資会社アンセア・アート・インベス トメンツを設立。投資ファンド立ち上げの準備を進めていたが、その 矢先にサブプライム危機と信用逼迫(ひっぱく)が世界経済とアート 市場を直撃した。

08年に計画を練り直したスッバ氏は、今年5月に投資ファンド 「アンセア・Ⅰ・コンテンポラリー・アート・インベストメント・フ ァンド」を立ち上げ、計8000万ユーロ(約99億5000万円)の調達を 目指す。投資対象は、フランク・ステラやジェフ・クーンズ、アニッ シュ・カプーアら現代美術家の代表作だ。

「アンセア・Ⅰ」はアイルランド金融サービス監督機構(IFS RA)から規制・監督を受けることになっているが、同ファンドとは 対照的に他のほとんどの芸術品投資ファンドは規制対象外のものが多 く、これが投資家の人気が集まりにくい理由の1つになっている。

芸術関連の法律や訴訟を専門に扱う英ウィザーズのパートナー、 ピエール・バレンティン氏は、芸術品ファンドについて「問題の1つ は透明性だ」と指摘。「コンセプトはまだ初期段階。高リスクとみられ ている資産に投資資金が集まりにくい状況が続いた。これまでの実績 はない」との見方を示した。

イタリアで育ち現在はチューリヒに住むスッバ氏は、仕組み資産 投資に携わった自身の経験が、投資成績が不安定なことが多い芸術品 ファンドの欠点を克服する上で役立つはずだと話した。

アンセアⅠは、クローズ型のファンド。ターゲットは個人富裕層 のほか、年金基金や保険会社など機関投資家。最低投資額は25万ユー ロ(約3100万円)となる。

-- Editors: Jeffrey Burke, Daniel Billy.

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田 広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor:Yoshito Okubo 記事に関する記者への問い合わせ先: Katya Kazakina in New York at +1-212-617-4837 or kkazakina@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Manuela Hoelterhoff at +1-212-617-3486 or mhoelterhoff@bloomberg.net.

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