米CMBS市場に復活の兆し-ゴールドマンがテネシー州で先べんか

今年6月に期限を迎える米テネシ ー州のショッピングモール向け融資の返済交渉が、商業用不動産ロー ン担保証券(CMBS)の組成をウォール街が再び活発化させる契機 になるかもしれない。

同州ジョンソンシティーにある「ザ・モール」の債務返済でオハ イオ州コロンバスのグリムシャー・リアルティ・トラストは、ゴール ドマン・サックス・グループからの融資を得ようと交渉中だ。交渉が 非公開だとして関係者の1人が匿名を条件に明らかにした。同関係者 によれば、この債務は同じような債務とひとまとめにされ投資家に販 売される公算大だという。ブルームバーグ・データによると、同モー ルの融資残高は3720万ドル。

関係者らによれば、相対的に利回りが低下する中、ゴールドマン やバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ウェルズ・ファーゴ、JPモル ガン・チェース、ドイツ銀行は、不動産融資の証券化に向け、複数の 不動産所有者に対し条件を打診している。

ブルームバーグ・データによれば、最後に多数の借り手の融資に 裏付けされたCMBSが発行されたのは2008年6月。昨年販売された CMBSは単一の借り手の融資を担保とするものだった。

キーストーン・プロパティ・グループのウィリアム・グレーザー 社長は、CMBS市場の再開は「まるでひどいバイク事故からの復帰 みたいだ。事故の記憶が生々しいだけにリハビリ期間中は、誰もがリ スクを一段と嫌う」と話す。

証券化

ブルームバーグ・データは、CMBS発行が07年に過去最高の 2324億ドルとなったものの、信用市場の凍結で08年には111億5000 万ドルに急減したことを示している。米政府の支援があったにもかか わらず、09年もわずか30億4000万ドルにとどまった。

CMBS不足で、償還が近い債務を抱える借り手への資金の流れ が細っている。クレディ・スイス・グループのデータによれば、今年 は約280億ドルのCMBSが償還を迎える。

テネシー州のモールに関する交渉は一部の金融機関が、証券化で きるまでの数カ月間、債務を引き受ける意向があることを示唆してい る。商用不動産向け投融資を手掛けるA10キャピタルのジェイ・ハー バーマン副社長は、債券相場が回復すれば、金融機関はもっと積極的 にリスクを取りにいくと述べている。

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