円が対ユーロで約2週間ぶり安値、世界的株高でリスク志向改善

東京外国為替市場では円が対ユ ーロで約2週間ぶり安値を付けた。ギリシャの財政不安を嫌気したユ ーロ売りに一服感が広がる中、日本株やアジア株の上昇を背景に低金 利で調達通貨とされる円には売り圧力がかかった。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=124円49銭までユーロ買 い・円売りが進行。前日の海外市場で付けた今月4日以来の円安値を わずかながら更新した。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、 二瓶洋氏は、「長い目ではまだユーロ売りがくすぶっており、大きな 流れは変わっていない」としながらも、ギリシャの財政問題もある程 度織り込まれ、足元ではユーロの買い戻しが先行する地合いになって いると解説。「リスク志向の回復基調で円もドルも軟化する状況。結 果的にクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の上昇に一番つながり やすいパターンになっている」と語る。

円は対ドルでも1ドル=90円台前半で弱含みに推移。一方、ユ ーロ・ドル相場は1ユーロ=1.37ドル台後半でユーロが堅調に推移 し、一時は4営業日ぶり高値の1.3782ドルを付ける場面も見られ た。

前日の米株式相場はニューヨーク連銀製造業景況指数の予想以上 の改善などを手掛かりに大幅上昇し、投資家の悲観度を映すシカゴ・ オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(V IX)は約2週間ぶりの水準に低下。17日の東京株式相場も大幅続 伸し、アジアの主要株価指数は軒並み上昇している。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、ギリ シャ問題で新たな悪材料がなく、いったん情勢を見守るといった姿勢 が広がる中、株価が上昇していることから「リスク回避の動きが和ら ぐ」と指摘。このため、高利回り資産投資で調達通貨とされる円やド ルには売り圧力がかかりやすい部分があると話していた。

ギリシャ問題

ギリシャのパパンドレウ首相は16日、財政赤字縮小に必要な改 革を実行する準備はできていると表明し、この改革が同国を「近い将 来」に経済的苦境から救い出すだろうとの認識を示した。

ユーロ圏の財務相らはギリシャに対して、財政赤字削減で十分な 進展が見られない場合、3月16日までに新たな削減策を準備するよ う求めている。EU首脳らは先週、ギリシャ支援を表明したものの、 具体的な支援方法を決める前にギリシャが歳出削減を実行することを 確認したい考えだ。

ギリシャの財政不安を背景にユーロは前週末に対ドルで一時

1.3532ドルと約9カ月ぶりの水準まで下落。米商品先物取引委員 会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国 際通貨市場(IMM)では、ユーロ・ドル先物取引の非商業部門のユ ーロポジションの売り越し幅が今月9日時点で過去最大となる5万 7152枚まで拡大していた。

二瓶氏は、「ある程度織り込み済みではあるが、EU財務相理事 会がギリシャの財政再建計画を承認したことは前向きな動き。3月中 旬の具体的な赤字削減計画の提出期限に向け、信用不安が再燃したり、 スペインやポルトガルなどがギリシャを上回るような困難に陥らなけ れば、ドバイショックのように徐々に相場が収斂していく可能性はあ る」と指摘する。

また、三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、 「決着も何も見せていない中で、これでギリシャ問題が終わりになる ということはないが、ユーロはポジション的にこれ以上売り込めない ところまできていたので、今は調整の度合いを見極める局面」と解説。 ただ、「確固たる理由はなく、みんな株高やユーロの買い戻し、豪ド ル買いがどこまで続いていけるのか考えている。危うさを秘めた状況 での調整だ」と語る。

議事録

一方、米国ではこの日、1月26-27日開催の連邦公開市場委 員会(FOMC)議事録が公表される。同会合ではカンザスシティー 連銀のホーニグ総裁が、政策金利を「長期」にわたって「異例の低水 準」に据え置く方針に反対票を投じており、議論の詳細が注目される。

経済指標では1月の住宅着工件数や鉱工業生産などが発表される が、東海東京証券の二瓶氏は、強めの数字が出れば「特段のドル買い にはならないかもしれないが、ドル・円の90円割れのサポートには 効いてくる」とみている。

また、欧州時間にはイングランド銀行(英中央銀行)が資産買 い取りプログラムの休止を決めた今月4日の金融政策委員会(MP C)の議事録を公表する。三菱UFJ証券の塩入氏は、欧州通貨主 導の相場展開が続く中、「議事録に対する反応次第で例えばポンド が買われ出すと、ユーロもつられてさらにショート(売り持ち)が あぶり出される可能性もある」と指摘している。

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