日本株は大幅続伸、景気敏感や原発関連中心に高い-米欧中の不安後退

東京株式相場は大幅続伸。米国の 経済指標が改善したほか、欧州ではギリシャの財政問題に対する不安も 後退、金融引き締め政策を受けた中国株安に対する警戒感も遠のいた。 世界景気の回復持続期待から鉄鋼や海運、電機といった景気敏感業種が 買われ、東芝など原発関連や、ゼネコンを中心にドバイ関連株も高い。

日経平均株価の終値は前日比272円58銭(2.7%)高の1万306円 83銭と、この日の高値で引けた。TOPIX終値は同19.46ポイント (2.2%)高の904.63。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、米国で生産 関連統計が予想以上のピッチで改善し、欧州や中国が抱える問題への過 度の警戒感も薄れてきたと指摘。その上で、「米欧中を中心とした世界 経済の回復が続く限り、外需依存度の高い日本企業の業績がV字回復す るシナリオは崩れない」と話した。

ニューヨーク連銀が16日に発表した2月の同地区の製造業景況指 数は24.9と、前月の15.9から改善。市場予想の中央値18も大きく上 回った。このほか、全米ホームビルダー協会とウェルズ・ファーゴが発 表した2月の米住宅市場指数も17と、昨年11月以来の高水準。良好な 米経済統計を受けて世界景気の二番底懸念が和らぎ、この日の日本株市 場では朝方から景気敏感業種が買いを集めた。

ばら積み船の国際運賃市況のバルチック海運指数が6営業日ぶりに 反発、商船三井に対する三菱UFJ証券の投資判断引き上げなどが支援 材料となり、海運株が急伸。新日本製鉄やJFEホールディングスなど 鉄鋼株も高く、両業種は東証1部の業種別33指数の上昇率1、2位を 占めた。16日のニューヨーク原油先物が前週末比3.9%高と約4カ月半 ぶりの上昇率を記録したほか、銅や金相場も高く、三菱商事や住友金属 鉱山など資源関連銘柄も収益寄与への期待から買われた。

原発関連上昇、ゼネコンも高い

一方、欧州連合(EU)が16日、財務相理事会でギリシャの財政 再建計画を承認したことを受け、外国為替市場ではユーロが対主要通貨 で上昇。東京時間17日は1ユーロ=124円台前半と、前日午後3時時 点よりも2円近い円安水準で推移した。輸出採算の改善期待からホンダ やキヤノン、コマツなど輸出関連株も高かった。

原発関連銘柄も人気化。東芝が6.3%高と急騰し、東証1部の売買 高、売買代金で1位。日立製作所や三菱重工業、日本製鋼所、木村化工 機も上げた。オバマ米大統領は16日、米電力会社サザンがジョージア 州に建設を計画している原子力発電所に83億ドルの政府融資保証を供 与する、と発表。政府支援の具体化で「米国で原発新設の動きが加速す る可能性があり、日本の関連企業も恩恵を受けそう」と、日興コーディ アル証券エクイティ部の西広市部長は見ている。

鹿島や大成建設、大林組など大手ゼネコン株も上げが目立った。ア ラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国の鉄道「ドバイ・メトロ」の 建設作業が再開された、と英紙フィナンシャル・タイムズが16日に報 道。日本企業中心のグループとの間で争われていた20億-30億ドルの 支払いをめぐり和解が成立した、とも伝えられ、収益不安の後退でドバ イ関連に買いが集まった。ドバイに車両を納める近畿車両も堅調。

三寒四温

この日の日本株相場は、先物主導でじりじりと値を切り上げた。カ ブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、中国の金融引き締 め、米国の金融規制強化、欧州の財政赤字問題といった3つの重しを警 戒した売り圧力は目先のピークを越した、と指摘。「今後も紆余曲折が 予想されるものの、『陰の極』は通過。相場環境は季節と一緒で『三寒 四温』の状況に入ってきた」と話す。

特に午後からは、旧正月(春節)入りに伴う連休が明けた香港市場 のハンセン指数が上昇したことを受け、市場参加者の心理が一段と上向 いた。日産センチュリー証券ディーリング部の菊池由文部長によると、 「中国では連休前に2カ月連続で銀行の預金準備率引き上げが発表され、 一部で警戒感もあっただけに、香港株の堅調な始まりは市場参加者に安 心感をもたらした」という。

パルプ・紙が安い、売買代金は前日比5割近く増加

東証1部銘柄の8割超が上昇する中、日本製紙グループ本社などパ ルプ・紙株の一角が安い。印刷用紙の事業環境の厳しさを踏まえ、三菱 UFJ証券が16日付で、セクターの投資判断を「中立」に引き下げて おり、パルプ・紙指数は業種別33指数で唯一下落。このほか、2009年 12月期決算が従来の会社計画を下回ったセキュアード・キャピタル・ ジャパンが急落し、東証1部の下落率首位。前期最終赤字で無配に転落 するトーア紡コーポレーションも安い。

東証1部の売買高は概算17億5587万株。売買代金は1兆2323億 円で、前日を5割近く上回った。値上がり銘柄数が1403、値下がりは 177。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.2%高の50.19、 東証マザーズ指数は1.1%高の392.76、大証ヘラクレス指数は1%高の

563.96とそろって上昇。個別では、3Gデータ通信と音声通話に対応 したSIMがモトローラ端末に採用された日本通信がストップ高(値幅 制限いっぱいの上昇)。倉元製作所、エイチアイ、グリーが上昇した。 半面、09年12月期の利益予想を引き下げたフォーサイド・ドット・コ ムが急落。第一精工、プロパスト、ngi groupが下げた。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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