2月16日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで7カ月ぶりの 大幅高を記録。ギリシャ当局者が同国政府の財政赤字削減は計画以上 に進展していると述べたほか、欧州連合(EU)からの支援は必要と していないと述べたことがユーロ買いにつながった。

ブルームバーグが調査する主要16通貨のうちカナダ・ドルとノ ルウェー・クローネなどが対ドルで値上がりした。原油価格の上昇で 資源国通貨に対する需要が拡大した。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相はブリュッセルで開かれ たEU財務相会合後に「支援策を受ける必要は実際のところない」と 述べた。

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「一部に リスクを取る動きが戻った。ギリシャについて否定的なニュースはな く、それがユーロ上昇につながった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、ドルはユーロに対して

1.27%安の1ユーロ=1.3771ドル。前営業日は1.3598ドルだ った。下げ幅は昨年7月31日にドルが1.28%下げた時以来で最大 だった。ドルはカナダ・ドルに対して0.5%安。ノルウェー・クロ ーネに対しては1.1%下落した。

ドルは円に対して1ドル=90円17銭(前営業日は90円2 銭)。ユーロは円に対して1.4%値上がりして1ユーロ=124円 12銭、前営業日は122円38銭だった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前週 末比2.88ドル(3.89%)高の1バレル=77.01ドルで終了した。 一時は77.28ドルと、2月3日以来の高値を付ける場面もあった。

ユーロの見通し

ユーロは対ドルで昨年11月に1ユーロ=1.5144ドルの高値 を記録した。以来、ソブリン債の問題がユーロ圏の景気回復の妨げに なるとの懸念からユーロが売られ、これまで対ドルで9.1%下落し た。

商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたヘッジファンドなど の大口投機の建て玉データによると、ユーロの下落を見越した建て玉 は2月9日に5万7152枚とユーロが導入された1999年以来で最 大となった。前週は4万3741枚だった。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメントのシニア為 替アナリスト、オマー・エシナー氏は「短期間の間に状況が大きく変 わった。投資家はまだ心配しているが、悪材料の大半は出尽くし、ユ ーロ相場にもそれが反映されている」と述べた。

ユーロの相対力指数(RSI、期間14日)は前日に30を下回 り、相場の方向転換が近いことが示唆された。この日はブルームバー グがまとめる主要16通貨のうち、ユーロは13通貨に対して上昇し た。

EUのギリシャ対応

EU加盟国の財務相は15日、ギリシャに対し、必要ならば追加 的な財政赤字削減措置を準備するよう求めた。財務相は、ギリシャが 債務支払いに向け資金調達できなかった場合、同国を救済するとの公 約をどのような形で果たすのかという説明を拒否している。

ギリシャは3月16日に、EUの行政執行機関、欧州委員会に対 し、財政赤字を今年、国内総生産(GDP)比で4ポイント削減する 目標への取り組みを報告する。

欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は16日、EU財務 相会合後の記者会見で、「ギリシャによる断固たる自助行為を前提条 件に、われわれはギリシャの苦境克服を支援することができる」と語 った。欧州委と欧州中央銀行(ECB)の当局者らが財政健全化策の 「実行状況をチェック」するために数日内にアテネを訪れることも明 らかにした。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。主要株価指数は昨年11月以降で最大の上げ となった。2月のニューヨーク連銀製造業景況指数が予想以上に上昇 したほか、英銀バークレイズの決算が市場予想を上回ったことが背景。

USスチールとシェブロンが高い。商品価格の上昇が材料視され た。バンク・オブ・アメリカ(BOA)とシティグループは、バーク レイズの決算を好感し買い進まれた。メルクも上昇。同社の2009 年10-12月(第4四半期)は、利益がアナリスト予想を上回った。 ショッピングモール所有で米2位の商業用不動産大手、ゼネラル・グ ロース・プロパティーズは、買収提案を受けたことが好感され大きく 値上がりした。

S&P500種株価指数は前営業日比1.8%高の1094.87。ダ ウ工業株30種平均は169.67ドル(1.7%)上げて10268.81 ドル。両指数とも上昇率は昨年11月9日以降で最大となった。

ジョンソン・イリントン(ニューヨーク州オールバニ)のヒュ ー・ジョンソン会長兼最高経営責任者(CEO)は、「きょうの相場 の材料は決算だ。全体的に予想を上回った。またニューヨーク連銀製 造業景況指数は、明らかに予想よりも良い結果となった」と指摘。 「2010年がこれまでと違うのは、決算や経済指標が予想を上回ると いうことだ。きょうの数字はその良い例だ」と述べた。

ギリシャ問題

S&P500種指数は先週、週間ベースで0.9%上昇した。中国 でインフレ抑制に向けた動きが見られたものの、欧州連合(EU)が ギリシャの財政赤字削減を後押しする方針を表明したほか、米経済指 標で景気のモメンタム(勢い)が増していることが示されたことがプ ラスに働いた。

同指数の株価収益率(PER、営業利益実績ベース)は18.8 倍と、昨年12月24日に付けた24.5倍(02年5月以来の高水準) から低下している。

S&P500種の構成銘柄の純利益は09年第4四半期に前年同 期比80%増となり、第3四半期まで続いた過去最長となる9四半期 連続での減益にストップがかかるとみられている。

ニューヨーク連銀製造業景況指数

ニューヨーク連銀が16日に発表した2月の同地区の製造業景況 指数は24.9と、前月の15.9から改善した。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値18も上回った。同指数 ではゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

米石油2位のシェブロンは2.8%高の72.99ドル。サンフォ ード・C・バーンスティーンは、シェブロンの投資判断を「アウトパ フォーム」と、従来の「マーケットパフォーム」から引き上げた。原 油相場は、ドルがユーロに対して下落し代替投資先としての商品の魅 力が高まったことから、3.9%高の1バレル=77.01ドルとなった。

米2位の鉄鋼メーカー、USスチールは6.6%上昇の51.14 ドル。AKスチール・ホールディングは6.4%高の23.07ドル。 米会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)は、鉱山業界の M&A(企業の合併・買収)の総額が今年、3年ぶりに増加に転じ、 前年比で2倍以上に拡大する可能性があるとみている。中国とインド が原材料の確保を目指していることを理由として挙げた。

BOA、シティグループ

BOAは4.9%高の15.16ドル。上昇率はダウ工業株30種の 構成銘柄中で最大となった。シティグループは4.1%上げて3.31 ドル。

ゼネラル・グロース・プロパティーズは28%高の12.02ドル。 ショッピングモール所有で米最大のサイモン・プロパティー・グルー プは、ゼネラル・グロースを100億ドル余りで買収する提案を行っ た。

米製薬2位のメルクは2%値上がりし、37.66ドルだった。

◎米国債市場

米国債市場は上昇。カンザスシティー連銀のホーニグ総裁が、政 府は歳出削減と歳入拡大に向けた措置を取らなくてはならないと述べ、 さもなければ連邦債務を賄うという圧力がFRB(米連邦準備制度理 事会)にかかると指摘したことから、買いが入った。

米国債利回りは一時上昇する場面もあった。世界的な株式相場の 上昇に加え、ギリシャの政府当局者が同国の赤字削減は目標を上回っ て進んでいるとし、欧州連合(EU)による救済を必要としないと表 明したことが背景にある。米2年債と10年債の利回り差は一時

2.89ポイントに拡大し、1月11日に付けた過去最大記録まで1 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満となった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「ホーニグ総裁の発 言は、次の大きな危機が財政不均衡にまつわるものになることを示唆 しており、借り入れに依存した財政支出の是正につながるものだ」と 指摘。「つまり国債発行の減少、もしくは発行の増加ペースの鈍化だ」 と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時46分現在、10年債利回りは前週末比3bp低下の

3.66%。同年債(表面利率3.625%、2020年2月償還)価格は 9/32上げて99 22/32。

「次の危機」

オバマ政権は米財政赤字が9月30日終了の今会計年度には過去 最大記録の1兆6000万ドルに達し、今後5年間に総額で4兆 3000億ドルに膨らむと見積もっている。

ホーニグ総裁は財政立て直しに関する講演で、米政府は「一連の 組織や企業にあえて失望を与えることも厭わず」、赤字に対処すべき だと指摘。さもなければ、「次の危機」に直面するリスクを負いかね ないと述べた。

米財務省が発表した12月の対米証券投資統計は前月から買越額 が縮小した。中国が米国債を売却したのが影響した。外国の政府と投 資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて633億ドルの買い越 し。11月の買越額は1264億ドルだった。

中国の米国債保有額は342億ドル減少して7554億ドル。保有 額は2009年2月以来の低水準となった。日本は同115億ドル増の 7688億ドルで、中国を抜いて世界最大の米国債保有国となった。

ギリシャの歳入

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は「現在の環境においてこの中国のニュースに何らかの意 味があるのかはっきりしない」と指摘。「対米証券投資統計の問題は このデータがほぼ2カ月遅れていることだ。市場では現時点で起こっ ていることへの注目度の方が高く、現時点で市場にはなお米国債に対 する安心感が広がっている」と述べた。

この日のギリシャ国債相場は下落し、10年債の利回りは前日比 19bp上昇の6.40%となった。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相はブリュッセルで開かれ たEU財務相会合後に、同国は救済を「現実に必要としていない」と 表明。「ギリシャが救済を求めたことはない」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は急伸、約3カ月ぶりの大幅高を記録し た。ギリシャ財政問題への懸念が、通貨に代わる投資として金への買 いを押し上げるとの観測が広がった。

欧州連合(EU)の財務相らはギリシャに財政赤字削減に向けた 圧力を強めたが、赤字を削減できない場合の同国救済の具体策は示さ なかった。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のトレーダー、 マット・ジーマン氏は、「フィアットマネーへの信頼が欠けており、 これが市場を左右している。ソブリン債の問題が大量にあり、紙幣を 増刷する国も多すぎる。金だけが今のところ保有したいと思う有形資 産だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前営業日比29.80ドル(2.7%)高の1オンス=

1119.80ドルで取引を終了した。中心限月の取引としては昨年11 月3日以来の大幅高だった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇し、過去4カ月余りで最大の上げと なった。ドルがユーロに対して下落したことから代替投資先としての 原油の魅力が高まった。

原油相場は一時前週末比で4.3%高。ユーロが対ドルで前日に 付けた9カ月ぶりの安値水準から回復したことが背景。2月のニュー ヨーク連銀製造業景況指数が予想以上に上昇したことも、商品や株式 相場の押し上げにつながった。

ドイツ銀行のエネルギー担当主任エコノミスト、アダム・シミン スキー氏(ワシントンDC在勤)は「ユーロ高と株価の値上がりが原 油相場上昇の要因だ。この日の値動きの背景には原油関連の材料は何 もない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前週 末比2.88ドル(3.89%)高の1バレル=77.01ドルで終了した。 一時は77.28ドルと、2月3日以来の高値を付ける場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。ダウ欧州600指数は6週間で最大の上げ となった。英銀バークレイズの2009年通期決算が市場予想を上回 ったことが好感されたほか、金属価格の上昇を受けて鉱山株が買い進 まれた。

バークレイズはここ8カ月で最大の上げ。同行が16日発表した 09年通期決算は、投資銀行事業の好調と資産運用部門の売却が寄与 し、純利益が前年比で2倍以上に増えた。ドイツ銀行とBHPビリト ンも高い。アナリストによる投資判断引き上げが材料視された。

ダウ欧州600指数は前日比1%高の244.38で終了した。上昇 率は1月4日以来で最大。

CCRアクションズのファンドマネジャー、エリック・ブライン ス氏は「企業は利幅を確保しており、決算内容は非常に良いといえる。 全般的に状況は順調だ」とした上で、「それが株式市場にプラスとな っている。ただ、先行きに対しては慎重になっている」と述べた。

16日の西欧市場では、18カ国中16市場で主要株価指数が上 昇。ダウ・ユーロ50種指数は前日比1.4%高、ダウ欧州50種指数 は1.2%上げた。

バークレイズは6.8%高の293.75ペンス。上昇率は昨年6月 以降で最大となった。

ドイツ銀行は3.7%上昇の45.77ユーロ。クレディ・スイ ス・グループはドイツ銀の投資判断を「アウトパフォーム」に指定、 従来の「ニュートラル(中立)」から引き上げた。

世界最大の鉱山会社であるBHPビリトンは3.1%高の

1973.5 ペンス。INGグループは、BHPの投資判断を「ホール ド」から「買い」に引き上げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場でギリシャ国債相場は下落。欧州連合(EU)財務相 らが会合後に、ギリシャの財政赤字削減について具体的な支援措置を 発表しなかったことから失望が広がった。

ギリシャ10年債利回りは一時、ほぼ3週間で最大の上げとなっ た。欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は、EUにはユーロ 圏の安定を守る手段があると発言した。ユーロ圏財務相会合は15日 に財政健全化の追加措置を準備するようにギリシャに求めたものの、 この日のEU財務相会合では具体的なギリシャ向け救済措置が示され なかった。ドイツ国債はこの日、前日からほぼ変わらずとなった。

DZ銀行の債券ストラテジスト、グレン・マルシ氏(フランクフ ルト在勤)は「ギリシャが引き続き主な材料になっており、最大の問 題であるのは明らかだ。財務相らが実際に何をするかは誰にもわから ない」と述べ、「計画が決定し、全体像が見えてくるよう誰もが願っ ている」と付け加えた。

ギリシャ10年国債の利回りはロンドン時間午後4時現在、前日 比19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の6.43%。 一時は1月28日以来で最大の上昇となる場面もあった。同国債(表 面利率6%、2019年7月償還)価格は1.26ポイント下げ96.94。 2年債利回りは31bp上昇の5.46%と、10日以来で最高となっ た。

ドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は18bp 拡大し323bp。先月には396bpに達し、ユーロ導入の1999年 以来の最大となった。過去10年の平均は57bpだった。

この日の独10年債利回りは3.21%、フランスの10年債利回 りもほぼ変わらずの3.52%。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総 裁がインフレ率の大幅上昇は「一時的」であり、今後和らぐとの見通 しを示したことを受け、英中銀は当分利上げしないとの見方が強まっ た。

10年債は4営業日ぶりに上昇。金利先物市場では政策金利が長 期にわたり低水準にとどまるとの見方が示唆された。この日発表され た1月の英インフレ率は3.5%に加速し、2008年11月以来の高水 準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト30人の予想中 央値と一致した。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーラン ド・グリーン氏(ロンドン在勤)は、「金利変更の兆候はまったく見 えてこない」と述べた。この日発表の経済統計にもかかわらず、「イ ンフレは問題ではない」と付け加えた。

ロンドン時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.03%。同国債(表面 利率4.5%、2019年3月償還)価格は0.21ポイント上げ

103.51となった。金利先物12月限は1.22%に低下し、過去最低 となった。

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