オバマ米大統領に忍び寄る「債券自警団」の影-揺さぶり望む声も

オバマ米大統領は、同じく民主党 のクリントン元大統領を悩ませた「債券自警団」との対決に向かって いるのかもしれない。

約27年前に債券自警団の名付け親となったエコノミストのエド ワード・ヤルデニ氏は、機関投資家はオバマ政権と議会に財政赤字に 立ち向かうよう、正面切って揺さぶりをかけねばならないと主張する。 同政権は財政赤字が向こう5年で4兆3000億ドル(約387兆円)に達 すると試算している。

コンサルティング会社ヤルデニ・インベストメンツの社長を務め るヤルデニ氏は「政治家はやらざるを得ない状況に追い込まれないと 難しい選択をしない」として、米国債の購入を減らして「利回りを押 し上げる債券自警団が今こそ本当に求められている。経済成長を脅か し、政治家に行動を促す圧力となるからだ」と語った。

債券自警団が動き始めた兆候はある。CMAデータビジョンによ ると、米国債のデフォルト(債務不履行)に対する5年間の保証コス トを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは 今月8日、62.1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を付けた。 オバマ大統領が2011会計年度(10年10月-11年9月)予算教書を議 会に提出した1日は43.8bpだった。12日は53.6bp。

米10年国債利回りは12日、3.69%となり、5日の3.57%から上 昇。米国では先週、3年と10年、30年物の国債入札が実施されたが、 その規模は過去最大の計810億ドルだった。

ローレンス・マイヤー元米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、 米議会が財政赤字抑制に失敗すれば、金利が跳ね上がり、ドルが急落 する「財政の壊滅的な状況」がもたらされるリスクがあると指摘。「特 に長期スパンの投資家は自己防衛するか、少なくとも初期の不安サイ ンを見逃すまいと市場を監視したいと思うだろう」と10日付リポート に記している。

債券自警団が大活躍したのは1980年代終わりと90年代初めで、 当時のブッシュ政権とクリントン政権は財政赤字削減に向けて増税や 歳出カットなど政治的に不人気な対策を講じた。

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