ギリシャ:ゴールドマン支援スワップ取引、EU統計局の認識も焦点

【記者:Elisa Martinuzzi, Gavin Finch】

2月16日(ブルームバーグ):ギリシャが財政赤字拡大の実態を隠 すためにデリバティブ(金融派生商品)を利用していた疑惑について、 欧州連合(EU)当局者がいつから把握していたかをただす議論が巻 き起こっている。

ギリシャはユーロ導入直後の2002年、100億ドル(約9000億円) 相当の債務に関するスワップ契約を通じて10億ドルを調達するため、 米金融大手ゴールドマン・サックス・グループの助けを借りた。ギリ シャ公債管理庁の当時の責任者クリストフォロス・サルデリス氏が先 週のインタビューで明らかにした。同氏は、EU統計局(ユーロスタ ット)がこの計画を承知していたとしている。リスク・マガジン誌も 03年7月時点でこのスワップ契約について報じていた。

サルデリス氏によれば、ゴールドマンがまとめた取引は、ギリシ ャのドルと円建ての債務約100億ドルのクロス通貨スワップから成り、 ヒストリカル為替レートを用いてユーロへのスワップを実行した。債 務削減と同時に約10億ドルを調達する仕組みだが、スワップ取引が統 計上の赤字ないし債務をどの程度減らしたかについて、サルデリス氏 は詳細な言及を避けた。

ユーロスタットのヨハン・ビュルト報道官は15日電子メールで、 「ユーロスタットはギリシャが行ったとされる今回の為替スワップ取 引を、最近まで承知していなかった」と回答した。ユーロ導入11年で 最悪の危機のさなか、ギリシャの手法を誰がいつからどこまで把握し ていたかをめぐって食い違いが生じている。

EU離脱を

返済を繰り延べ、統計上の財政赤字圧縮を可能にするスワップ契 約の存在は、ユーロ導入当初から財政基準の順守に苦しんでいた実態 を覆い隠すため、ギリシャがスワップを利用したのではないかという 疑いを増幅させるものだ。

独バイエルン金融センター(ミュンヘン)のウォルフガング・ゲ ルケ代表はインタビューで、「ギリシャは財政赤字の統計をごまかして いた。合法と言い張ることはできない」と指摘。「ギリシャをEUから 追放する必要がある。さもなければ、第2、第3のギリシャが現れ、 新たな金融市場の大惨事を招く恐れがあるためだ」と警告した。

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