欧米に依然として融資損失拡大のリスク-豪中銀のデベル総裁補佐

オーストラリア準備銀行(RB A、中央銀行)のデベル総裁補佐は16日、世界の金融市場は2008 年の米リーマン・ブラザーズ・ホールディンクズの破たんに伴う混 乱から回復しつつあるものの、欧米では依然として不良債権が拡大 していると指摘した。

同総裁補佐はシドニーで金融業界の女性幹部を前に、「最近の神 経質な展開は、その多くがソブリン問題に関連したものであるが、 金融部門発のリスクも依然として存在すると考える」と語った。オ ーストラリア経済や中銀の金融政策については言及しなかった。

デベル総裁補佐は、過去3年間に見られた問題の多くは金融部 門に端を発したものと位置づけられるとし、それが世界的なリセッ ション(景気後退)の引き金ともなったと指摘。その一方で、欧州 連合(EU)首脳が沈静化に現在取り組んでいる危機は、ギリシャ の財政赤字拡大が引き起こし、南欧諸国へ派生したものだとした。

同総裁補佐は「現在は、世界的なマクロ経済面の弱さが、金融 部門に跳ね返りつつあるという局面だ」と説明。「北大西洋地域の経 済にとって、今回のリセッションは極めて大きなものだった。住宅 および商業用不動産の価格下落を伴っており、結果的に大規模な融 資損失を生じさせかねない」と語った。

デベル総裁補佐は、米大手銀行が不良債権の拡大に対処する能 力については安心できるものの、いわゆる二流の金融機関について より懸念していると指摘した。「米国の金融部門でかなりのシェアを 占める二流の金融機関の融資は、商業用不動産向けの比重が大きく、 特定の地域に集中したものとなっている」と説明。商業用不動産関 連の不良債権の増加が「明らかになるにはかなり時間がかかる」と 語った。

その上でアジアとオーストラリアについては、銀行のバランス シートは依然として健全で融資は阻害されていないとして、こうし たリスクは当てはまらないと指摘した。

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