首相:「民主党らしさ」で支持率回復を-小沢離れの見方も(Update2

鳩山由紀夫首相は16日朝、内閣支 持率が下落を続けていることに関し、「民主党らしさ、これから出して いく。国民は昔のような歯切れのよさを求めているのだと思う」との 認識を示し、支持率の回復を図る考えを示した。首相は同日夕、具体 的方策として行政の事業仕分けを挙げたが、専門家の間では小沢一郎 幹事長と距離を置き始めたことを示す発言との見方が出ている。

昨年9月16日の内閣発足からちょうど5カ月。当初は7割超あっ た支持率が下落を続け、先週末に行われた日本テレビ(12日から14 日)の世論調査で39.0%と4割を切る一方、不支持率が45.6%と初め て支持率を上回った。

首相は、支持率下落について公邸前で記者団に対し「国民の皆さ んの気持ちは真摯(しんし)に受け止めなければならない。やはり一 つは政治とカネの問題、これはあると思う。国民に丁寧に説明をし尽 くしていかなければいけない」と指摘。その上で、この「民主党らし さ」は「こういった問題があって見えにくくなった」と語った。

政治評論家の浅川博忠氏は首相の言う「民主党らしさ」について 「1996年に首相と菅直人現副総理兼財務相のハトカンで出発したこ ろの自由で開放的なムード」を意味すると指摘した。

鳩山首相と菅副総理が96年に結党した民主党は、2003年に小沢 氏が率いていた自由党と合併。その後、06年に小沢氏が代表に就任し て党運営の実権を握った。浅川氏は首相の最近の言動について「小沢 のおの字も出していないが、枝野幸男行政刷新担当相の起用といい、 首相が小沢離れしつつあるという現象が垣間見える」と指摘。「小沢氏 の力が強くなって物が言いにくい雰囲気になっていることを指して民 主党らしさが見えなくなったと思っているのではないか」と分析する。

首相自身は16日夕、官邸で記者団から「民主党らしさ」とは03 年の自由党との合併以前のことをイメージしているのかと聞かれ、「必 ずしもそういうわけではない。野党時代の国民のためにとことんやる ぞという歯切れのよい姿が与党になると隠れてしまいがちで、そうな ってはいけないという意味だ」と説明。具体的な方策として「事業仕 分けなどは歯切れのよさが見えたと思う。そういう意味での民主党ら しさというのをもっと全面に出したい」と語った。

確定申告

政治とカネをめぐっては、小沢幹事長の問題とともに、母親の資 金贈与で「平成の脱税王」と自民党の与謝野馨元財務相が糾弾した首 相自身の問題もあり、「歯切れのよさ」を出せない原因になっている。

例えば16日に始まった確定申告。首相は15日夜、記者団から国 民にどう納税を呼び掛けるのかと質問され、「政治に対する信頼を基本 的に回復させていかなければいけないと、そのような思いのもとで自 らも戒めながら、この国をさらにいい国にしていくために税金をお支 払いただきたい」と苦しい説明をせざるを得なかった。

「政策の民主党なのだから政策をしっかり訴えて、それを実現し て、国民の暮らしに少しでも明るさが取り戻されたなと、そうなった ときに皆さんがやはり政権交代が正しかったな、という気持ちになっ ていただけると確信している」-。16日朝、首相は民主党の政策を確 実に実行していくことが信頼回復につながると訴えた。

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